一匹と九十九匹と 1 (ビッグコミックス)

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  • 小学館 (2011年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091837998

一匹と九十九匹と 1 (ビッグコミックス)の感想・レビュー・書評

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  • 2話目の「オーバードーズ」のピンキーとチーフの関係性とか、無性に好き!!たった一つの事で一人の人間を疑いなく信じ切る様はBLに通じる。純粋な妄執と言うか、妄愛と言うか、言葉が見つからんが、こう言うのはいい!!自分を騙して男とグルになって金を奪おうとした子持ちの女を、子供に免じて逃がしてやるピンキー。「ふん…別に救ったってわけじゃねぇ。見放しただけだ」物は言いようとは正にこの事だ。
    第5話、第6話『HOW TO GO』でまさかのBL。小野塚カホリ的世界観。
    かつて果てしなく痛い中二病的精神を持ちながら大人になってしまった人間をあざ笑いながらも愛おしむような感覚を持っている気がする。中二病的痛さと言う面では焦点が絞られているのに、その発展する様は多様性に満ちている。きっと、凄く色んなことを思春期に考え尽した人なんだろうな、と思う。

  • うんなかなか面白い!短編集だけど中身けっこう詰まってる。読みがいあるよ!↓の人と同じく、ピンキーさんがかっこよくてあの話が一番好きだった。

  • 異才・うめざわしゅんの新作短編集です。今回は生きるのにうまくいかない当所人物に救いのある優しい物語がうめざわワールドの中でうまく描きこまれているんですけど、油断して2巻見たらすごいです。救えなすぎ。

  • (1)~(2)

  • 良いよ。下手したらこの話達に巻き込まれて、人生を間違えていたかもしれない。読むとしたら小学校高学年、間違いなく人生が変わっていた。と思う。

  • 「ユートピアズ」で衝撃を受けて以来、目が離せない。
    本作収録作の掲載時は、普段買わない「月スピ!」を探し読み、コミックス化と同時に購入。

    ああ、何度読んでも、なんて面白いんだろう。「ユートピアズ」がニヒルでシニカルなユーモアに溢れてたのに比べると、こちらは少し前向きで優しい。安直な表現だけど、奇才。

  • 一度立ち読みしたものの忘れられなくて散々探した「ユートピアス」以来、久々に出会った「うめざわしゅん」作品。
    迷わず購入。
    想像に違わず良作品!

  • 2000年代を代表する「生きづらさ系マンガ」」

     久しぶりに凄いマンガを読んだ。知り合いの編集者に勧められたのだが、ただちに他の作品を読みたくなった。だが、まだ2作しか刊行されていないという(単行本としては、本作とデビュー作の『ユートピアズ』の2作だけが刊行されている)。
     私個人の受け取り方としては、「生きづらさ系マンガ」として「ポスト岡崎京子」に位置づけられる気がした。

     ここでいう「生きづらさ系マンガ」とは、絶望感を緩和して、生きづらさと向き合うマンガのことをいう。この絶望感との向き合い方について、うめざわしゅんのそれには、今までの作家との明確な違いを感じた。また、そこに日本社会の変化も感じられるように思われた。

     「生きづらさ系マンガ」として、岡崎京子は1990年代を代表する存在だったと思う。そのスタンスは、希望の中に潜む絶望に気がつきつつも、あえてその希望を生きるというものである。周知の通り、初期の作品である『東京ガールズブラボー』で描かれていたのは、消費社会の記号と戯れることの楽しさであるとともに、どこかでそのはかなさに気づく少女の姿であった。だが少女たちは、それでもあえてそのはかない楽しさを生きていくのだ。宮台真司氏がよく指摘していたことだが、彼がフィールドワークをしていたブルセラブームのころ、女子高生に岡崎京子の読者が多かったというのも、うなづける話である。

     だが、後の『ヘルタースケルター』へと至っていくのに従って、その作品世界は段々と暗さを増していく。いわば、絶望の方が希望をのみこんでいってしまうのだ。この変化は、「失われた10年」とも言われた、1990年代の日本社会ともシンクロしよう。

     この点で、うめざわしゅんの絶望への向き合い方は、岡崎京子の真逆に位置づくように思われる。いわば、岡崎が希望と向き合いつつ、その中に実は絶望が存在していることに気づいていたのだとしたら、うめざわは、初めから絶望と向き合っている。むしろ、絶望感あふれる今日の社会と正面から向き合うことで、その中に希望の一筋を見出そうとしているように思われる。

     だから、本作も大変に暗いマンガだ。援助交際、監禁、校内暴力、不登校、コンビニ強盗、殺し屋・・・と、これだけを列挙すれば、なにもいいことがないような、そんな今日の社会の雰囲気を現したマンガであるように思われる。だが、絶望と正面から向きあうがゆえに、「これ以上、悪くもならない」という開き直りのように、どこかに希望も感じられるのが、本作におさめられたエピソードに共通する読後感なのだ。

     こうした2000年代の「生きづらさ系マンガ」としては、以前にも『ソラニン』を評したように、私は、あさのいにおが「ポスト岡崎京子」の一番手だと思っていた。だが、人によっては、うめざわしゅんのほうを高く評価する場合もあるかもしれない。実は、知り合いの編集者にも、「あさのいにおを面白いと感じるなら、こっちも試してみては・・」と勧められたのだ。


     扱う題材の暗さに、万人向けとは言い難いが(とっつきやすさという点では、あさのに軍配が上がるが)、「生きづらさ」を感じる人たちに、ぜひ一度、お勧めしたいマンガである。

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