雪花の虎 1 (ビッグコミックス) (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 812
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091871886

作品紹介・あらすじ

東村アキコが描く、女・上杉謙信一代記!

戦国の世を、義を貫いて駆け抜けた軍神・上杉謙信。
毘沙門天の化身とされる名将中の名将は、実は、女だった―――


時は享禄二年、1529年。
越後の春日山城城主・長尾為景の第3子が誕生する。
不甲斐ない嫡男・晴景に代わる後継ぎとして期待された赤子は、
しかし女児だった。

失望する為景だったが、すぐに決意を新たにする。
「この子を、姫武将として育てる」「名を虎千代とする」と――

強い父、やさしい母、穏やかな兄、健気な姉に囲まれ、小さな山城でお転婆に育つ虎千代。
その双肩に背負う運命の重さを、未だ知るよしもなく……。


東村アキコが挑む本格大河ロマン、
越後の虎、女・上杉謙信の一代記がいま、始まる!!


【編集担当からのおすすめ情報】
『かくかくしかじか』で、マンガ大賞2015を受賞。
『海月姫』『東京タラレバ娘』『主に泣いてます』『ママはテンパリスト』など、大ヒット作を次々と世に放ってきた漫画界の全方位打者・東村アキコの最新作にして最意欲作!!

まさに“満を持して”挑むは本格大河ロマン。
…しかも題材は「女・上杉謙信」!
というからには、面白くないはずがありません。

実際に上越市へ取材に行かれ、「謙信は本当に女だった」という確信を得たという東村さんが、のびのびと、だけど「本気で」(!!)描かれた本作、
第1集はまだまだ序章、子供時代の「虎千代」こと謙信の様子が生き生きと描かれています。
一体彼…もとい、彼女はどんな幼少期を過ごしたのか?
そして、ライバル・武田信玄は――!?

東村漫画史上最強のヒロイン・謙信の一代記、
是非一緒に彼女の背中を追いかけてください!

感想・レビュー・書評

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  • 東村さん初挑戦の歴史物とのことですが、予想をはるか凌ぐ面白さに度肝抜かれました。こんなにも抜かれるか度肝、というほど!
    今更だけど「上杉謙信女性説」を初めて知った。そんなまさか、と思ったが、東村さんの丁寧な取材で、妙に信憑性を感じさせるこの説。「虎千代」と名付けられ、姫武将として育てられることとなった後の上杉謙信。方々で言われていますが、ベルばらやリボンの騎士等、戦う「男装の女性」ものが好きな人にはツボな作品かと思う。「男装」ものというところだけ着目すればそれほど斬新ではないのかもしれないが、そこは東村さん。随所に面白い仕掛けを施している。
    ぶっちゃけ、東村さん歴史物イケるのか?という不安、及び今までの東村ファンが彼女の歴史物を受け入れるのか、という不安を逆手に取った「アキコのティータイム」。難しい歴史の説明をいつものアキコ節でユルくざっくりと解説。これにはびっくり!ま、ティータイムで「小難しい歴史話」と言っていた部分も十分に面白く興味深く読めましたけどね。改めて知る部分も色々多く…謙信女性説のみならず、でっぷり髭姿でおなじみの武田信玄像が実は別人で、信玄は実は細面の美男子だったとか。本作に登場する若き信玄もクールでドライな美青年。今までにない謙信・信玄像が描かれていて、ものすごく新鮮だ。
    何より、虎千代のキャラが躍動感溢れていてすごく惹かれる!目力の強さ、幼いながらに漂わせている大物感。対照的に、嫡男・兄の晴景、心優しいが戦嫌いで芸事を好み、後継ぎとしては何とも頼りない彼に漂う物悲しさも何だか気になる。
    東村さんらしくそこかしこに笑いをちりばめながらもダイナミックなストーリー展開、これからの虎千代の活躍がとても楽しみである。虎が預けられた林泉寺での厳しい修行、そこで彼女を厳しく(ひっそり優しく)指導する僧の宗謙、今後長い付き合いとなる彼との関係もどうなっていくのか…次巻が待ちきれない!

  • 衝撃的だった
    いや、上杉謙信が女性だった、って事じゃない。その説自体はベタだから、日本史が好きで、多少、真面目に学んだなら、一度は目か耳にした事があるだろう
    以前、ここで、この『雪花の虎』と同じく、謙信を女性とした四コマ漫画、『軍神ちゃんと呼ばないで』(柳原満月)を紹介したが、正直、レベルが違う。まぁ、作品形式云々の前に、キャリアが違う訳だから、比較してしまうのは、さすがに酷なんだけど
    そう、何が衝撃的だったかって、東村先生の腕力に、だ
    私が東村先生の作品を読むのが、この『雪花の虎』が初めてってのも大きいと思う
    羽海野チカ先生の作品を、初めて読んだ際の衝撃に匹敵する
    寝る前に読んだのだが、失敗した。あまりの衝撃に眠気など吹っ飛んでしまい、おかげで今日一日ずっと、寝不足感に付き纏われてしまった。でも、頭は全力回転して、ずっと、感想をどう書くか、を考えていたので、オチてしまう事はなかった
    まさか、こうも、初っ端から、頭をガツンと殴られ、ジワジワと世界観に惹きこまれていくとは思いもよらなかった
    力が抜けきっているようで、芯がピッと通っている独特の絵柄に、東村先生の経験値と言うか、熟練に近い漫画家としての嗅覚の鋭さを感じた。確実に、この先生、自分の組み立てるストーリーに合う絵柄を知っている。何と言うのか、エロさがある。エロいって表現が適切じゃないのなら、艶と言い換えようか。ここまで美人な上杉謙信は、東村アキコ先生にしか描けない、きっと
    どんな内容か、と説明するのも野暮だが、まぁ、上杉謙信が実は女性で、どのようにして、“甲斐の虎”武田信玄と互角に渡り合い、“魔王”織田信長ですら恐れを抱いた、“越後の竜”と呼ばれる武将に育って行くか、育てられていくか、を描いている
    表現として正しいか、微妙な気もするが、説得力がある。読みながら、「確かに、こんな子供時代を送っているのなら、戦国最強になるかも」と納得してしまう
    豊富な経験で培った構成力によるストーリーも理由だろうが、第一はやっぱり、東村先生本人が、歴史は苦手、と公言した上で、その目線のままで描いているからだろう。変な見栄がないからこそ、がっしりと読み手の心を鷲、いや、竜掴みできるに違いない
    また、虎千代だけを魅力的に描いているのでなく、そんな妹に振り回される姉・綾や、妬みの感情すら抱けずに諦めている兄・晴景も、読み手が共感を抱けるキャラとなっている
    作中で使われている、歴史が好きな人用、歴史が不得意な人用の描き分けも見事だ。前者は、どちらも楽しめるので嬉しい
    歴史が苦手な読み手でも楽しく感じられるように描かれてはいるが、決して、ギャグ調でない点も高評価だ。資料集めや、取材に手を抜かずに行い、一回、自分の中で整理し、自分なりの解釈をしてから、それを漫画って形式に、全力以上で変えているのが伝わってくる作品だ
    今年も半分以上は経過したが、確実に、今からでも人気が高まるだろう。むしろ、東村先生のファン、上杉謙信を尊敬してる、歴史漫画好きとかじゃなく、漫画読みであれば、必ず、目を通しておきたい
    割と、じっくり、子供時代が描かれているので、戦の緊張感や非日常さを求めがちな読み手からするとイライラしてくるかもだが、そんな子供時代の楽しさ、苦しさ、哀しみが青年時の性格を形成するので、ここは気長に東村先生のペースに付き合っていこうと思っている
    この台詞を引用に選んだのは、いつの時代も変わらないな、と思ったからだ。男だから出来る事もある、男だからこそ出来ない事もある、女だから成せる事もある、女だからこそ成せない事もある。けど、性別に縛られていては、出来る事も出来なくなる。自分は自分のままで、男に無理な事を女の自分がやってやる、と腹を括ってこそ、人間としての器は大きくなる。謙信が人として成長した一因は、多感な時期に、この名僧・宗謙と出逢えたのが大きい。やっぱ、子供の頃に尊敬できる、多くの人物と知り合うのは大事だ

  • ブックオフの100円コーナーで6巻まで見つけて来ました。歴史上の人物を主人公にした漫画は史実など別に関係ないのです。きちんと話が練られていて人物像がしっかりしていて面白ければ。

  • あるワンシーンを
    描きたい(書きたい)ために
    考え出された物語かなと
    思った
    とても面白い

  • 最近、ヒット作を出しまくりの東村さんが、武田信玄の女説で時代物を書いた!
    まだ序盤ですが、面白くなりそうです。

  • 謙信・女性説は知っていました。自分の地元が上杉と縁のある土地だったもので。某大河ではGACKTさんが演じてましたね。違う大河では阿部寛さんでした。どっちも好きでしたねぇ。

    何と言いますか、女の子が男として育てられたり、通常男の責務を女がするという設定は実は大好物でございます。そんな意味で自分的に大ヒットでした!!(逆パターンも大好きです。)ベルばらなんかもこういう設定ですよね。

    さて、東村先生の書かれる虎(謙信)が美少女とも美少年ともとれる顔立ちなのです。男のなりをしているから男の子と見えるのですが、目元はぱっちりと大きく、まつげも長く姫としてもやっていける顔立ちで。最後のページのまつげに縁どられた目を伏せて胸にさらしをまいた少し成長した虎がことのほか美しい!!このページでドキュンと最後の一発を食らいました。

    いきなり最後の話をしてしまいましたが、ほかにもツボがいたるところに。虎が林泉寺に預けられ、名僧光育がビシバシと座禅中叩いたりするのが、ツボ。この光育がとってもコミカルな見かけに書かれている分重たくなりそうな修行のシーンも軽く読み飛ばせるのです。「虎頑張れ~。」位な気分で読めます。でも、しっかり〆るところはしめていて虎の行く末を指し示すのです。いいジジイだ…。

    虎を教え導く僧の一人に宗謙という人がいるのですが、この人と虎との関係もとってもイイです。虎が逆らって宗謙の腕にかみついた時に殴るでなく抱きしめて頭をポンポンするのです。抱きしめられた腕の中で虎が「城に帰りたい」と泣くのが年相応に子供でかわいらしい。

    そして、この宗謙が「男にできないことを女がやればいい 女子のままでいい。女子のままで強くなればいい賢くなればいい」と虎を諭すのです。女子の虎をありのまま受け止めているという証拠でしょう。この二人の関係が本当に気になります。まぁ、僧侶だからうっふんなことにはならないと思いますが。

    さて、武田信玄(このときはまだ晴信)ですが、むくつけき男ではなく、目元の涼やかな、言ってしまえばイケメンに書かれています。そして色沙汰もうまくやっている風に。こういう信玄って初めてかも。大河でもどっちかというとがっちりとしてヒゲはやしたイメージが強いのですが、そうではないところもこの漫画の面白いところ。常識を覆す人物設定が楽しいです。

    楽しみなマンガに出会いました。

  • 歴史好きでない人にも入りやすく、もちろん歴史好きな人でも楽しめる。
    今までの歴史ものとは違った観点(女性目線)なので、男性としては少しとっつきにくいが、さすがキャラクターが立っているので、すぐに入り込める。

  • 初・東村アキコさん。たまたまテレビで作品の紹介を見て、本屋で出合ったので読んでみました。
    本当に謙信は女の子でもよかったような…と引き込まれました。これからどんな武将に成長していくのか、楽しみです。

    それにしても、アキコのティータイム!? 歴史漫画でこういうコマの使い方する人はなかなかいないんじゃないかと驚いた。しかしそういえば、司馬遼太郎の小説にも「取材したとき~」というような文があったなぁ。その時代と読者のあいだを作者が仲介するという意味では、それと似たようなものかも。

  • 謙信の母・お紺は謙信を身篭った晩
    夢で毘沙門天が枕元に立ったと言う

    『お前は将来この越後をしょって立つ男じゃ!
    毘沙門天様の生まれ変わりの、神の子じゃ!』

    しかし生まれたのは、足が大きく元気な...姫だった

    『名は虎千代じゃ!』
    『虎千代?そりゃ男の名前じゃないか』


    ぜひ読んでほしい、歴史が嫌いな人にも
    そしてまず見てほしい
    コタツでクリスピークリームドーナツ食べながら
    ちゃちゃ入れてくるアキコ先生を
    安心するから

  • 東村先生の戦国モノですって?!読みやすく、上杉謙信へとどのように育っていくのか気になるお話でした。いつもの東村先生節は少しパワー抑え気味?かもしれませんが…続きが気になる!虎千代が大きくなるにつれ戦のシーンになっていけば毒々しいお話(東村先生節)が見れるでしょうか?(笑)楽しみ!

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著者プロフィール

日本一筆が速い漫画家。その活躍分野は少女マンガから青年漫画まで、恋愛マンガからギャグ漫画まで多岐にわたる。

「2017年 『東村アキコ完全プロデュース 超速!! 漫画ポーズ集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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