黄昏流星群: 死滅する星 (12) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091856425

作品紹介・あらすじ

▼第1話~第4話『死滅する星』 ●登場人物/塚原鉄平(2017年の日本で70歳の老人)、藤ルミ子(ラジオ局の元・人気アナウンサー) ●あらすじ/2017年の日本。老人人口が増え、長生きは罪悪だという考えが世の中に広まっていた。そんな中、70歳の男性・塚原は快楽の中で往生できる薬・“パライソ”の噂を聞き、購入する。その直後、塚原は同じく薬を購入した見知らぬ女性から声をかけられる…(第1話)。
▼第5話~第9話『星の交差点』●登場人物/桜田(大手工作機械メーカーに勤務する47歳。離婚経験あり)、津島麗子(大手商社勤務の44歳。桜田と若い頃つきあっていた)、池澤(大学教授。桜田の大学時代の同級生) ●あらすじ/大手工作機械メーカーに勤務する桜田は47歳。5年前に離婚したこともあり自分の将来に漠然と不安を感じる毎日を送っていた。そんな、ある日、大学時代の同級生・池澤とバーで偶然再会した桜田は、池澤から秘密の夫婦交際サークルの話を聞き、興味を持つ…(第5話)。●本巻の特徴/近未来の日本を舞台に自殺薬をめぐって思案する老男女に、現代に秘密裏に存在する夫婦交際サークル、というどちらも好奇心をくすぐる2作品を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「死滅する星」では2000年に出版された当時からみた17年後の未来を描いた作品。アップルウオッチのような時計からイヤホンを伸ばして電話をしてる。声で相手を呼び出すのとかは予想的中といったところか。ガンの特効薬は出来ずキラキラネームらしき名前の孫が居る。高齢化社会はその通りだがそこまで疎まれる存在ではなく比重が大きい分むしろそちらに配慮された時代になっていると思う。PCでスカイプらしき画面を見ながら電話してるがここでも受話器がある、しかもワイヤレスではない。想像より進化しているものと追いついていないもののどちらもあると言った感じ。こういうSFはのちのち検証することまで含めて楽しめるから面白い。それだけ未来を予測することは(たとえ10年先でも)難しい(アインシュタインでも予想を外してたらしい)そして物語の終盤で死に場所を探していた2人が人生の意味を功利主義ではなく「ただ生きている」それだけで価値があるというところに見出したのはとても素晴らしいし素敵な答えと思った。「星の交差点」ではスワッピング夫婦の秘密の会に入会する男の話。こういうストーリーは映画的というか覗き見趣味を覗き見る気持ちでとても楽しい。リスクを背負う分快楽もひとしおなのであろう。こういう世界はオレは降りてしまったから分からないがあと10年してお金に余裕があったらどハマりするというパターンもなきにしもあらずだと思う。それこそ死んだら終わりやからの思考回路になればその可能性もあり得る。けれど平和で退屈な人生が合ってるちゃあってる。面白くなくても平穏ならそれで良いじゃない。さあどっち?でも大前提探求する方はお金がないと出来ないけどね。

  • NHKEテレの「100de名著」、ボーボワール著「老い」の回で取り上げられた作品。

    特に「星の交差点」は作者が男性ということもあり、男性に都合の良いストーリー展開だった。

  • 1-20巻セットで20.00

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著者プロフィール

1947年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒業。松下電器産業に勤務の後、74年漫画家デビュー。
85年『人間交差点』(原作 矢島正雄)で第30回小学館漫画賞青年一般部門、91年『課長 島耕作』 で第15回講談社漫画賞一般部門、2000年『黄昏流星群』 で第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、03年同作で第32回日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年には紫綬褒章を受章している。
主な作品はほかに、『ハロー張りネズミ』 『加治隆介の議』 など多数。現在は『社外取締役 島耕作』(「モーニング」)、『黄昏流星群』(「ビッグコミックオリジナル」)を連載中。

「2023年 『逢いたくて、島耕作(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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