東京ラブストーリーAfter25years (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 118
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091894434

作品紹介・あらすじ

あの名作再び!25年後のリカとカンチは?

あの日、あの時、あの場所から
僕らはどこへたどり着けたのだろうか。
かつて恋をしたことのある、すべての男女に捧ぐ…!

フジテレビでのドラマ化でも大ヒット、
ベストセラーとなった名作『東京ラブストーリー』。
きらびやかな東京を舞台に描かれたリカとカンチの恋愛模様、
最終的にカンチは幼なじみ・さとみとの結婚を選んだ。

あれから四半世紀が過ぎて、
二人の子供たちが結婚を決意したことから、
止まっていた時が動き始める…。

『ビッグコミックスピリッツ』創刊35周年記念読切として
50歳となった二人の「その後」が、初めて描かれて大きな話題に。
『女性セブン』での連載も経て、ついに単行本化。

再会したリカとカンチはどんなラストシーンを迎えるのか?
あの頃、二人の恋に胸を熱くした人は必見!
感涙のエンディングを目撃せよ。

【編集担当からのおすすめ情報】
柴門先生はこの作品を描くにあたり、次のようにコメントされています。「25年ぶりに『東京ラブストーリー』の続編を描いてみませんかという編集部の依頼を受けて、コミックスを読み返しました。基本、私は自分の過去の作品を読み返さないので、読み返したのはじつに20数年ぶりでした。新鮮でした。読み終えた瞬間、リカとカンチが私の頭の中で動き、笑い、喋り出していたのです。そして、かつては「恋愛関係」だったものが時を経て、「友情」や「戦友」という感覚に変わっていくことを読者に伝えられればと思いました」。まさに柴門先生にしか描くことのできない人間ドラマがここにあります。ぜひご一読ください!

感想・レビュー・書評

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  • 今週の水曜、駅の本屋に立ち寄ると、柴門ふみの書いた「東京ラブストーリー After 25 years」というマンガが目に付いた。そう言えば、新聞の記事かなんかで見た記憶がある。柴門ふみが、25年経った後の東京ラブストーリー後日談みたいのを書く、と言う企画があると言う記事だ。

    それが単行本となって売っていた。イマイチ買うのに躊躇したのは、面白くないように思ったからであったが、数分逡巡して手を伸ばし、レジに持って行った。

    東京ラブストーリーがドラマ化されたのは、高校1年の頃の冬だ。当時、私は週刊ビックコミックスピリッツを毎週買って読んでいたが、その時は既に東京ラブストーリーは終わっていたので、原作をリアルタイムで見たわけじゃ無かった。が、コミックは全4巻買った。

    織田裕二と鈴木保奈美が主演のドラマで、バブル期に製作されたドラマの中での金字塔の一つかと思う。私は毎週見ていたし、クラスの連中もみんな見ていた。都心の超一等地と言える渋谷区神宮前にある高校に通っていた私たちにとって、東京ラブストーリーで出てくるロケ地は、生意気にも馴染みがある土地が多かったのも、余計に視聴を後押しした。有森也実演ずるさとみ役が、原作にある通りのキャラクターを好演しており、そのイメージ通りに理解した単純な視聴者から事務所に脅迫まがいの手紙が届くほどだったそうだ。こう思わせる演技をしたのだから、好演と言っても良いだろう。

    政府が経済統制を完全に誤ったと言えるほどの好景気に沸いたバブル期の世相を遺憾なく表現しており、自分自身、大学を出て社会に出たときは、こんな感じの世の中になっているのだろうかと思っていた。しかし、現実は凋落の一途を絵に描いたような不景気の時代に社会に出ることとなり、東京ラブストーリーの情景は幻も良いところだった。

    東京ラブストーリーは、私にとってはかけがえのない作品、と言う訳では無い。原作のマンガは、多分実家にも無いと思う。だから、今まで何十回と読んだ遠藤周作の「沈黙」と異なり、細かいところは殆ど憶えていない。

    でも、25年後の東京ラブストーリーを今回読んでみて、各々の登場人物の25年後は「思い出す努力」を全く要すること無く、スッと理解した。

    出て来た登場人物は、既に50歳になっている。50歳になるのか、と思うが、これは会社の先輩達で、現在50歳くらいになっている人びとを見ると、かえってイメージしやすい感じがある。

    現在50歳くらいになっている人たちは、東京ラブストーリーのカンチだのリカだの同様、バブル全盛期に社会に出た。何度か書いていると思うが、この時代に社会に出た人たちは、新人の働きに見合わないほどの多額なボーナスを得たりと、経済的にはかなり恵まれた若者時代を過ごした。活発な時代で、金曜の夜になると職場の連中で車に分乗し、スキーに出掛けるなんて時代だったようだ。ウチの会社は、都内で遊ぶより、アウトドアに打ち興じる人間が圧倒的に多かったように思う。バブル時代のこう言うのに、私自身が間接的に恩恵に浴していると思えるのは、この時代に登山だなんだを極めた先輩達と、一緒に登山に行ったり出来ることだ。彼らは身に付けた知識や技術を、後輩の私たちに教えてくれたりする。

    その、会社の先輩達とシンクロさせながら、カンチやリカの今を読むが、読み進めている上で私が「この人出ないのかな」と思ったのが、「和賀さん」という人であった。

    和賀はカンチとリカが勤めていた会社の経営者で、同時にリカと不倫関係にある人物だった。ドラマは西岡徳馬が演じていたが、まさか、あの西岡徳馬が、毎年「笑ってはいけない」であれだけやるようになるとは、それこそ25年前は想像だにしなかった…。

    和賀も本作中に出ているのだが、そこで驚いたのは、当時、和賀が42歳だったと言うことである。マジか!50歳くらいじゃなかったのか!と驚いた。と言うのも、今の私と同い年である。

    高校時代、和賀を見て「こんなオッサンと不倫関係にあるのか」なんて意外な思いで見ていたが、そのオッサンの年齢に俺はなってるのか、と思った。

    当時、漫画を読みながら、そうは言っても大人の風格を出している和賀は、やや異彩を放っていたようにも思うが、そんな感じに今の自分がなっているとは思えない。同期と飲み会で部長の愚痴をダラダラ言っているのである。

    本作の方に戻り、肝心の内容は、とっても面白かったと言う訳では決して無かったものの、買って損したと言う感じでも当然無かった。50歳の登場人物達はまだ若く、連載時に描かれていた和賀より若々しい感じであった(と思う)。

    それにしても、50歳か。8年後だな。相変わらず同期と、飲み屋で愚痴言ってそうな気がする。

  • こういうおばちゃんいるよねという感じにリカがなっていて少しガッカリしたのは少し彼女に希望を抱いていたからかもしれない

  • 25年後のカンチ、リカ達のストーリー。
    自由奔放なリカは変わらず健在でした。
    大人になったからこそわかること、やっぱり深いなーと思った作品でした。

  • 冒頭からいきなりの「赤名アフリカ」!そりゃ、完治じゃなくても、テーブルひっくり返すわな。
    そしてまた、カンチ、リカ、さとみ、三上が交錯して、、、でも何も起こらない。さすがに25年の年月と50歳の年齢ではね。和賀さん、可哀想だけどいい役回り。
    果たして、リカは本当に和賀を可哀想だと思っただけなのか?アフ君は、和賀を本当のお父さんだと知っていたのか?(だとしたら、教えたのはリカなのか、臨終間際の和賀本人か?)

  • もうちょっとリカにかき回してほしかったかな

  • 結末が無難すぎる。

  • 当時を知る人は必読、時代は変わった。

    そう、我々はもう中年なんだよね。

  • ストーリーに気持ちを逆なでされます
    自分で認めたくない自分を見せつけられてしまうストーリー
    さすがとしか言いようがありません
    柴門さんしか書けないものです

  • 読了。中年になったから読めるのかもしれない。自分も年をとったなと実感する。

  • 設定が強引ですが・・
    リカ と カンチ! 良かったです。
    25年前の消化不良が少し改善されました。

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著者プロフィール

1957年徳島県生まれ。お茶の水女子大学卒。79年漫画家デビュー。『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生 人は、三度、恋をする』『恋する母たち』など、著書多数。エッセイ集として『恋愛論』『大人の恋力』『そうだ、やっぱり愛なんだ』『老いては夫を従え』など多数。2016年、25年後の物語として描かれた『東京ラブストーリー  After 25 years』で柴門ふみブーム再燃。夫は弘兼憲史氏。

「2020年 『オトナのたしなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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