- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091873538
作品紹介・あらすじ
旦那絶対主義ヒロイン、便利屋稼業!
海辺の田舎町。子供からオトナまで、この町の女みんなに好意を持たれている、金正便利店の金正ミチオ。ある日、彼は町をふらっと出ていってしまう――結婚したばかりの“ありごけ”を残して。
「あの人の大切なもんは、私が守る」……大大大好きな旦那さんに代わり依頼を受けるありごけだが、旦那が好きすぎて会話かみあわない上、記憶喪失で日常生活すらままならなず依頼者は困惑するばかり。しかし一途でまっすぐなありごけの姿に、町の人々は次第に心をひらいてゆき…?人間の不安と侮蔑をぶっとばす・旦那絶対主義ヒロイン、便利屋稼業!
【編集担当からのおすすめ情報】
デビュー連載作『よるくも』がヒットとなった漆原ミチ氏待望の最新作。主人公は旦那がふらっと家を出ていってしまった奥さん……というと悲壮感あふれるはずですが、本作の“ありごけ”は悲壮感ゼロ!とにかく旦那が好き!その「旦那が好き」という強い想いで、町の人々の些細で微妙にすれ違った「依頼」を解決してゆきます。「私に見えるとこまでが あの人やけん。よそで何しようが知らん」「気がすむんやったら、どないなってもええんよ」…人々のやるせない想いを潔い言葉で救う“ありごけ”が、かわいくてかっこよくて愛しい!そして、そんなに好かれている旦那さん、町の幼稚園児からおばあちゃんまでみんな彼のことが好き…ってどんな人なの?? パンチ強すぎるふたりが気になる、第1集です!
感想・レビュー・書評
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剥き出しだ
伝わる、伝わらない、は関係なく、それが私の『ありごけ』って作品に対して感じた、端的な印象
ありごけ(この単語も、私は初耳だった)のヒロインが記憶喪失って設定を背負っているからか、個人っつーよりかは、人間って生き物の本性が、読み手の許容量を考えないレベルで曝け出されているな、と感じた
肉体的や精神的にエグい描写が多い訳ではない・・・皆無でもないが
巧く言えないが、ヒロインと関わり合う依頼人らに近しいトコが胸の中にある読み手は、確実にハッとさせられ、思わず、本を閉じてしまうかも知れない
ある日から前の記憶をすっぱりと失い、思い出せない事が多くなり、自分って存在が自分で最も判らなくなるからこそ、却って、大事な人間のコトが理解でき、問題とゴチャゴチャ考えずに向き合えて、最適の解を出せるようになるのかも知れない
表現としては歪な形だけれども、真に貫くべき愛とは何か、と読み手に考えさせるには十分な厚みがある
こうやって感想を書いてるから、あえて、ぶっちゃけられるんだが、正直、表紙を見て、一度は敬遠しようか、と思った。ただ、店内を一周しても、何となく、気になってしまったので、意を決してみた。結果的に、私は当たりを掴んだようだ
この『ありごけ』で、漆原先生と初めて出会った身なので、妙な事は言えない立場なのだが、どうやら、漆原先生は、まず、絵で読み手にキレのいいフックを放ってくるタイプの漫画家らしいな
女の価値は顔でも胸でもなく、壊れる事すら己で疑わぬ信念が宿る目力で決まるのかもしれない、とヒロインの言動、それに目を覚まされる・・・・・・見たくなかった現実を見る覚悟を持った客の姿で、しみじみと思った
どの話も強烈、その一言に尽きる、質の高いものばかりだが、「こう来るか」と唸らざるを得なかったのは、第六話「死体とありごけ」だ。舞い込んできた仕事が変死体の処理、ヒロインがその方面の技術に精通している事、それらも驚きに値するのに、ヒロインを町に残して、フラリと姿を消していた旦那(?)の金正ミチオが、唐突としか言いようのないタイミングで、ひょっこり顔を出す、その展開には言葉を失った。こんなインパクトの与え方が出来る漆原先生、やっぱ、持ってるなぁ
この台詞を引用に選んだのは、反論したいけど、その為の言葉がパッと出てこないほどの、有無を言わせぬ説得力があるからだ。自分が正しい、本気になれる、全力を出すしかない夢から目を逸らさないで生きるって、こう言う事だろう、多分。自分の夢は、自分だけにしか見えず、追えず、叶えられず。諦めずにぶつかり続けるも、グチャグチャに再起不能なまでに潰れるも、自己責任の範疇内だ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙のインパクトたるや!(←スイカかっ!作中で言われてたし)"よるくも"と同じ漫画家さんなのね。こちらのありごけ、だんなはいるけど出て行って後家さんみたいな生活してる人を指す言葉のようですが造語よね?話はだんなの代わりに便利屋やってる記憶喪失の奥さん。ブレーキかけることさえ忘れてるのに、どうやって生活してんのやろ?だんなもいまいちよくわからん人です。奥さんを車ではねて記憶喪失にした張本人。退院時に結婚はしたけど何ヶ月も家を開けよるしね。