人間仮免中つづき (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

著者 :
  • 小学館
3.84
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091892898

作品紹介・あらすじ

小泉今日子、絶賛。4年半ぶりの続編登場。

愛ってすごい!愛って尊い!
卯月さん、ボビーさん
ご入籍おめでとうございます!
--小泉今日子

歩道橋から飛び降りての顔面崩壊、失明…
統合失調症を患いながらも必死に生きようとする
おいらを支える25歳年上のボビーとの日々を
ユーモラスに描いた、前作『人間仮免中』から4年半。

あらゆる読者が知りたかった、
おいらとボビーの二人の人生はその後どうなったのか。

苛烈で型破りで規格外だけど、ピュア。
誰よりも強靱で、誰にも真似できない
「愛と冒険の物語」の行方が今、明かされる…!

各マンガランキングで高い評価を得て、
大きな話題を読んだベストセラー。
感動のコミックエッセイ続編、ついに登場!



【編集担当からのおすすめ情報】
何度も途中、執筆を断念するような病状の悪化に見舞われながらも、「どうしてもこの本だけは出したい」という卯月さんの強い強い想いが、長い時間はかかりましたが、ようやく1つの形となりました。卯月さんの笑いと感動と涙を呼ぶ筆致は本作でも健在で、きっと読者のみなさんの胸を打つと思います。東日本大震災での経験を描いた「番外編」も涙なしには読めない素晴らしい一編です。是非とも手にとってご一読ください!

感想・レビュー・書評

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  • 歩道橋から飛び降りての顔面崩壊、失明…
    統合失調症を患いながらも必死に生きようとする
    おいら卯月妙子を支える25歳年上のボビーとの日々を
    ユーモラスに描いた、前作『人間仮免中』から4年半。

    あらゆる読者が知りたかった、
    おいら卯月妙子とボビーの二人の人生はその後どうなったのか。

    苛烈で型破りで規格外だけど、ピュア。
    誰よりも強靱で、誰にも真似できない
    「愛と冒険の物語」の行方が今、明かされる…!

    各マンガランキングで高い評価を得て、
    大きな話題を読んだベストセラー。
    感動のコミックエッセイ続編、ついに登場!

    前作から4年半後、卯月妙子さんは、北海道の障害者福祉施設でお世話になっていた。ボビーとは電話とメールでしか繋がれず、年2回しか会えなかった。そのせいもあり、卯月さんの統合失調症の症状は悪化していた。
    定年退職したボビーは、東京で再就職して卯月さんを東京に呼び寄せようと職探ししたが果たせず、北海道で刑務所の夜勤して暮らすことになった。
    ボビーと卯月さんの感動の再会「あなたが退院して来た時の顔が忘れられないよ。本当にいとおしいと思った。生きて良く帰って来てくれたって、それしか思えなかった。生きてくれてありがとうな」。
    ボビーと近所の八百屋の木下さんのユーモラスな掛け合いでの値切り合戦「私あなたのナスがママ」「ナスがママならきゅうりはパパよ。はいお買い上げ」。
    料理好きのボビーがスーパーのタイムセールで食材を買い込みどっさり作りおきしてくれるのはありがたいけど、卯月さんはボビーがどこまで自分を太らせるか心配。
    卯月さんが人格水準が落ちて、今度入院したら出てこれないと知ったボビーの決意。
    卯月さんが陰性症状がひどくなって、幻聴が頻繁に出た時のボビーさんなりの卯月さんの気持ちのまぎらわせ方。
    調子が悪くなったボビーとの共倒れを不安に思った卯月さんにボビーが言った「人生なんて成り行きだ。面白え方に転ぶもんだ」。
    息子に背中を押された卯月さんとボビーの入籍秘話。
    「春眠に 並べる布団 心地よし」「狂いたら 共にと君の 言いし春」「お互いに 死を背負い 日々を越す」などの卯月さんの心情を素直に綴った俳句も、味わいがある。
    卯月妙子最大のトラウマになった東北震災の秘話。前作以上に卯月さんとボビーの夫婦愛がより濃く描かれた「人間仮免中」待望の続編。

  • 前作『人間仮免中』を初めて読んだときに衝撃的だったのですが、続きが出ていると知って読みました。ついでに前作ももう一度読みました。(不思議と最初に読んだ時のような衝撃はなく、病気と闘う本人、ボビー、家族の愛をとても感じました。)

    相変わらずの絵と、時系列が若干バラバラで読みにくいところはありますが、幾分穏やかに...というか病気と上手にお付き合いで着ているようでよかったです。
    ボビーさんはもちろん、家族やご友人、主治医にも恵まれているのが救いです。とはいえ、自分の周りにこういう人がいたら大変だろうな...と思ったのも事実です。(昼夜問わず意味不明のラインがバンバン来たり...)

    次入院したらもう病院からは出られないと言われている卯月さんと、老いてゆくボビー。どうか少しでも長く一生にいられるようにと願います。

  • 病気の症状が重くなっていくこと、老いていくこと。
    残酷なようにも見えるそれは、自然なことでもあり、ただもしかすると今は仕方なくても未来にはもっと別の道筋があるのかもしれない、とも思う。夢みたいに苦しみを消してしまうというわけじゃなくて、もっと人間的な形で。

    最後の震災に関連した部分は、作者の感情の揺れがダイレクトに伝わってきて、しんどくなった。震災で病状が悪化した人がたくさんいたのも当然だとよく分かる。

  • まだ生きているという言葉がここまで重みを持つ人はなかなかいない。

  • 前作もすごかったけど、これもパンチ効いてました…

  • 漫画に人生描かられたどうしょうもないですよ。生きている、生きているぞと声高にいえる。それだけで愛といえる。愛ですよ。
    著者は表立って褒められるような経歴でも一般常識、世間のルールで括ると逸脱した中に住んで居て、著者の此れまでも今も続く苦難も苦痛もその他諸々の壮絶な人生を経ても言い切れる。
    生きていること、生を得て、そして、これまでの生に対して感謝と幸福を述べられるその「だから生きろ死ぬまで。」といえるその魂の叫びが、ボビーの並大抵ではなし得なかった献身的な深い愛に、抱える老いと病の中に、醜さも汚さも綯い交ぜに綺麗事もなく燦燦と輝く、いつ終わるかわからない人生を添い遂げ、全うしようとする2人の生への肯定感の逞しさに魂が揺さぶられる。

    番外編3・11は「故郷」をうたう著者の姿に射竦められ、友の生還を投げ掛ける言葉に射抜かれた。言葉もなく、そのようにしか言い表せない。

    抜粋
    p55生き死にを委ねられる人といられるって、こんなに安心するんだと思わなかった。
    2人の仲、漫画に対する想いを込めた俳句の中で好きなのものは
    p58お互いに 死を背に背負い 日々を越す
    p70衰弱の 波にひたすら ペンをとり
    p168寝息聞く 有難き春 朝ぼらけ
    p174この野郎 この野郎が 実に愛しき

  • ようやっと前著の続編が出た。
    前著同様、すさまじい内容。
    絵柄がシンプルなだけに、そのすごさが一層際立つような気がする。
    男と女がここまで深くつながれることにあらためてすごい!と思った。
    陳腐な言い方しかできないが、二人に末永い幸あれと祈念するばかりである。

    あと、巻末付録の3.11についてのマンガも圧巻。

  • ううっ(´;ω;`)よかったですほんとよかったです。
    本屋さんで偶然見つけて即買いしました。
    ひきあわせてくれたのかしら。

    最後の3.11が突き刺さります。
    でも、これが描けるほど、いま生きているのだなと感動でした。

  • しぶとい。このしぶとさは1人きりでは生まれない。生き続けるのは本当に奇跡の連続だ。人間誰もが最後に終わりを迎えるのだから。終わりの始まりに、引き継ぐものがあれば、この上もなく幸せ。

  • 201612/続編が読めるとは!そしてこうして作品として作られているすごさにただただ涙。それにしてもバレが大きく影響する作品じゃないにしても、今回の帯はあんまりでは…。

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卯月妙子の作品

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