ポーの一族 (1) (小学館文庫)

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著者 : 萩尾望都
  • 小学館 (1998年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912510

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ポーの一族 (1) (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • あまりに好きな作品なので、むやみに読み返さないようにしている(…うーん、我ながらヘンなファン心理だなあ)。でもまあ、四十年ぶりの新作を拝んだあとなのだからして許されるだろう(誰に?)と久しぶりに再読。あっという間に物語に連れ去られてしまう。

    今さら言うのもなんだけど、語り方の妙にしびれる。第一話でメリーベルは死んでしまう。エドガーは生きる意味の失われた世界で、永遠に生きる宿命を負う。こんな始まりをいったいどうやったら考えられるのだろう。物語は、中篇短篇とりまぜて、時間を行き来して提示されるが、エドガーの心はメリーベルの死の時点に縫い止められているようだ。

    この文庫版第一巻で世評の高いのは、何と言っても「グレンスミスの日記」で、いや実に抜群の完成度だと思う。複数の漫画家の方が「読んで打ちのめされた」と語っていたが、さもありなん。たった24ページのなかに、人の一生がありありと立ち現れ、この世に生きることの切なさが惻々と胸に迫ってくる。ポー全話のなかでベストかも(いやそんなこと決められないんだけどさ)。

    この次の「すきとおった銀の髪」も好きな作品。大きな流れにからんでくるわけではない小品だけど、そのさりげなさがいい。エドガーとメリーベルは、年をとることなく長い長い時間を生きるのだという実感が胸にしみ通ってくるようだ。こうしたごく短い作品があってこそのポーの世界だなあと、あらためて思った。

  • 大学生の時、哲学の先生が萩尾望都の愛読者であったらしく――学生にも読みやすい“哲学の入門書”的な位置づけで紹介された。
    その頃にも既に古い漫画ではあったが、萩尾望都の作品は、読むほどに味わい深く、ひたひたと心に染み渡ってゆく。
    耽美とファンタジーとミステリーとホラーの融合する――人間の時間から切り離されたバンパイアの悲しみと苦しみ、そのバンパイアへの憧憬と畏怖を描いた傑作。

  • 自分自身の中ではベスト1。これを超える漫画は現れそうもない。

  • 誰にも知られてはいけない、あってはならない存在。
    それは、ただただ耽美な閉じられた世界で。
    他者に畏怖と憧憬を同時に感じさせる、危険で孤独な生き物であった。
    時の流れから取り残された彼らは、痛みを抱えてもなお生きていくしかない。
    「リデル森の中」の彼らを思う成長したリデルや「一週間」の女の子たちと遊ぶ無邪気なアランが切ない。
    人間と絶対的な壁があるバンパネラは、ずっと一緒にはいられない。
    その一時が儚く胸に残る。

  • 少女マンガの超王道。ここまで有名作品だと説明しづらい…。
    永遠を生きるヴァンパネラ一族の若いエドガー、妹のメリーベルへの慕情、死ぬものへの眼差し、共に長い時を生きる友人アラン。
    すべてのコマが美しく叙情的。

    ラストでの疑問。
    エドガーとアランが火に包まれて終わるけれど、私は何の疑問もなく二人とも死んだのだと思っていた。しかし友人は「アランは死んだだろうけど、エドガーは生きている!」と断言。そうだとするとエドガーは一人でまだ旅を続けてるのだろうか。それはそれで寂しいような、でも希望があるような。

  • 「一週間」でマザーグースを歌うアランを聞きたくて、ドラマCDも買ってしまいました……。歌が入ってなくて泣きました。。
    「一週間」はアランがかわいくって(特に最後!)好きですが、全編を通して一番好きなのが「はるかな国の花や小鳥」です。200年も生きた少年エドガーは見た目とは真逆に大人びた気質。そんな彼がエルゼリの前では少年らしい顔を見せますが、それは彼女に喪った人を想い続ける自分を見ているからなのでしょうね。話中のモノローグが夢のように美しくてむなしくなります。

  • たくさんの時代を行ったり来たりして物語は進むのですが、細かい伏線もしっかり回収されていてすごい……。エドガーやアラン、メリーベルの抱える孤独が深くてせつない気持ちになる。

  • この漫画に少年役で出れるくらい美しくなりたいのですが。

    サラッと通して読んだだけで、キャラクターの関係性抜けている事もありますが、それでも年代を変えて話が繋がっていたりする所はゾワゾワくる。

    トーマの心臓も読もう。11人居るはすごーく好き。

  • ジョジョと並ぶ私のお気に入りの漫画はコレ。
    インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアだってきっとこれを
    ベースにしたに違いない。イギリスの少し物憂げな空気や初夏の
    さわやかな光、長い長い歴史の中を生きる彼らの息遣いを深く感じる。
    オーストラリアにまで持ってきた、大事な作品です。

  • 萩尾作品の中でも一番思いいれのある「ポーの一族」、何度も再読したが、今回は前回の再読から10年もたっている。実家に残してきた単行本が見つからず、とうとうブックオフで文庫版を買ってしまった。いや、しまった、もっと絵が大きく見える版にすればよかった、と思ったが、ないよりはマシ。

    読み始めたら懐かしくて止まらない。ああ、そうだった、リデルもいた。グレン・スミスとその子孫の話もいい。しばらくはエドガーとアランが夢に出て来そうだ。

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