- Amazon.co.jp ・マンガ (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091837929
作品紹介・あらすじ
父親の死によって初めて父の優しさを知った男の心の機微を描く。
▼第1話/陽だまりの床▼第2話/春の面影▼第3話/緋色の記憶▼第4話/新しき小径▼第5話/美しき母▼第6話/夏の思い出▼第7話/別離▼第8話/もうひとりの母▼第9話/1枚の写真▼第10話/伯父の言葉▼第11話/めぐる春秋▼第12話/故郷の春 ●主な登場人物/山下陽一(郷里・鳥取を離れ東京で暮らすサラリーマン。故郷には結婚以来14~15年帰っていない)、山下武(陽一の父親。鳥取で理髪店を営む。陽一が小学生の頃離婚している) ●あらすじ/陽一が郷里を想うとき、いつも決まって想い浮かぶ情景がある。早春の早い午後、幼い陽一は父の営む理髪店の床の上に座りこんで遊んでいる。ぽかぽかと心地よい陽だまりの床。それはどうやら、かなり幼い日のもっとも心なごむひとときのように思われる…。父が死んだとの連絡を受けた陽一は、郷里の鳥取に帰ることになった。十数年ぶりの郷里はすっかり街並みが変わってしまい、なかなか郷里に帰ってきたという実感が湧かない。それでも実家に近づくにつれ、記憶にある景色が目につくようになってきた…(第1話)。▼郷里を捨て十何年も家に帰ってないうえに、通夜にも間に合わなかった陽一を、親戚の人々は暖かく出迎えてくれた。陽一が幼い頃に離婚し、その後も仕事一筋だった父親に深いわだかまりを感じていた陽一は、いたたまれない気持ちになった。しばらくすると、実の母親の弟である大介伯父が、陽一の知らない両親の若い頃の話を始めた…(第2話)。
感想・レビュー・書評
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著者の故郷である鳥取市で、理容店を営む四人家族の父親に焦点を当てた物語。この作品で初めて、昭和27年に『鳥取大火災』という災害があったことを知った。
この災害がもとで夫婦仲が悪くなり、語り手の息子・陽一の葛藤と共に、その後の一家の歴史が描かれて行く。谷口氏の画と相まって、読み応えのある作品だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
孤独のグルメでお馴染みの谷口ジローさんの作品。
軽い気持ちで読み始めましたが、とても良い作品に巡り会えました。 -
一言で言えば親の心子知らずというようなことを、父親の葬儀に際して描いている。しかし一言では言えない感覚も描いている。
とてつもなく丁寧な絵と話運びで、じわりと心の機微が伝わってくる。 -
画力に圧倒されるが、それ以上に構想力というか…文章力のすばらしさを思う。漫画を見るのでは無く、読むという感じがまことにふさわしい。
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作者と出身地が同じ鳥取で、鳥取が舞台なので、読んでみました。
人生の機微が描かれていてほろりとくる切ないお話だったけど、谷口ジローさんが海外で人気があるというのがどうも分からない。その時代の日本の情勢や庶民の生活や家族観が分からないと理解するのが難しいと思うんだけど…。外国人が読んでこの日本人的な心の動きが理解できるんだろうか…?? -
谷口ジローさんの本は、ぼくにとって「坊ちゃんの時代」四部作以来のお気に入りである。
最近も『遙かな町へ』『散歩もの』と、立て続けに手にとって読んだ。
そして、今回手にしたのが『父の暦』である。
谷口さんの絵もストーリーも、いつも一編の水彩画のように美しいのだけれど、この『父の暦』もそれを裏切らない。
中身については、裏表紙に簡潔にふれてあるので、書き記しておこうと思う。
「父が死んだ。私が長い間いだき続けてきたわだかまりを解かないままに・・・十数年ぶりに帰った郷里は何を語りかけてくるのか。
セピア色の記憶の彼方からよみがえる思いがけない真実。初めて知る母の、そして父の、優しくせつない想い。
谷口ジローが自らの故郷・鳥取を舞台に、人生の機微を鮮やかに描き尽くした傑作コミック。
ー 郷里に帰る・・・のではない、いつの日か郷里がそれぞれの心の中に帰って来るのだ ー
繊細なタッチが読む者の心深くに染みこむ感動を与える谷口漫画の最高峰!」 -
日経アソシエの読書特集より。
父の思い。故郷の温かさ。
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(内容紹介)
▼第1話/陽だまりの床▼第2話/春の面影▼第3話/緋色の記憶▼第4話/新しき小径▼第5話/美しき母▼第6話/夏の思い出▼第7話/別離▼第8話/もうひとりの母▼第9話/1枚の写真▼第10話/伯父の言葉▼第11話/めぐる春秋▼第12話/故郷の春●主な登場人物/山下陽一(郷里・鳥取を離れ東京で暮らすサラリーマン。故郷には結婚以来14~15年帰っていない)、山下武(陽一の父親。鳥取で理髪店を営む。陽一が小学生の頃離婚している)●あらすじ/陽一が郷里を想うとき、いつも決まって想い浮かぶ情景がある。早春の早い午後、幼い陽一は父の営む理髪店の床の上に座りこんで遊んでいる。ぽかぽかと心地よい陽だまりの床。それはどうやら、かなり幼い日のもっとも心なごむひとときのように思われる…。父が死んだとの連絡を受けた陽一は、郷里の鳥取に帰ることになった。十数年ぶりの郷里はすっかり街並みが変わってしまい、なかなか郷里に帰ってきたという実感が湧かない。それでも実家に近づくにつれ、記憶にある景色が目につくようになってきた…(第1話)。▼郷里を捨て十何年も家に帰ってないうえに、通夜にも間に合わなかった陽一を、親戚の人々は暖かく出迎えてくれた。陽一が幼い頃に離婚し、その後も仕事一筋だった父親に深いわだかまりを感じていた陽一は、いたたまれない気持ちになった。しばらくすると、実の母親の弟である大介伯父が、陽一の知らない両親の若い頃の話を始めた…(第2話)。 -
陽一が郷里を想うとき、いつも決まって想い浮かぶ情景がある。早春の早い午後、幼い陽一は父の営む理髪店の床の上に座りこんで遊んでいる。ぽかぽかと心地よい陽だまりの床。それはどうやら、かなり幼い日のもっとも心なごむひとときのように思われる…。父が死んだとの連絡を受けた陽一は、郷里の鳥取に帰ることになった。十数年ぶりの郷里はすっかり街並みが変わってしまい、なかなか郷里に帰ってきたという実感が湧かない。それでも実家に近づくにつれ、記憶にある景色が目につくようになってきた…
「Amazon内容紹介」より
”郷里”というのは独特の哀愁を孕むことばであるように思う.人の数だけそのイメージがあり,様々な感情を想起させる. -
すごい。
今僕はすごく感傷的になっているかもしれない。そのせいかもしれない。