しまなみ誰そ彼 (1) (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
4.21
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本棚登録 : 683
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091874191

作品紹介・あらすじ

僕はゲイかもしれない。だから苦しいんだ。

クラスメイトに「ホモ動画」を観ていることを知られた、たすく。
自分の性指向…ゲイであると皆に知られたのではないかと怯え、
自殺を考えていた彼の前に、「誰かさん」と呼ばれる
謎めいた女性があらわれた。
彼女は、たすくを「談話室」へと誘う。
そこには、レズビアンである大地さんがいて…。

尾道を舞台に描かれる、性と生と青春の物語、第1集。

【編集担当からのおすすめ情報】
『隠の王』『少年ノート』『ぶっしのぶっしん』を描いた
鎌谷悠希氏が、長年あたためてきた構想を「今ならば
描けるかもしれない」と執筆を決意した渾身作、
そのテーマは「性と生」です。

2015年は、東京・渋谷区で「男女平等及び多様性を尊重する
社会を推進する条例」(同性パートナーシップ条例とも)が
施行されたことをはじめとして、同性愛者などのいわゆる
セクシャルマイノリティ周辺の諸問題について、
大きな注目が集まった年となりました。

そんな中で本作が描かれたのは(タイミングとしては)
ほとんど偶然なのですが、自分の性に悩み苦しみ、
やがてわずかな希望を見出す少年を描いたこの作品を、
セクシャルマイノリティ周辺の諸問題に関心を持つ
多くの方にもぜひ読んでいただきたく思っています。

鎌谷氏の美麗なタッチで描かれるキャラクター達や、
坂と海と猫の町・尾道の風景にも注目です…!

感想・レビュー・書評

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  • ストレートの人間が自分を解って貰う為に「実は性交渉の時に縛って貰うのが好きなんです」とか一々言うだろうか。それと同じくらい、周囲に判って貰う為に一々言うか言わないかで悩まなければならないのだ。同性愛者である事を言うか言わないか、そう言う低いラインでマイノリティの人は闘っているんだなぁ…性癖や恋愛対象を職場や学校で公にする必要はない、何故必要に駆られるか、それはその人が誰かを愛したり好きになったりするからだ。その想いは純粋だからだ。
    BLとは違い、物語はゆっくり進む。主人公の少年を表現するのに周囲の登場人物の状態を見せる、と言う手法で、BLの描き方ではない。行間と言うかコマの空白を読む雰囲気で表現する手法でもあるので、1巻5話分でこの流れはかなりゆったりしている様にも思える。
    主人公のたすくが好きだと自覚した同級生の男子とどういう風に関係性を築けるかが落としどころになると思う。BLだと(こんなだろうな)ってある程度予測を立てながら読むが、一般誌なので、BLで行える予想の範囲内じゃない事を祈る。

  • ゲイの主人公
    それを否定するのも肯定するのも身が割かれる思い。
    そんな中出会ったのは、空き家解体&リフォームの慈善団体。そこにはマイノリティの人もいて、主人公は居場所を見つける。

    無意識の差別は誰もがしてしまっていると思う
    難しい

  • この時代に、この漫画を読めた幸福

  • ゲイであることに怯える主人公の前に現れた捉え所のない「誰かさん」という女性と、彼女の周りに集まったレズビアンや女装少年など様々な悩みを持つ人達。互いの悩みや価値観にぶつかりながらも感情や衝動を独特の美しい表現で描かれていて引き込まれていきます。

    「隠の王」でも有名な作者自身がXジェンダーの方だということで複雑な心の葛藤がよくある綺麗事や簡単に受け入れられるお伽話ではなく、とても人間らしく描かれています。

    入江亜紀さんやハルタの作風が好きな方にもおすすめ。

  • 内海さんと椿くんの見分けがつかない。

  • 少年ノート、隠の王の鎌谷さんのLGBTを題材にしたコミックス

    まず私は隠の王の時点当時、画力、表現力の高さに加えて強弱のハッキリした筆致や絵柄に衝撃を受けて大好きだったんだけど、つまり内容はさておき画面の説得力という点で誰でもすんなり没入できるんじゃないかと思う

    本作は性的少数者にスポットが充てられていて、ほぼ全ジャンルのセクマイが出てくるんだけど、内容、登場人物の心情やリアリティがすごい

    教本として掲載、使用していいレベルだと思う

    知らなかったんだけど鎌谷さん自身Xジェンダーの人なんですね
    全然知らなかった

    それもあってか、無関係か分からないけど、ともかくマイノリティの心理描写や当事者を取り囲む人の無理解、誤解、歩み寄りに見せかけた無意識の差別、などが赤裸々に描かれていて「あ〜〜〜」となる

    何より絵が最高
    最高だから読んで、というより他ない

    4巻が滅茶苦茶楽しみです

  • マンガワンにて最終話まで読了。

  • 感情表現がいい意味でとても漫画的というか、芸術的で綺麗。
    みんなと一緒でいることが何よりも重要な学校という場所で生きているからこそ、自分のセクシャリティのあり方に深く苦悩するたすく。
    年齢を重ねて、ある程度割り切ろうとしながらも無理解や善意を取り繕った行為に苦しむ猫集会の大人たち。

    一度読んだだけでは深く理解しきれないけれど、綺麗な形にむりやり纏めようとしないストーリーの展開が素敵でした。

  • 自分のことなのだけれども、自分の中で消化するには時間がかかる。それはセクシュアリティだけの話ではないと思う。その繊細な感じがよく書かれていて、惹かれるものがあった。

  • しまなみ海道いいな。シャツの中、からだの中を風が吹き抜けてくような気持ち。

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著者プロフィール

2000年デビュー。著作に『隠の王』 『リベラメンテ ~鎌谷悠希短編集~』(以上、スクウェア・エニックス)、『少年ノート』『ヒラエスは旅路の果て』(講談社)、『しまなみ誰そ彼』(小学館)など。

「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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