- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091893406
作品紹介・あらすじ
深層へ!!
聴覚障害者、患者と医師に迫り、探れば探るほど、
その不思議、厄介さにおののく。
マンガは、マンガ家は、
実態を描くことができるのだろうか?
そして、僕らの“ほんとう”は、どこにあるのだろうか?
マンガで進化する新感覚ドキュメンタリー!
& ミステリー!?
深層へ!!!
【編集担当からのおすすめ情報】
1集の発売以来、大変ありがたいことにSNSなどで多くの方々から、
また書評等の新聞TV雑誌WEB多くのメディア上で評価をいただきました。
しかし正直まだ評価いただくのは早かったのではと思う気持ちもあります。
この問題をマンガにする難しさを吉本浩二氏はますます痛感され、精一杯の模索をしています。ぜひ、続きを御覧ください。
感想・レビュー・書評
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グラグラ揺さぶられてしまう。森達也の映画を観ているからだけれど、この作品だって作者の恣意的な描き方でいくつもの真実を切り落とされているはずなのに、なのにこんなにも書き手が迷っている様子を生々しく描いてゆく姿には、受け手までもが理性と感情が食い違う感覚を覚える。聴覚障害のこと、佐村河内のことはもちろんだけど、それ以上にいまここにある「真実」と呼んでいる何か、の魔法を解こうとしてくるかのような挑戦作。なのに作者がイッパイイッパイみたいな感じになっているのもすごい……ある意味すごい。何なんだこれは! 3巻が来ないと安心して夜も眠れないよ!!/ある意味、ものすごく、森達也の逆をやろうとしているんだよね。
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本気と必死が伝わってくる、ちょっとつらい絵柄になってます。
真実と事実とに目を向けて、美談になってないのが、とてもよいです。
どんな展開になっていくのかな、と今後も大いに期待です。 -
全体を通じて佐村河内さんとのやり取りのインパクトが強いけど、検査体験や中途難聴の医師への取材など読みごたえがあります。
でもやっぱり佐村河内夫妻とのやり取りが読んでいてドキドキするというか、こちらにも何か鋭く問われているような心持になってヒリヒリします。 -
導入は、一時期話題になった佐村河内守氏のゴーストライダー騒動。そこから、様々な聴覚障害者や医師にインタビューして描かれる、「聴覚障害」という状態に含まれるグラデーション、多様な状況。まずもって見ただけでは障がいとは分からず、その程度もどんどん段階を追って悪化するケースが多く、障がいを得た年齢により、話せるかどうか、聞こえる程度、補聴器が助けになっているかどうか、などなど様々な段階があり、音が意味をもって認識できないことで悲しい思いをするエピソードが描かれる。また、耳鳴りは治療法がない、補聴器はある程度までしか補助にならない、といったことに対しては、最新の研究・治療なども紹介されている。そして、少しは落ちついたこの時期に、聴覚障害、という切り口で佐村河内氏にインタビューする著者と担当者。何度か接するうちに、佐村河内夫婦に好意を抱き始め、しかし、インタビュー内容やインタビュー時の様子と他のインタビューで聞いた内容とを付き合わせて、おかしいのではないか、いや、どちらでもいい、いや突き詰めないと描く意味がないしかえって失礼だ、と葛藤する様も描かれる。話がどう展開していくかはわからないけど、真摯に向き合おうとしていることは伝わってくる。