- Amazon.co.jp ・マンガ (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091867261
作品紹介・あらすじ
21世紀。キートンは今も世界を駆け巡る!
平賀=キートン・太一。
オックスフォード大学卒業。元・英国特殊空挺部隊隊員。
彼は今も危険な探偵稼業を続けているのか。
今も欧州古代文明の起源を追い求めているのか!?
感想・レビュー・書評
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十数年ぶりに復活の、MASTERキートン。
学生時代の愛読書の一つでした。
歴史学と保険調査員、一見相容れない要素ですが、
当時の社会情勢を浮き彫りにする話が印象的でした。
1994年に一度完結しているのですが、
こちらはその20年後の物語、との設定。
2年ほど前から不定期での再開だったのですが、
ようやく1冊にまとまるエピソードとなったようで。
その本数は8本、これもまた変わりません。
そして内容も変わらずに、社会への考察と、
卑近の家族や友人達との物語の対比が興味深く。
その出てくる人物も20年は過ぎているものの、
それぞれに齢を重ね、、百合子さんもアラフォーですか。
ちなみに劇中では離婚までしているのですが、、
その理由がまた、泣かせます。
“家族”は大事にしないとなぁ、、ともあらためて。
これで終わりというわけではなさそうですが、
さて、次はいつになるのでしょうか(汗
シュリーマンとの対比がなかなかに示唆的ですが、
是非“ドクター”となるところまで続いてほしいですね~
“あきらめなければ、
人は絶対夢をかなえられる”
いくつになっても前を向いていきたいな、
そんな風に感じる一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
念願かなってヨーロッパ古代文明の起源の発掘調査を、キートンがルーマニアのドナウ河畔で始めたところで終わった本編から20年後。相棒ダニエルが勝手に受注した探偵仕事に再び駆り出されるキートンの活躍を描く。本編同様に遺跡や文明へのロマンと国際情勢を背景とした犯罪物を融合させた人情味のあるエピソードの質が高く読後感の充実が半端ない。ストーリーの質を具現化する浦沢直樹の作画力はいうまでもないけど、意外に粗い線で豊かな心情を描き出すタッチの秘密はぜひEテレ「漫勉」で自己分析して欲しい。どのエピソードも味わい深いが、ホメロス叙事詩に魅せられてトロイ遺跡を発掘したシュリーマンにキートンをだぶらせた、本編登場時中学生だった成長した愛娘百合子との再会を描く「マルタ島の女神」が白眉。
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連載終了から20年の歳月が流れていることに改めて驚かされた一冊。20年の間に起きた紛争や世界情勢、考古学や世相の情報を確認しないと読み解けない話もあって再勉強させられた。新作の全8話、探偵業だけでなくキートンの過去のエピソードも語られ、どれもみな良い話。その中でも、学者の探究心の根源は≪遊び≫の高揚感からという如何にも浦沢らしい第3話「マリオンの壁」を始めとして、第5話「女神とサンダル」、第7話「マルタ島の女神」のちょいミステリーの展開とほのぼのしたオチは浦沢直樹の絶妙なコマ割で魅せる傑作。第8話「栄光の八人」はキートンを含む退役後の軍人が≪平時≫における苦悩を描いた「パイナップルアーミー」を彷彿させるハードな展開でキリリと締め括る構成の妙はさすが。あら、キートン先生「ジオ・グラ」に登場されていたんですねww
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懐かしい。時を経て続編が出ることに感激。作中も時間が経過していてキートンも歳をとっている。味わい深い。
考古学と軍隊卒の保険調査員という異質な要素の組み合わせだが、奇跡のようなストーリーが紡がれる。
堪能しました。
ただ、どちらかというとパイナップルアーミーのほうが好きだったので、そっちも続編出ないかな? -
懐かしさで涙ちょちょぎれの一冊。
舞台も過去の作品からちゃんと経過しており(10年~15年位?)
キートンも老眼鏡をかける年に。
意外とあっさりとした仕上がりだけど十分に満足。成長した百合子ちゃんが見れるのも感慨深い。相変わらずファザコンなのも萌ポイントか。
残念ながら1冊でおしまいとのことだけど、また不定期でもいいので続編を期待したいところ。 -
前作のラストがとてもいい終わり方で好きだったので、正直、続編が出てくるとはまったく想像していなかったけど、FBの読書グループの方から「続編出たよ」と聞いたらたまらず買ってしまいました。
キートンも太平も百合子もダニエルも、しっかりと歳をとってます(笑)
でも、いろんな問題について考えさせられて、家族の有り様に微笑まされてほろっとさせられて、何度も挫けそうになっても夢に向けてゆっくりと歩を進めるキートンに励まされて、っていう魅力は変わらずにありました。
やっぱりこの作品、大好きです。 -
ああ、わたしの憧れだったキートン先生が初老になられている
いや、それはそうだろう、あの頃、高校生だったわたしも今では30代なのだから……
それでもやっぱり、キートン先生は今でも憧れで、理想の男性です! -
MASTERキートン本編から20年後の話。
本編を電子書籍で買い直したので(紙版も持ってるんだけど)こちらも読み返す。
ちゃんとキートンも白いものが目立つようになって年取ってるし、
娘の百合子も大人になってるし…
この1巻で終わってしまうのがもったいないほど、やっぱり今巻もワクワクした。
ってか百合子の結婚相手、本編でいい感じだったあの人かと思ったら違うんだねぇ。
絵も20年経ってるからかだいぶ変わってた。
もちろん上手くなってるというか、描写力は凄いのだが、2014年に買った当初は感じなかったけど今改めて見るとちょっと漫画チックというか(漫画なんだけど)
圧倒的リアリティとはなんかテイストが違うなぁ…とは思った。
本編では東西ドイツの統合からロシアのことなど、戦時中の東側の闇がメインの相手だったし、戦場に出てた話は出たものの実際にメインで話されることはなかったが、この巻最後にその時の話が。
ああやって自信なさげながら飄々と生きてはいるものの、そしてやめた理由に関しても軍隊が合わなかったとしか今まで話されて来なかったけど、きっちり心の中の消えない傷として戦争の悲惨さがトラウマとして残ってるんだろうなぁ…。 -
サヨナラならしたばかりのキートンとまた出会う。
時間軸的には最終巻のあとを描く。
キートンは相変わらずのスーツにネクタイ。
けれど立つ場所は絶体絶命の窮地でも、
保険調査の現場でも、
やむなく受けた探偵の先でもなく教壇だ。
遂に念願叶ったのか、よかったなキートン!
と思ったら、
相変わらずキートンの周りでは事件が起きる。
つい断り切れず厄介ごとに首を突っ込む。
危険な目に何度も遭遇する。
基本的にいい人なんだなキートンは。
好奇心あふれる変人でもある。
目の前に坂があると上ってみて、
見晴らしを確認せずにはいられないような。
そこで見えるのは、決して良いことばかりではない。
見ないほうが良かったことを目にすることもある。
それでも見ないで済ますよりは、
見ない振りして誤魔化すよりは、
しっかり現実を見ることを選ぶ。
そのうえで次の一歩を踏み出す。
頬がこけ髪型が変わり、洗練された雰囲気が漂う。
娘の百合子はもっと変わる。
少女の面影はなくなり、すっかり社会人だ。
誰もがこうして変わっていく。
キートンを見習って、僕も前に進まなくてはな。 -
なにか大きな事件がおこるのかと思ったが、いつもの短編集だった。なぜ復活したのだろう。