恋愛的瞬間 (1) (小学館文庫)

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著者 : 吉野朔実
  • 小学館 (2002年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091913944

恋愛的瞬間 (1) (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 恋愛クリニックを舞台にした短編集。
    女性作家の短編は、ラディカルで切れ味鋭くて好きだ。(意外に男性作家の短編の方が割り切れない話が多い気がする。そしてそれもまたそれで好きだ)

    ”先生、私保母に戻ることにしました。
    たぶん私はずっと問題から逃げてばかりいたんです。
    それでその逃げ回っている弱さが、追いかけたいと思っている人たちを引き寄せてしまうのじゃないでしょうか?
    私、あの時誰があの手紙を書いてもおかしくないと思いました。
    誰もが書きそうで、誰も信じられなかった。
    私は犯人を捜すより、信頼できる人間を決めなければなりませんでした。
    他人を信頼するためには、自分を信頼できなければいけないのだと知りました。
    そうしてはじめて私は、他人(ひと)を愛することが出来るでしょう。”

  • <うーん すばらしい…! 思った以上の歯ごたえ!!> 男の子になりながら、女の子になりながら、ヒトの深層心理を大胆にめくり上げてゆく。絵も可愛らしい。第4話「大胆不敵な男」の、舞台劇のような構成が面白かった。

  • 「人は幸福になる義務がある。」

    これは、とてもいい言葉だ。

    森依のいう「恋愛的瞬間」というのは、今ひとつよくわからないけど、恋愛そのものではなくて、その刹那、刹那に幸福感があるというのなら、なんとなく理解できる気がします。

    結局、人が納得する形が「しあわせ」ではなくて、自分が(または自分たちが)、納得する瞬間が「しあわせ」なわけです。

    好きな話は、「螺旋の中に住む」です。
    誘拐された女の子の話。実は、わたしのとっては、この話の救いの部分は、付け足しにすぎないのかもしれません。
    でも、それでも、物語の終わった後も、こんな風に、物語が続いていったら、幸福かも。

    含蓄があるなぁと思ったのは、「恋をしたことがない」かなぁ。

  • これ、すごく好き。見透かされそう。どんな感情も執着もある意味恋愛的瞬間なのかなぁ。

  • 自分の感情を自分で分析できる。
    でも、それだけでは解決できなくて、
    他の人に分析して、そのうえで存在を認めてもらわないと
    どーにもこーにも、わだかまりって消えないのが人の感情というもの。

    心理学って奥深いよなー

  • これまた好きなのに、☆の数はあがらない不思議。
    最初の恋愛的瞬間、いつか酷い目にあえるよ、運命を踏みつけにする、そういった部分が鮮やか。

  • 作家買いしてしまう人がリストにまた一人加わった。

  • 吉野朔実さんの本に出会って世界の見え方が変わるというのを初めて経験した。

  • 短編(一話完結?)を描かせれば
    多分この方の右に出る人はいないんじゃないかと思う程
    一話ずつがきれいにまとまっている上に
    全体を通せば、ちゃんと1つのストーリーになってる……
    なんてスゲー作家さんなんだろうと
    何度読んでも溜息が出ます。
    精神世界を掘り下げる手法は、この作品で完成を見た印象。

  • こころに残った言葉

    しかし 失恋自体が不幸であるとは限りません 不幸とは むしろ その処理の仕方にある
    失恋を失恋として 痛みを痛みとして 
    結果を 事件を それはただひたすら 受け入れることしかないことに 納得できない時
    不幸は始まるのです

    恋をしたことがない それは恥ずかしいことですか?
    恋をするのが当然だと思い込んでいませんか?
    しなくたっていいんですよ 人が言うほど当たり前じゃないんだから
    でなけばTVや映画に あれほど恋愛物が多いはずがない
    運命の恋人に会った者に 他人の物語は必要が無いんです
    本当に恋をしている者も 本物の恋人を持っている者も 人が言うほど多くはない
    大多数は いるはずだ 好きなはずだと 思い込んでいるんです
    それでも他人とつき合うことはできるし 結婚は出来るし子供も出来るんです
    そう 至福ではないにしろ 幸福です 本質的事実に気づかなければなおよろしい
    しかし あなたのように はずやつもりでは 人とつき合えない人間は
    むしろ至福を得る可能性が高い 欠乏感が強い方が 必要なものを得やすいというのが理屈です

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