きつねのよめいり (1) (小学館文庫 よA 9)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091910097

作品紹介・あらすじ

吉田秋生のファンタジーコレクション。

もうすぐ山は満月祭。年に一度のきつねたちのお祭りだ。銀子ちゃんに想いを寄せるオジロくん。でもなんだか自分に自信がもてないんだ……傑作ファンタジー「きつねのよめいり」、チビの毛虫と女郎蜘蛛のせつない友情「風の歌うたい」、デビュー作「ちょっと不思議な下宿人」など初期短編を含む、珠玉の13ストーリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • #3504ー121ー84ー327

  • 吉田秋生さんの幻想的な初期短編集。13作品収録。
    物語の終わらせ方が上手く、最後の1コマをとても大事にしていると感じた。

    どの作品も切なさや温かさを感じさせるが、私は表題作と「ヨナの千夜一夜物語」が特に好き。
    後者では「夢みる頃をすぎても」の登場人物がスターシステム的に登場。

    また、端々に「社会的なもの」や「立派とされるもの」への批判意識や揶揄が垣間見られる。
    作者はハードなアクションから思春期の物語まで幅広い作風で怖ろしく高い完成度の作品を描くストーリーテラーだが、同時に無頼派的な素養もあるのかも。
    あまりエッセイ漫画を描いている印象は無いが、それもきっと上手いのではないだろうか。

  • すごい癒しの漫画。

  • 吉田秋生の純粋に文学育ちな側面を観測できる初期作。
    ギャグの消費期限は短い。

  • デビュー作の『ちょっと不思議な下宿人』などショートストーリーを13作集めたもの。

    昔の漫画家さんって、少ないページでしっかりと物語を紡げる人が多いよね。

    だから、長編になっても飽きさせずに小さなヤマをつくりながら、大きな流れで話を進められるのかな…。

    いろいろと時代を感じた物語でもありました。
    学園闘争とか、我が家の女性陣も知らない時代だもんな~(笑)

  • 「ぼくは前から自分自身がとてもみじめでみにくい生き物だと思っていました だからいつも別なものになりたかった」
    「役に立つとか立たないとかって それいったいなんなんです? お願いだからそんなふうに言わないでください あんまり悲しいじゃないですか」
    (十三荘奇談)

  • 「風の歌うたい」が好き!

  • 学生時代だったろうか、吉田秋生著作集『十三夜荘奇談』を読んで心に残ったのが、「風の歌うたい」と「十三夜荘奇談」の2編だった。女郎蜘蛛の下に飛び込んできた小汚いちび毛虫、2匹の奇妙な共同生活が始まり、やがてちび毛虫は見事な成虫となり旅立っていく。生命の連鎖と意味について考えさせられる味わい深い「風の歌うたい」。突然人間になって現れたゴキブリと住人とのやはり奇妙な共同生活を通じて、人間の心の機微を映し出す「十三夜荘奇談」。いずれも短編ながらユーモアと情感に溢れた作品である。著作集は現在品切れで入手困難だが、両編ともこの小学館文庫に収められている。

  • 「櫻の園」とか「BANANA FISH」のイメージだったけど、初期はこんな可愛い絵柄だったんですなー。
    話もとても少女漫画っぽくてかわいらしい。

    でもいくつかある擬人化話の中でよりによってゴキの擬人化をする辺りが、この人らしいっちゃらしいんだろうか…?
    五木、いいなあ。

    毛虫にしても日本オオカミにしてもゴキブリにしても、単なる擬人化にひとひねりあるのが好き。
    女郎蜘蛛と蜩蝉(ヒグラシゼミ)はすごくいいキャラなんで他の作品にも出てこないでしょうか。こないかな。

  •  思いがけず、蜘蛛の巣にかかったチビの毛虫の面倒をみることになった女郎蜘蛛。みんなに嫌われ者の女郎蜘蛛だったが、毛虫にはやさしく、穏やかな日々が過ぎていく。しかし、季節は変わり、毛虫は大人になっていき……「風の歌うたい」ほか12編

     吉田秋生さんのまんが。嫌われ者の女郎蜘蛛と、チビの毛虫の交流。出会い、別れ、「生」と「死」。盲(めしい)の蜩(ひぐらし)の奏でる妖しく不思議な歌声。
     切ない中にも、希望があって、とてもいい物語です。
     他の作品もなつかしい感じ。時にシニカルで、時に切なくて、時に温かくて……。

  • 不思議ですき

  • ほんわか。

    恋愛モノにおける男性主人公がかなり好み、とはBANANA FISH以来、思っていたのだけれど、
    男性キャラに限らす、吉田秋生のギャグっぽい絵が大和和紀に似ているから、この人のは安心して読めるんだ、ということに気付いた。

    大和和紀の『はいからさんが通る』は古典(むしろ聖典)ですから。

    短編集で、まぁなんてことはなくかわゆい。

  • ベッドサイド読本。

  • せつない友情「風の歌うたい」、
    デビュー作「ちょっと不思議な下宿人」など
    初期短編を含む、珠玉の13ストーリーズ。

  • 民話的で面白い

  • しっとりとした作品集というイメージ。
    非日常を描いているのに、日常的で人間的なキャラクターを分かりやすく描ける方だと思いました。
    吉田秋生さんの描く作品がお好きな方なら、読んで損はないかと。

  • 家。短編集。少し前の青春。

  • 吉田秋生さんと言えばヘビーなもの、学生ものが多いけど、この一冊は味わいのある作品!おばあちゃんから聞く昔話のような・・・・

  • 世にも奇妙な物語でドラマ化されました。

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著者プロフィール

同姓同名あり。

1. 吉田秋生 (よしだ あきみ)
1956年、東京都渋谷区生まれの女性漫画家。武蔵野美術大学卒業。1977年「ちょっと不思議な下宿人」でデビュー。1983年、「河よりも長くゆるやかに」及び「吉祥天女」で第29回小学館漫画賞を、2001年に「YASHA-夜叉-」で第47回小学館漫画賞をそれぞれ受賞。その他代表作に、「BANANA FISH」。
代表作のメディア化が多く、「吉祥天女」は2006年TVドラマ化、2007年に映画化された。「海街diary」は2015年に映画化されている。2018年には「BANANA FISH」がTVアニメ化された。

2.吉田 秋生(よしだ あきお)
1951年生まれのテレビドラマ演出家。学習院大学法学部卒業。

吉田秋生の作品

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