異国の花守 (小学館文庫 はC 3)

著者 : 波津彬子

• 小学館 (2001年9月18日発売)

作品紹介・あらすじ

茶道教授の大伯母の家で行儀見習いをしている雛子。古風な造りの庭には一本の椿の木があり、大伯母の家は代々この椿の花守なのだそうだ。やがて椿の木の下での英国人との出会いが、雛子に椿の精霊の夢をみせて…。

感想・レビュー・書評

[つこさんの感想 · 2021年4月24日]

椿の花木を守りながら異国で暮らす。
街中に精霊が宿るような古木がある家があるというのがいいな、と思った。

[文庫“青い猫”さんの感想 · 2011年12月19日]

いいですねぇ～異国の青年が入ることによって、和の雰囲気がより際立ち…。椿の精霊が花守として選ぶのに国境はないしね。もちろん、波津さんらしい、ほんのり控えめな恋物語も奥ゆかし。（笑）
（作家）自身が金沢出身で、華道が趣味ということも分かるような気がします。

[ししぼんさんの感想 · 2011年12月24日]

大学の研究室を辞め、故郷の金沢へ戻った雛子はお茶の先生をやっている大好きな大叔母の家に遊びに行き、庭の椿の下で日本通のイギリス人・アレックスに出会う。
四季の移ろいや椿の花の精に見守られながら、ゆっくり実る恋。

しっとりしつつ、等身大の女性と金沢の古風な伝統が美しい、日本的だけれど西洋的でもある不思議な雰囲気の物語。

[海と青硝子さんの感想 · 2022年10月14日]

金沢には若い頃一度だけ行ったことがあります。初夏の爽やかな時期でした。目に映る美しい金沢の四季、目には見えない椿の精の眼差し。また金沢を訪れたい、ちょっと長逗留してみたいと思います。

[やくのさんの感想 · 2009年11月29日]

波津先生、ホントに日本文化に深い造詣を持っていらっしゃるんだなと思う作品です。
着物姿が美しい。
椿の精や主人公、それを取り巻くロマンスがたまりません。

[はづきさんの感想 · 2007年12月9日]

アレックスがとても素敵です。
消え逝く日本の美が愛しくなります。

[aiさんの感想 · 2007年9月4日]

ソノラマコミック文庫版

[hanakさんの感想 · 2007年1月27日]

波津作品は大体読んでいると思いますが、たぶんこれが一番好き。

[こさとさんの感想 · 2007年1月8日]

再読。
この作者の作品は好き。古きよき日本の風情。
大おばちゃん、憧れます。
なんでこのブグログ表紙ないの！？

著者プロフィール

（はつ・あきこ）1959年、石川県生まれ、在住。81年、「波の挽歌」でデビュー。著書に『雨柳堂夢咄』『幻想綺帖』『女神さまと私』『レディ シノワズリ』『ふるぎぬや紋様帳』『お嬢様のお気に入り』、「うるわしの英国」シリーズ、「波津彬子選集」シリーズ（『鏡花夢幻』『牡丹灯籠』『燕雀庵夜咄』『秋霖の忌』）など多数。画業40周年を越えてなお、少女漫画界の第一線にて作品を発表し続けている。

「2021年 『幻妖能楽集』 で使われていた紹介文から引用しています。」