月館の殺人 上 IKKI COMICS

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1355
感想 : 188
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091885814

感想・レビュー・書評

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  • 読み方が「つきだて」なので館シリーズではない。漫画だけどちゃんと綾辻行人!上巻だけで大満足できるが、下巻へ。

  • 佐々木倫子が描く殺人事件
    とても新鮮
    しかも原作は綾辻行人!

    鉄道ミステリーに佐々木倫子らしい癖のあるキャラクターたちがうまく融合して面白い

  • ボケる美人って、最高に面白いですよね。

  • 主人公は母と二人で沖縄に住む、ごく普通の女子高生、空海(そらみ)。
    母の病死で一人ぼっちになった彼女は、生まれて初めて自分に富豪の祖父が北海道にいたことを知る。
    祖父は空海に特別仕様の豪華夜行列車に乗ることを条件として、屋敷を訪問するよう弁護士をよこしたのだった。
    そして、その列車の旅には5人の鉄道オタクの男性たちも招待されていた。
    こうして空海と彼ら5人を乗せた列車は貸切状態で祖父のいる月館の地へ向かって出発する。

    上巻3分の2あたりで第一の殺人が起こる。
    それまでは列車の同乗者の男性たちの鉄道オタクぶりに唖然とさせられたり、ひけらかされる鉄道豆知識にちょっぴり感心させられたり、この作品がミステリーであることを忘れさせる佐々木倫子先生独特のまったりした可笑しさに満ちた漫画ワールドが繰り広げられる。

    なによりも空海の天然ボケともいえる性格がいい味をだしている。
    鉄道嫌いだった母のせいで、鉄道については無知の塊の彼女と、強烈すぎる個性の鉄道オタクたちのやりとりのちぐはぐさが、とにかく可笑しい。
    そして、殺人が起こった後も、この登場人物たちは、相変わらずマイペースの行動をとり続けるのだが(笑)、さすがに徐々に物語はミステリー色を濃くしていく。

    上巻のラストで空海が思わず驚愕する場面が用意されているのだが、彼女目線で読んでいた読者なら、きっと一緒にスゴクびっくりしただろう(私はした!)。
    早く続きが読みたい!!と思わせるラストであった。

  • のっけの主人公・空海ちゃんと友達の会話から、佐々木先生ワールドだなぁ~という感じです。 両親を亡くした空海は会ったことの無い祖父の求めに応じ、北海道まで行き「玄夜」という夜行列車に乗り込むのだけど、そこに居合わせた客は皆、所謂「テツ」と言われる人たちで・・・ここでも「テツ」の人達と、鉄道のことを何も知らない空海ちゃんのやりとりを、軽妙でありながら、密室感を出してうまく描いていると思いました。 そして上巻ラスト、下巻への期待を思いっきり持たせて終わりましたね~。うまいです。 最後に、娘を修学旅行に行かせたくないために入院するほどのぎっくり腰になれるもんなんでしょうか?<(; ^ ー^)

  • 気鋭のミステリー作家・綾辻行人氏原作の漫画化。
    好きな漫画家の一人で佐々木倫子さんが描いてるので買ったけど、なんだろう(?)不思議な感じ?
    佐々木さんの飄々とした作風のため、ちょっと緊迫感のない推理サスペンスになってますが
    これはこれで味があっておもしろくて気に入ってます。

  • あの「動物のお医者さん」の漫画家:佐々木倫子さんの漫画です。
    推理小説的ミステリー漫画ですが、佐々木さんのほんわかタッチで生臭くはありません。
    どこかズレテル菱沼さん的要素も健在で、楽しく読めました。

    内容については、書きませんが(推理小説的漫画なので)、面白かったです。

    ちなみに私は「テツ」では、ありません。

    読み始めたら止まらないです。

  • 綾辻行人原作、佐々木倫子漫画の鉄道ミステリ。
    物語は、鉄道嫌いの母の影響で電車に乗った事の無い主人公・空海は両親の死後、まだ見ぬ唯一の肉親である祖父に夜行列車「幻夜」に招待される。そこに乗り合わせた乗客達は何故か全員テツ(鉄道オタク)だった。そこで殺人事件が起き、しかも死体の側には世間を賑わせている首都圏連続殺人事件の犯人が置いて行くというメッセージカードが置かれていた。
    綾辻行人ですしきちんとミステリなんですが、そこに佐々木倫子節が満載されていて、かなり面白い話になっています。
    何と行っても、鉄道初心者の空海と乗客のテツ達の掛け合いがかなり笑えます!車内検分を始めたはずが車内見学になっていたり(か…確信犯なのかテツ達…笑)。
    上巻から登場人物達が妙に愛おし過ぎて、この中に犯人がいないといいなぁなんて思ってしまいました。

  • 新本格ミステリー作家の綾辻氏が原作、「動物のお医者さん」「おたんこナース」などで知られている佐々木氏が画のコラボ漫画!
    ホラー作品もある綾辻氏のミステリーと、とぼけたキャラクターの佐々木氏の漫画がどう組み合わさるんだろう・・・と、どちらのファンでもあったので興味しんしんだったのですが、それぞれの作家の持ち味がうまく一つにまとまっていると思います。

    一度も電車に乗ったことの無い沖縄在住の女子高生・空海(そらみ)は、母が亡くなり天涯孤独に。
    そこに弁護士が現れて、空海には北海道に金持ちの祖父がいることが判明、祖父に会うため厳寒の北海道へと旅立ち、特別豪華列車の「幻夜(げんや)」に乗ることになる。
    「幻夜」には空海のほかには、男性が6名と乗務員が乗り合わせるのみ。しかも、乗客の男性は全員「テツ(鉄道オタク)」だった!
    まだ見ぬ祖父への不安、初めての列車の旅、豪華列車に浮かれるテツ達に翻弄される主人公。
    そして、殺人と無縁に感じられる人々の中、第一の殺人が起こってしまう・・・

    上巻は、冒頭にこそ事件の始まりを思わせる記述がありますが、その後は佐々木キャラクターが暴走してあちこち好き勝手に動き回り、コメディー調です。が、終りの部分で、一転してアヤツジワールドが展開、下巻へと続きます。
    下巻は本格ミステリーでありつつも、とぼけたキャラクターの味わいがなくなることはなく、陰惨な殺人事件が和らぐ?感じです。

    天涯孤独の女子高生、金持ち&偏屈な祖父、豪華列車、吹雪の中の豪邸・・・とミステリファン垂涎のお膳立て。
    でも、主人公はとぼけた味わいを持っていて、それを囲む他の乗客はマイペースでテツで。
    そのミスマッチが、楽しいですね♪

    アヤツジファンとしては、タイトルに「館」という漢字がついているだけで反応してしまうのですが、これは「館」シリーズ作品ではありません。
    (月館=つきだて、と読みます・・・「やかた」ではありません)
    それでもこの作品に出てくる館のインパクトは、館シリーズに劣らないものがあります。

    そして、随所・・・というか全般に隈なく出てくる鉄道の知識及び設定が、とても細かく詳しい!!
    私は、この漫画を読んで「テツ」のことが詳しくなったというか、分かったというか。
    実は、「鉄子の旅」を出版している編集部からの刊行で、自らもテツな編集長&編集者が担当しています。
    下巻には、テツ編集長の鉄道用語解説、佐々木氏のあとがき漫画、そしてわかりにくい部分に綾辻氏のあとがき文が収められています。

  • 夢の競演

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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