- Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091913845
作品紹介・あらすじ
時空を飛べる正体不明のアズにいちゃん。おかげでマヒコの日常は怨霊少女と対決したり源平合戦を見物したりと大騒動。
感想・レビュー・書評
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マヒコと不思議な能力を持つアズ兄ちゃんとの何とも不思議な日常は、コメディ、ホラー、SF…様々な要素が詰め込まれまくって目まぐるしい展開。読み始めはそのノリに正直面食らうが、徐々に慣れてくる。
白眉は、三話目「あぶない壇ノ浦」。今回の購入の目的は、この話が読みたかったから!マヒコが源頼朝・義経兄弟の時代にタイムスリップするのだが、個人的に義経が大好きなので、マヒコら未来人目線のナビもいい感じに作用し、とても興味深く読んだ。萩尾先生が描く日本史の人物というのも新鮮であった。頼朝、義経の悲哀がそれぞれに辛い…。この話を読み終えた時点で、もう満足!と思っていたのだが…
最終話の「あぶない未来少年」、これまた萩尾望都の真骨頂というべきSFで、最ッッ高に読み応えあった!手に取ったのが今でよかったな。実は、スラップスティック感強すぎる気がして長年手が出なかったのだ。リアルタイムだったら、当時の自分は理解しきれなかったかもしれないし。
そして、この後に発表されたいくつもの萩尾作品の片鱗を感じさせられたから。このエピはあれに繋がるな…と探しながら読むのも楽しい。また、この人物は過去作のあのキャラに似てるなと思いながら読むのも楽しい。とにかく「盛り盛り」な本作品、その盛り盛り部分を楽しめるかどうかで好みが分かれそうな気はするが、読めば読むほど味わい深い。
愛が溢れまくってる森博嗣さんの解説も読み応えありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神社の北側にある真比古の家に、次々と異変が! しかも安曇兄ちゃんが変! この作品は、オカルト? SF? ファンタジー? 歴史もの? ジャンルはわけ分からないけれど、真比古の一本気、兄ちゃんのふざけてる反面の頼もしさ、律子ちゃんの大らかさ、どのキャラも愛すべき人たちですね。
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マヒコと変わり者のアズにいちゃんのシリーズ。
これ好きだなー!
怨霊が出たかと思いきや頼朝と義経の時代物観戦、未来人までやってくるというこのバラエティ。良い。 -
「面白ぇぇぇーーーー・・・」と読んでる途中に呟いた本。実話。
この話、あらすじを言うともうネタバレなのであらすじは割愛で。
とにかくアズちゃんとマヒコがかわいい。こういう設定に弱い。
一緒に暮らしたたった三年が、数千年の決意を揺らがせるなんてなあ。
アズちゃんは正体がわかっても「お兄ちゃん」で、そこがものすごく読んでいて安心できるところです。
マヒコはひょいひょい色んなとこに飛び込んで行っちゃう男の子で、でもアズちゃんがついていてくれれば大丈夫だろ、と思える。
これも短編集かと思って、最初の「あぶないアズにいちゃん」を読み終わってこのキャラここで終わりか、勿体ないなあと思って次の話を読み始めた時の嬉しい驚きといったらないぜ。
一冊まるまるアズちゃんとマヒコが楽しめるよ!
それぞれ、「あぶない壇の浦」と「あぶない未来少年」は短編として見てもものすごく完成度が高い。
「あぶない壇の浦」は、タイトルからわかるように源氏を扱ってます。
『頼朝と義経はなぜ兄弟なのに決別してしまったの?』という、日本史好きの人にとっては永遠のテーマ。
私も義経派ですが(東北出身だからなのかな)、義経という人物が歴史から浮いてしまう、というのはとてもわかる。ドロドロした時代だもんな。
ラストシーンは泣けました。頼朝の孤独・・・か・・・・せつねっ
あとマヒコがひょいひょい鎌倉時代に行っちゃうからってドアをとりつけるアズちゃんかわいい。謎の技術すぎる。
義経のことばっかしって拗ねるアズちゃんかわいい。
どんだけキャラ萌えしてるんだって話だろ。馬鹿か。
「あぶない未来少年」は設定がものすごくいい。未来から来た少年ジーンは人類が滅びるカタストロフィを止めにやってきたという。
彼の世界には、彼を除いてはすべてロボットしかいなかったからだ。
しかし未来から彼を連れ戻しにきたロボットによって、ジーンはその世界が何のために作られたものかを教えられ、行く先を選択する。
切なさと希望が同時に溢れてくるような、このラストはまさに秀逸。ジーンとミイがアダムとイブになって、未来の地球がエデンになるのか。すごいぜ。
読んだ後気持ちいいほど面白かった!って言えること間違いなしの一冊。
できればずっと読んでいたかったなあ。読み終わりたくなかったなあ。 -
義経と頼朝の違いの描き方がうますぎる、良質でワクワクする、やっぱりこの人は面白い
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両親を事故で亡くした平羅坂真比古(ひらさか・まひこ)と兄の安曇(あずみ)は、二人で暮らしています。ところが、彼らの暮らす家に奇妙な出来事が起こるようになり、神社の神主である坂上という老人から、その家の下に宇宙からやってきた隕石が埋まっていることが語られます。やがて、マヒコの目の前に女の幽霊がすがたを現わすようになり、さらにアズミの意外な正体までもが明らかになっていきます。
ほかに、マヒコが源頼朝と義経のきょうだいをめぐる歴史的事件の場面にタイム・スリップする話や、未来からやってきたジーンという少年を拾う話などが収録されています。
著者の作品は、緊密なストーリー構成をもつものが多いのですが、本作は前編を通して一貫したテーマがあるわけではなく、コミカルな作風になっています。 -
宝塚のポーの一族観てきまして。
やはり萩尾望都はすげーや、と思い、これまでトーマとポーと、初期短編しか読んだことなかったので、図書館で借りてきました。
後期の絵ってあまり好きでない・・・と思っていたのですが、1994年でこれはすごいや、やはり。
後書きの森博嗣の言っていることは、大体全部正しい。
静姉さんが面白かったです。あとジーンとミイの最後のコマがとても美しい。
それと思ったのですが、RDGの姫神の感覚に似ているなあ、と。エヒメもそうですが、2度目の未来とか・・・、やはり全ての始まりは萩尾望都だったか、と勝手に思うのでした。 -
アズ兄ちゃんにふりまわされっぱなし
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2012年9月1日
2013年4月27日 再読