三人娘は笑うて暮らす (IKKI COMIX)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091886743

感想・レビュー・書評

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  • 際立った面白さがある訳じゃないんだが、不思議と良さがじんわりと染み込んでくる作品
    薄味だが、ギュッと旨味が凝縮されているので、一口目では判らないが、ページを捲っていくうちに魅力が把握できるだろう。一話、一コマのインパクトでなく、第一話から最終話、おまけまでひっくるめて、内側に響いてくるジャブを打ち続け、読み手を総合的な面白さでKOするタイプなので、漫画をじっくり楽しみたい人向きかな?
    性格が真反対な双子でなく、キャラの異なる三姉妹が主役ってのが、この『三人娘は笑うて暮らす』のミソなんだろう
    朝香、真昼、小夜子(三姉妹とすぐに察せる名前であるってのも、ポイントが高い)、全員、女性としてっつーより人間として魅力がある。個人的に、友人として付き合いたいのは、地に足がついてる不思議系の小夜子かな
    ストーリーの端々に漂っているファンタジー(・・・オカルト?)感がなかったら、この三姉妹の各々が出す味がバラけて、面白さが半減するどころか、自然消滅してしまっていただろう
    帯の裏で意味深に書かれている、花時丸三姉妹の秘密を、最終話まで無駄に引っ張らず、中盤辺りで発表した点は好かった。あくまで、一気に読んだ私個人が勧める読み方であるが、第六話まで読んだら一度、第一話まで戻り、読み直すと、初読み時とは違う楽しさを感じられる
    また、最終話の一つ前の第九話で、三姉妹の秘密以上に大きな秘密で、読み手の肝を抜きに来た、朝陽先生の度胸は高く買う
    この話で、最も個性的だったのは、人非ざるガボイな訳だが、彼(彼女?)に次ぐのが、三姉妹の誰でもなく、彼女らの言動に戸惑い、独特の空気に翻弄はされつつも、一緒になって可笑しくはしゃぎ、その存在を日常の一風景として受け入れられてるカフェバー「カシマシ」のマスターだろう
    どの話も質が高いが、個人的に好きなのは第八話
    この台詞を引用に選んだのは、人非ざる存在が説く友達の作るコツに深さを感じたから。これに対する小夜子の本音も、これはこれで読み手の気持ちを代弁していて笑った

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