夢の碑: 夢の碑☆(いしぶみ)☆ 1 (1) (小学館文庫 きA 11 夢の碑 1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912213

作品紹介・あらすじ

古今東西幻想綺談、夢の碑シリーズ第一弾。

昔むかしこの世には、鬼や精霊、妖魔変化ら人外異形のものどもが、闇から現れ闇に消え、ひっそり暮らしていたそうな。人と交わり人に恋し、争うこともあったという。…とある数奇な物語、京の遊女紫子と安芸の大名佐伯碧生の身代わり劇。兄に代わりて武将となった紫子は、織田、毛利の軍勢に立ち向かい、鬼の血をひく異能者風吹と天に昇って消えたという…。 古今東西幻想綺譚「夢の碑」ここに始まる。

感想・レビュー・書評

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  • (2018-12-25L)

  • なかなかツボをついてくる作品だった…!この人のもっと読みたい。

  • 時代は元々の平安から少し下って近世(?)に。「異聞」とあるようにストーリーも変わっていてまた別の世界になっている。

  • 部屋の模様替えをしたら視界に入るようになった本棚からチョイスして再読。異能を持つ風吹と生き別れた双子の兄に成り変わった紫子の物語がメイン。他に短編が二話収録。短編の「君を待つ九十九夜」の旧家の箱入娘と成り上がり御曹子カップリングが結構好きだったのを読みながら思い出したよ。

  • 男とも女ともつかない美女・紫子と人外のびきんぐあの血を引き不思議な能力を持つ風吹は京の遊女屋で恋人となる。しかし姿を消してしまった紫子に仕官先として潜入した佐伯で再会。彼女は体の弱い国主・緑生の入れ替わりを勤めていた。なんとか生き延びてきた小国は今、内部からも外部の織田や毛利からも狙われていた。毛利の舞鶴姫輿入れを目前に緑生が身罷ってしまったことから紫子は風吹と共に戦いに巻き込まれていく。

    平安のとりかえばや物語が戦国を舞台にし、変わった女・紫子と鬼という不思議な存在の風吹によって全く違った物語になり、そこに生きる人々が生き生きと描かれとても面白かった。
    桜を食う鬼と鎌倉時代に生きた盗賊のお話も妖しく、白衣の狂気が際立ちなんとも形容しがたい印象的なお話だった。
    大正時代の周子と深草の百夜通いを下敷きにした話はコミカルで楽しかった。
    この作家さん、ちゃんと読んだことなかったけど他の話も読んでみたいな。

  • 平安古典「とりかへばや物語」をベースにした作品。
    コミカルな明るさを最初に感じるが、読み進めていく内にキャラクターの薄暗い感情を丁寧にすくい上げるシリアスな面がどんどん出てきて、その匙加減がよい。
    華やかさの裏にある恐ろしさをさらりと描けるのはすごいことだと思う。

  • 紫子

  • 久しぶりの再読。戦国時代の身代わり劇に人外異形が絡むラブロマンファンタジー。時を超えて、わたしが「乙女」に戻れる一冊。

  • 自分内で木原ブーム。とりかえばや異聞はともかく女が!!オスカル!!(笑)ラストは壮絶かつ、木原先生らしいコミカルな顛末(どんなや)。夢の碑シリーズは残酷な結末が多いのだけど、この作品だけは読後が爽やか〜。

  • 戦国の世、遊女屋に預けられていた紫子は客として来た風吹と恋仲になるが、生まれた時に生き別れた双子の兄が病弱と知り、回復するまでの一時的な策として入れ替わって武将を演じることに。毛利家の娘の輿入れを機に、兄・碧生と紫子は入れ替わりをやめ、それぞれ元の姿に戻ったかと思ったその時、碧生が急死。佐伯家存続のため、ここから本当の入れ替わりが始まった。果たして佐伯家は、紫子の運命は、そして紫子と風吹の恋の行方は?!平安古典「とりかへばや物語」をベースにしたユニークな作品。

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著者プロフィール

木原敏江

1948年(昭和23年)、東京生まれ。1969年「別冊マーガレット」に掲載された『こっち向いてママ!』でデビュー。77年、旧制高等学校に通うふたりの少年を描いた『摩利と新吾』を発表する。この作品は、その後7年間にわたって描き継がれ、明治末から大正、昭和と、三つの時代を舞台に展開する一大大河ロマンに結実した。84年『桜の森の桜の闇』『とりかえばや異聞』の発表で始まった連作「夢の碑」シリーズも、97年まで執筆が続いた大作。85年、同シリーズにより第30回小学館漫画賞を受賞。『アンジェリク』『大江山花伝』『紫子―ゆかりこ―』は宝塚歌劇団で舞台化された。そのほかの作品に『どうしたのデイジー?』『エメラルドの海賊』『銀河荘なの!』『天まであがれ!』『杖と翼』などがある。

「2021年 『ワイド版 マンガ日本の古典28 雨月物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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