ワン・ゼロ 第1巻 (小学館文庫 さA 4)

著者 :
  • 小学館 (1996年10月1日発売)
3.94
  • (17)
  • (13)
  • (18)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 126
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091911148

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • (全三巻のレビューです。)

    神と魔の長年の戦いは、魔物の殲滅で幕を閉じた。かろうじて生き延びた魔神の一体は、自分を含めて四体の魔神の遺伝子を舟に乗せる。舟は日本列島に辿り着いた。魔神の遺伝子は土に溶け、風に乗り、日本全土に結界のようなものを張り巡らせていた。

    そして1500年経ち、時は1999年の東京。四人の高校生は夢を見た。神との戦いに敗れた自分たちが海を渡り日本列島にたどり着く夢だ。1500年の間に日本中に散らばった魔神の遺伝子がまた一人の人間の中に集まったのだ。
    その頃世界で流行しているクラブがあった。そこで経験する機械により人間は悟りに達する。指導者は覚醒者(アートマン)となった少女だ。
    1500年を経て、人間界で再び神と魔の戦いが起こるのか。全人類が悟りの境地に達することは本当に幸福なのか…。

    私の紹介文が堅苦しすぎますが、少女漫画で堅苦しくありませんよ。
    太古の神々が現在に宿るとしたらコンピューターと同化するとか、太古の魔物の記憶を持ちながら現在高校生としての日々を送る姿とか、全人類が悟りを開いたらどうなっていくのかとか…。
    この主人公と友人たちは、魔の遺伝子をもちながら現代高校生でもあり、平和な世界はもちろん歓迎だけどそのために自分たちが消されるのは嫌だなあとか、そして人間が悟りを開く事が本当に幸せなの?煩悩あってこその生では?と疑問を持って神に抗うことにとします。主人公側が魔なんだけど悪ではないというのも面白いです。

    宗教、哲学、神、人間悟り、コンピューター…壮大過ぎて理解はできないのですが、肩に力の入っていないSF漫画です。

  • 以前、友人から借りたが、読み返したくなったので買ってしまった。
    タイトルは2進法の1と0で、「神」と「魔」の対立を表してもいる。
    1980年代半ばに連載された「近未来SF」で、舞台は20世紀末の東京。
    都祈雄(トキオ)の客死した父は異国の地で娘=トキオの異母妹を儲けていた。
    その妹・摩由璃(マユリ)が来日するが、
    彼女は人類の毒抜きと恒久平和を目指す組織の広告塔にされてしまう。
    一方、トキオと友人たちは進化したコンピュータの導きで、
    聖なる「神(ディーバ)」に対抗する俗である「魔(ダーサ)」として覚醒する。
    ……でも、1巻最大のツボは
    佐藤先生が、お掃除ロボット「ルンバ」を予見していたことかな(笑)

    【2巻感想に続く】

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「独特のローテク感が漂う」
      今読むと、ガチガチじゃなく重要な小道具のようなモノになるのでしょうか?
      どーでも良いコトですが、ビローチャナのフ...
      「独特のローテク感が漂う」
      今読むと、ガチガチじゃなく重要な小道具のようなモノになるのでしょうか?
      どーでも良いコトですが、ビローチャナのファンです。読み返したくなってきた!
      2012/09/07
    • 淳水堂さん
      夏眠さんこちらにいらしたんですね!
      私もルンバは笑ってしまいました。
      夏眠さんこちらにいらしたんですね!
      私もルンバは笑ってしまいました。
      2024/04/04
    • 深川夏眠さん
      わぁ淳水堂さんだ。
      (ハートの絵文字を飛ばしたら弾かれたので書き直し)
      昔のSF作品には「将来への希望」のようなものが描かれていて、
      ...
      わぁ淳水堂さんだ。
      (ハートの絵文字を飛ばしたら弾かれたので書き直し)
      昔のSF作品には「将来への希望」のようなものが描かれていて、
      甘酸っぱいけれど面白かったよなぁ、と思うのでした。
      2024/04/04
  • 仏教とサイバーパンクを合わせた野心的な物語。
    ただ、少しストーリーが難しく、物語を理解するのが大変。

    現代風にアレンジしてあえて、80年代レトロな未来SFとして映画かすると面白いのでは。

  • SFマンガの傑作。
    読んでおいて間違いなし!

  • @aufraeumen

  • 佐藤史生の聖と俗の対比のさせ方、主人公たちが俗の側につくところ、その俗の側につく理由がいい。善悪の描き方に信用がおける作家。

  • 1999年、愚鈍な人工知能が神社由来の妖力に影響されて天才児になり、善と悪の衝突による輪廻の展開にまきこまれるという"実現しなかった未来". 

  • 導入のひと見開き目のテクストでもう心わしづかみにされちゃったい。
    ストーリーとは直接関係ないけれど、
    「知性とは何ぞ?」を見せつけられた気がします。
    登場人物たちが誰も彼も知能高く、ウィットに富んだやりとりがエキサイティング!
    終始ゾクゾクさせられっぱなしでした。
    ラストの素っ気なさすらも快感に感じてしまう。これぞSF、でしょうか。

    「生きる意志と目的を持った成長するエネルギー」このフレーズがお気に入り。
    それって、それこそ、「人間」、なんじゃないかなあ。

  • アートマンとコンピュータ。
    テーマがいいですね。

  • 続編はさほど好きじゃないんですが(トキオがあんまりにも人間じゃなくって……!)意識を持ってしまうAIコンピューター「マニアック」とか、インドの神々と修羅の戦いとか、好きなものがてんこ盛り。SFというのはやっぱりビジュアルに展開されるとぐっと来る!

全14件中 1 - 10件を表示

佐藤史生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
内田 善美
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×