トクサツガガガ (1) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
3.99
  • (58)
  • (65)
  • (39)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 728
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091866066

作品紹介・あらすじ

隠れ「特撮オタク」OLのガハハ爆笑デイズ

仲村さんは26才のOLさん。
職場では女子力が高いと見られているけど、
実は女死力滾る「特オタ(特撮オタク)」!

オタバレが怖くて、一人ぼっちでコソコソしながら生きてるよ。
人目につかないフィールドのカプセルトイを求めて街をさすらったり、
一人カラオケで“特ソン(特撮ソング)”歌いまくったり…
ヒーローの言葉を胸に、今日も進むよ「特オタ」道!


【編集担当からのおすすめ情報】
スピリッツ連載時より、
あるある、そうそう、分かる分かる…と
特撮ファン以外からも共感の嵐!!
ぼっちのオタク女子の生態、
ぜひお手にとってみてください!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • たまーに特撮熱がブチ上がる時期があるのです。今回は特撮ヒーローもの、東映のヒーローものに対してで、色々調べてて『トクサツガガガ』を知りました。有名らしいけど全然知らなかった。そしてNHKでドラマ化!仲村さんが小芝風花だけど、吉田さんが倉科カナ!!!やったー!

    いや、あのね。私は巨乳の人ってあんまり好きじゃないんですが、倉科カナの巨乳だけは唯一認めるというか、巨乳の倉科カナだけは認めるというか。最近NHKのドラマにちょいちょい出てるから良いなと。あと、原作でも吉田さんがやっぱり良くてですね…吉田さんは俺の嫁。

    漫画の感想、丹羽庭さんは漫画のテクニック的に下手なとこあると思うけど(コマ割りとかテンポとかそのへん)、ギャグの入れ方とか好きです。
    最も素晴らしいと思ったのは、特撮含めたオタク趣味に対する考え方、理念、哲学の部分です。これが普段私が友達に語ってることと全く一緒だったりする!!
    (例えば4巻のカラオケのやつとかね。ゴレンジャーやストロンガーの歌は堀江美都子パートが重要なんです)

    それと、いちおうギャグ漫画、笑いの部分メインなんだけども、私にとってこの漫画は「泣き」の漫画です。めちゃくちゃ泣いてしまった。

    私自身は所謂「特撮オタク」ではなくて、モデラーなのでクラスタが若干ズレてるんです。例えば特撮番組を観ると特撮熱がブチ上がるけど、その行き場の無い特撮愛をどこにぶつけるか、どう昇華するか?
    仲村さんの場合、ガチャやフィギュア、トイを買う行為、あとヒーローショーの「現場に行く」ことやなんかだけど。
    私の場合、プラモやガレージキットを買うか、フィギュアを自分で作るかとか、そういう違いがあります。

    最近の東映特撮はあまり好きではないけど、靖子が脚本してたら観ようかなって感じで。わりと最近のでよく観てたのはオーズとトッキュウジャーとかですかね。
    で、ハマってもトイは絶対買わないので…80年代のバンダイの400円ぐらいのメカコレシリーズが好きだったんだけど、今はそのシリーズは食玩のミニプラに移行してる感じで、トッキュウオー(巨大ロボね)を買うか散々迷って結局買わなかった笑。

    あと個人的な興味、学術的興味の対象として、フェミニズム史と腐女子史、腐女子の生態についてというのがあって。『トクサツガガガ』は読んだ分だと腐女子にまでは踏み込んでないけど、わりと近いところで女性の特撮オタク、特撮女子に対する興味がありまして。
    きっかけはヤフー知恵袋での「特撮オタクが怖い」っていう相談とか。

    あと竹熊健太郎さん、個人的には好きなんだけど、「その発言はよくないな」と思うこと言ってたりとか。気持ちはわかるけど、言い方の面で。
    男の特撮オタクはなんでこうマウンティングしちゃうんだろうね?とか、色々と考えてます。
    なので特撮オタクの女子の生態が、(もちろんこれが全てではないけど)知れる漫画という面でも面白いと思う。

    「イケメン若手俳優ばかりの最近の特撮はクソ」みたいな人ね、よくいるけどさ。漫画の中でも懐古怪人として出てきたけど笑。
    いやー、俺もアニー(のパンチラ)目当てでシャイダー観たいし、かわいい女性キャラ見たくて観てる部分も大きいから同罪なんじゃね?と、俺の罪を数えてます。

  • 読むたびに、幼い頃からぼんやり感じてきた何か大事な気持ちを擦られるような気持ちになって涙する。内向きの趣味を持っている人にはその人特有の大事な内面世界があり、それをくだらないと切って捨てられたことのある人は、仲村さんの気持ちがわかるのではないだろうか。

    趣味は何?って質問を恐れたり、カラオケで人に聞かせられるような歌を用意しておくっての、めちゃくちゃ分かるなあ(笑)。

    たとえ自分が理解できなくても、人が大事にしてるものを笑ってはいけない、としみじみと思う。オタクの生活に笑い、涙出来る気持ちの良い作品。

  • ドラマを見ていて興味を持ち読んでみました。
    作者が特撮オタで、でもそれをそのまま描いても共感が得られないのでは
    という担当者さんのアドバイスから、ではその部分を書こうということで
    始まったそうです。
    確かにネットではたくさん仲間がいるのに、会社などリアルの場では
    何故か仲間に出会いにくいのは、隠れオタだからかもしれませんし
    こうした切り口はちょっと新鮮で面白いです。

    ドラマほどではないですが、仲村さんが恥ずかしいと思いながら
    でもやめられないから、とオタクを続けているので
    ちょっと自虐が過ぎるように感じるところはあります。
    私自身オープンオタではないですが隠してもいないので
    その局面なら言ってもいいのでは、そこまで隠さなくてもいいのでは
    と思いました。
    とは言え、「良い年をした大人なのにみっともない」というのを、
    そんなことはないとストレートにはねのけるのではなく
    みっともないと自分でも思っているからそう言われると傷つくけれど
    好きなものは好きだし…というはっきり割り切れないところが
    非常にリアルでもあります。
    仲村さんのトラウマのせいとも言えるので、親やその記憶との戦いの物語でもあります。

    「彼氏がいないなら出会いを探さないと駄目だからカラオケ行こう」。
    言っている方は悪気はなくて寧ろよかれと思っているのでしょうが
    男がいないと駄目な恋愛脳の阿呆と一緒にしないでくれ、と思ってしまいます。
    別になんでも恋愛に結びつけたいわけではないのに
    やたら女子力と言う人間といると疲れてしまうので、むしろ仲村さんは
    そういった同僚たちともそつなく付き合っているように見えて偉いです。
    『むしろ女死力』っていうのは言い得て妙で笑いました。

    仲間を呼び合える『オーラ』、確かに私も欲しいです。
    RPGのステータスアイコンみたいなのが出せたらわかりやすいのに
    とよく思います。
    リア友のオタ仲間は、社会人になってしまうと
    オフ会などに参加でもしない限り増やすのが難しい気がしますし、
    オフ会にしても吉田さんのように年齢や住んでいる地域などが障害になって
    気軽に参加できないこともありますよね。

    タイトルは特撮ですが、特撮オタに限らず
    どのようなジャンルでもオタクをやっている人にとっては
    身につまされるようなあるある話が多いのではないでしょうか。

    今でこそ多様性という言葉が出てきてそうした考え方の方が正しい
    という雰囲気になってきましたが、それでも親が子供に押し付けることはあるでしょう。
    みんなと違うといじめられてしまう、目立ってしまう、と言われて
    黒いランドセルを選ばせてもらえなかった経験、私もあります。
    途中で転校して学校指定の持ち物がなにもかも周りと違ってしまったので、
    ランドセルがみんなと違っても全く問題なかったのではと思いますが
    親を説得するほどの熱量を当時は持ち合わせていませんでした。
    それでも折りに触れ思い出します。

    親は自分の考えを押し付けるのではなく、子供の考えを聞き
    それによって問題が生じる場合はそれについて説明の上で
    子供に選ばせて欲しいなと思います。

    特撮の話を思い出して電車で席を譲るシーンがありますが
    人間誰しも心の支えになるものがあって、
    親の教えだったり好物の食べ物だったり、何某かの自分が好ましいと思うものが
    日々の言動の糧になっていると思います。
    それが特撮であろうがアイドルであろうが後ろ指をさされる必要はないと思うのですが、
    理解を得難い趣味の場合色々と難しいですね。

    しみじみと、私もオタ仲間欲しいな、と思ってしまいました。

  • 特オタの「あるある!」がたくさんある面白い作品です。主人公の仲村さんの心情シーンがとても面白くて一気読みしました。

  • 特撮オタクのOLがヲタを隠したり隠さなかったり仲間ができたり趣味を楽しんだりしつつ世間の固定概念にモヤモヤしたりカワイイ趣味を押し付けてくる母親に苦しんだりする面白い漫画です。

  • 何の分野であれ人に語れる趣味や生きがいがあるのは一種の才能だと思う。そういう人間でありたい。

  • 「これぞ理想の大人」

    「いい年した大人が…」と言われてしまう、漫画やアニメ趣味。「トクサツガガガ」は、少年向けの「特撮ヒーロー」が大好きなOL・仲村さんが主人公です。といっても、この作品の魅力は、マニアックな趣味の共感ではありません。主人公の仲村さんがとにかくかっこいいのです!仲村さんは、職場や日常生活で困ったことがあると、自分の大好きな「特撮ヒーロー」のかっこいい場面を思い出し、大人として見事に問題を解決していきます。リーダーシップと優しさを兼ね備えた仲村さんを見ていると、大人にこそ、特撮ヒーローは必要なのでは、と思わせてくれるのです。(松尾奈々絵)

  • 1-4巻読了。会社では特撮オタクであることをひた隠しに隠しているため、時に挙動不審、時につきあいのものすごくあ悪い人と思われてしまう20代OL仲村さん。そんな彼女の言えないがゆえのトホホ話から、列車で同じになった女性が、まさかの好きな特撮番組のキャラをつけてるのを観て声をかけ、オタ友達ができて…そこから特撮オタク、アニメオタク、アイドルオタクの仲間の輪がひろがっていき、4巻最後は大団円のカラオケ大会。この先も気になります。仲村さんがつい見てみぬふりしてしまいそうになったり、ずるいことしてしまいそうになった時に、心の中の特撮ヒーローが語りかけてきて、ついつい清く正しく強い行動をとってしまうのもご愛嬌。

  • いろいろ刺さるし隠れオタクあるあるすぎて……最大の敵は親です………

  • 心から愛するものがあるって素敵。

    読んでたら馬鹿正直に特撮が見たくなるな。

    世代なのは「忍者戦隊カクレンジャー」〜「激走戦隊カーレンジャー」〜「救急戦隊ゴーゴーファイブ」なんだけど、
    当たり前な事に全然話は覚えていない。

    歌は「星獣戦隊ギンガマン」が好き。

全58件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

丹羽庭(たんば にわ)
漫画家。高校卒業後、美術系大学に進学。風刺画科を専攻したが、不自由な風潮が嫌になって編入試験で3年次に漫画科に移る。
2009年「NO MAN IS AN ISLAND」で、講談社「アフタヌーン四季賞」大賞を受賞。2012年から2013年まで「月刊コミックブレイド」で『とべっ!! LUCK★ROCK★GIRL』を連載。
2014年8月から「週刊ビッグコミックスピリッツ」で『トクサツガガガ』の連載をスタート。2019年1月に小芝風花、倉科カナ主演のテレビドラマ化が決まり、これが代表作となる。『浪費図鑑』に特撮作品にハマった時の書き下ろしエッセイマンガを描いている。

丹羽庭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×