ぼくらの 11 (IKKI COMIX)

著者 :
  • 小学館
4.13
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本棚登録 : 777
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091884909

作品紹介・あらすじ

▼第60話/宇白順(2)▼第61話/宇白順(3)▼第62話/宇白順(4)▼第63話/宇白順(5)▼第64話/宇白順(6)▼第65話/コエムシ(1)▼ぼくらの楽屋ご開帳

●主な登場人物/【和久隆】・【加古功】・【矢村大一】・【小高勝】・【吉川寛治】・【門司邦彦】・宇白順・【切江洋介】・【半井摩子】・【往住愛子】・【町洋子】・【本田千鶴】・【古茂田孝美】・【阿野万記】(学習交流自然学校に参加した生徒。14人とも中1。【カッコ】内は既に死亡)、コエムシ(ジアースでの戦闘のサポート役。違う地球の人間)、ジアース(体長500メートルの巨大ロボット。これを操縦した者は戦闘後に必ず死ぬが、戦わなければ地球が滅ぶ)
●あらすじ/マチの死により順番が繰り上がり、次の操縦者となったウシロは、静かに戦闘の時を待つ。コエムシとの会話で自分と世界とのつながりを確認し、家へ戻ると、そこには父の姿が。これまで言えなかったことを語り合おうとする父子だったが、最後の言葉を聞き遂げる前に転送が始まってしまい…(第60話)。
●本巻の特徴/あとひとつ勝てば、この地球の存続が決まる! 最後の戦いに向かうウシロとコエムシ。ぼくらの大切な地球の運命は…!? 鬼頭莫宏が送る壮大・壮絶なSFファンタジー、堂々完結!!
●その他の登場人物/【宇白可奈】(宇白順の妹だが、血はつながっていない。兄を想い、戦っていった)、【ココペリ】(少年少女を戦闘に導いた人物。画楽[ガラ先生]と呼ばれていた)、【田中美純】(元・航空国防軍一尉。宇白順の実の母。軍と子供たちのパイプ役を務めていたが戦死)、田中未来(田中美純の娘。ウシロの父違いの妹)、佐々見(国防省軍令局の立場から、ジアース関連の戦闘の対策などを立てている)、往住明(アンコの父。ニュースキャスター。戦いを記録撮影している)
シリーズ完結巻!

感想・レビュー・書評

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  • ようやく手に入れて一気読み。

    少年少女それぞれが現実世界での重みや恨みや来し方を振り返り、清算して/あえて清算せず/清算できないまま、命を落とす。
    そのいわば死にざまをひとつひとつ描きながら、世界観も明らかになってくる。
    個人の謎と世界の謎が並行して解き明かされていく王道パターンだが、その計算の巧みなこと。
    そしてやはり少年少女の痛みがびしばし伝わってくる描き方。
    彼ら彼女らはそれぞれヒーローではなく、個人の物語の中で決着をつけるだけ。
    そこに「命は大切」という無条件な理念はない。
    実際、そういう思い込みやイデオロギーを言葉の力で相対化しようと、みんながしている。
    このクールでドライだがリアルな人物たちが、それぞれの環境の中で命や生やつながりという「人間的な」概念を見直していく。
    金や地位やセックスのことしか考えていない大人よりはよっぽど「人間らしい」。

  • この戦いに意味はあったのか?ものすごい喪失感と絶望感。
    しかしすべてを読み終えて残ったのはただ残酷な漫画というものではなく、現代社会に対する皮肉的なものでもなく、爽やかな満足感と未来への希望だったりするのは、このラストを選択した作者の力だと思います。

  • 椅子のエピソードのある話を読んで、思い出したので読み返し。
    2回通読してしまった。掛け値なしの名作。

    人生の象徴が椅子って言うのがかっこいいんだ。

    正解のないことに答えを出そうとしないところが傑作のゆえん、かな。

  • 通巻感想。子供達の苦悩は、ヒロイック・シンドローム的な部分もあわせて、大人びてはいるけどなんか分かる。実際子供って、大人が想像しているよりも、多くのことを考えている。それがきちんと描かれている感。そして、子供を死地に追いやらざるを得ない大人達の苦悩にも、鬼気迫るものがある。生きることは、誰かと繋がることだし、繋がるには言葉や態度にしていかなければならない。確定的な死を前に誰と、何と繋がるのか。自分の死の価値は、何かと引き替えにできるものなのか。決して長くはない話数の中で、15人+αのそれを描き分けている。

  • 一気に読み終えました。

    コエムシの「自然現象だ」っていうセリフが深いなーと思いました。

    誰にでもいつかは訪れる死。

    それを突如つきつけられた少年少女、人間たちの決断と想い。
    色々な出来事のメタファーに思えました。
    醜く美しい人間という生き物とそれをとりまく世界。
    作者様にただただ感服です

  • 最終巻。
    最後のパイロットとなったウシロ。戦闘に勝利したかと思えたが、コックピットを開けてしまったがために、最後に重い決断を迫られる。

    最後まで残酷な展開だった…。
    たくさん、たくさんの人が死に、戦いはすっきりと終了したとは言い難い。
    それでも、読後感はどこかすがすがしい。

    結局ゲームは次元を変えて続いてゆき、何の意志によるゲームなのかは最後まで明らかにならない。
    コエムシは言う。
    「ただの自然現象だよ」

    …たしかに、極端に残酷な例であるだけで、似たような現象は今のこの地球上でも絶え間なく続いているのかもしれない。
    誰かの存在を生命を犠牲にしてほかの誰かが生きながらえていく、そしてその誰かも順番がまわってくればほかの誰かの犠牲となって死ぬときが来るかもしれない。それは確かにごく自然な摂理だ。

    ごく個人的な世界と、宇宙規模での世界と、そのどちらにおいても命はとらえられている。ごく個人的な世界も、それだけで完結するものではなく、周りの人たち、一般社会、国、組織、世界と少しずつつながっている。
    個人と、世界と、どちらが大事か、なんてわからない。
    けれど私たちは世界の命の連鎖の中に存在し、それでも自分の目に見えるもの、手の届くものをただ大切に握りしめて生きていくしかないのだ。

    そういうことを、静かに実感させられる物語だったと思う。

  • エヴァにエイリアン9、一部がまどかマギカに引き継がれ。
    作者の鬱成分は前作より薄まったか。

  • 図書館で全巻借用。
    毎回人が死ぬという前知識だけで読んだ(アニメ未視聴)。
    色々予想を裏切られる展開。特に十巻のは完全に予想外。
    だけど、だからある最終巻のエピローグ。
    設定もすごいけどまとめきった作者も凄いわ。マチの最終話だけはよく分からなかったけど…

  • あの演出はずるいなあ(´Д`)
    ア二メ見て気になって買ったけど考える内容だった。曖昧な感じの終わりだった気も。でもその中の一部だと思えば納得もいくかな。

  • 鬱漫画とか言われてるけどこんなにも生きることに勇気を与えてくれる漫画はない。

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著者プロフィール

1966年、愛知県出身。名古屋工業大学在学中の87年に、『残暑』で小学館新人コミック大賞に入選。95年、アフタヌーン秋の四季賞に準入選。同作を第1話として『ヴァンデミエールの翼』を連載。その後、『なるたる』『ぼくらの』『のりりん』『なにかもちがってますか』など代表作多数。


「2021年 『ヨリシロトランク(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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