ぼくらの (1) (IKKI COMIX)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091885029

感想・レビュー・書評

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  • 夏休みの自然学校に参加した15人の小中学生たちは、偶然出会った風変わりな男とのやり取りの中で「ゲーム」と称して「契約」を行う。
    その「契約」とは、地球の命運をかけて巨大ロボットで「敵」と戦うこと。負ければ地球ごと消滅、そして勝ってもパイロットを担当した1人は必ず死んでしまう。
    契約を行ったのは1人を除く14人の筈だったのだが、戦いが進む中、もう一人の未契約者がいることが明らかになる。

    -----------------------

    ひかりTVのビデオサービスでアニメを視聴し、原作は後半の展開がまるで違うことを知り(というか連載途中でのアニメ化だった)、読んでみました。
    この作者の漫画は絵が苦手だと感じずっと読んでいなかったことを後悔するほど面白かったです。救われなさとかなりのえげつなさ、妙にリアルな部分も切なさもあり、単に「面白かった」というのがはばかられる、独特の読後感です。
    キャラクターそれぞれの行動や、死ぬと分かっていてのあがきや悟り、時に美しく時に重過ぎる気付き(しかしその後に待つのは死のみ)が胸に迫ります。
    未契約者は誰なのか、そして「最後の一人」となるのは誰か?そしてその時の行動は?ラストにはただただ痺れました。

    畑飼だけは心から悲惨な死に方を迎えてほしかったのにすごく残念です。この後味の悪さがこの作者の芸風といえばそうなのかもしれませんが。

    アニメ後半が監督の言動と相まって酷評されていることは見終わってから知りました。いろいろ苦肉の展開だったのでしょうが、確かにオリジナルキャラクターが幅を利かせすぎたり、田中さんの過去がとんだ極○だったりと、やりすぎた感は否めないですね。酷評もむべなるかなと思いました。
    音楽はとてもよかったんですけど……

  • 1巻登録してなかった。
    久しぶりに読んでみたけれど、良いです。
    ウツ漫画とよく言われるけれど、私はそうは思わなかったです。

  • 重くて無機質な運命に巻き込まれた子供たちが、それをどう受け止めるのか。15人一人一人が主人公でよかった。宇白の回が1番エグいけど、好き。

    中高生の時は色んなことについてずーっと考えてたのに大人になってからは全然そういう深くまで潜る思考ができてなくて嫌だったんだけど、宇白先生の台詞で納得した。あれは今日のご飯の心配をしなくてもいい、モラトリアムのあの時期にだけ許された至高の時間だったんだな…目先の仕事と生活に必死になんなきゃいけない今あの体験は得難い。

  • 1~11巻通して。
    本当に心の底から好きな作品の一つ。アニメの方はあれはあれでまた違う世界のように感じて、それこそ「世界の分岐」を感じたりなんかしてその感覚が楽しかったけれど、でもやっぱりアニメよりこっちの方が好きだなぁ。
    田中さんが言ってた「ベストじゃなくベターを目指せ」って、かなりこの作品を表しているように思う。全てが思い通りに行かしてくれる訳じゃない。「何で今」「どうしてそんな手段じゃなきゃ」なんてことの連続。それでも彼らはその中で最善を目指して、全力を尽くして、そうして散っていく。
    覚悟を決めたとはいえ顔を出すそれぞれの弱さ、それに立ち向かうのはパイロットだけじゃない。だけど、”まだ”死なない自分たちという立場も同時に襲う。
    あとウシロ戦での、町の風景。犬小屋や交換日記、朝食の準備が完了しているテーブル、そんな何気ない物たちが不思議と胸を締め上げてくる。
    話しが終わるからとかじゃなくて、進み方(?)として最終巻が好きだなぁ。ページをめくる時の衝撃がどれも好きだった。
    ただの殺し合いものじゃなく、人と人が感情をぶつけ合って変化していくドラマだったなと思った。

  • 全11巻 地球を守るために自らの生命を犠牲にすることを強いられた少年少女たちの物語。各少年少女の背景が様々なのが魅力。悲劇だがカタルシスを得た気がする

  • なかなかのトラウマ漫画・・・・
    少年少女に課せられた重い使命。
    自らの命を使って人類を守る使命・・・
    今回はラストまで読もう。

  • 休日にレンタルで全巻一気読み。2~3日気分が沈んだ。
    優しいタッチの画風が鬱気分に拍車を掛ける。
    この雰囲気癖になるなー。
    どうしたらみんな救われるのだろう?って考えても無意味なのに色々思いを巡らせてしまう。

  • 初めから終わりに向かって進んでいる。

  • 主人公たちの仲間意識や境遇が
    リアルで良かった。
    表情の深さに思わず泣いたなぁ~。

  • アニメ未鑑賞。
    最終話まで、まさに目が離せない展開の連続でした。
    毎巻色々と衝撃的でしたが、一番はワクが死んじゃったとこです。

著者プロフィール

1966年、愛知県出身。名古屋工業大学在学中の87年に、『残暑』で小学館新人コミック大賞に入選。95年、アフタヌーン秋の四季賞に準入選。同作を第1話として『ヴァンデミエールの翼』を連載。その後、『なるたる』『ぼくらの』『のりりん』『なにかもちがってますか』など代表作多数。


「2021年 『ヨリシロトランク(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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