完全犯罪フェアリー (小学館文庫 はA 20)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912602

感想・レビュー・書評

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  • 甲斐よしひろの楽曲を元に、ミュージカルとして描かれる斬新なミステリー。過去に一度だけさらっと読んで以来だったが、今回じっくり読んでみて、意外になかなか濃くギラギラした作品だと感じた。何がギラギラかって、80年代後半の華やかな空気感。登場人物の強い上昇志向。それらが激しく眩く、萩尾さんの大胆で目をみはる画面構成も相まって、まさにミュージカルを観ているかのようだった。
    甲斐バンドの曲は数曲しか知らなかった私。登場する曲を知らなくてもストーリーを追い歌詞を読むだけでも十分楽しめるのだが、どうせなら知った方がより深く作品世界に浸れるかなと思い…登場する楽曲から何曲かDLしたりお試しで流したりしながら読んでみた。いやぁ…場面と歌がリンクして、当然だけど倍楽しめる!そして今更ですが甲斐バンド、かっこよいですね!巻末の萩尾望都×甲斐よしひろ対談も非常に読みごたえがありました。特に、2000年の対談。表現者としてのそれぞれのスタンス、そして互いの仕事へのリスペクトが感じられ、ミュージシャンだからこその視点での萩尾さんへのツッコミ、さすがです。「壊すこと平気ですもんね」いい言葉。

  • 「トーマの心臓」の完成度を思わせる作品。萩尾先生のストーリーの絶妙さは脇役キャラの活用にあると思う。「トーマの心臓」で、盗癖の少年の役どころには思わず唸らされた。
    今回それを思い出させたのは、犯人の恋人の使い方。実際のシナリオは舞台がオリジナルかもだけど、萩尾先生の作品はやはりミステリーとしての面白さが際立つ!

  • 初めて読んだときにはイマイチだったが、再度読み込んでみたら、はまった。

著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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