残酷な神が支配する (1) (小学館文庫 はA 31)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091916112

感想・レビュー・書評

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  • 大体明るい気分の時に読む物ではない。落ち込んでいてどうしても浮上できない時に、じゃあとことんまで落ち込んでやろうじゃないの!と思って私は読みます。すると止まらない。辛すぎて途中でやめることができない。最後まで読まないと……そして辿り着いた崖に、すっとした光のような、救いのような物があって、また落ち込んだ時に読むことになるのです。犠牲と救いの話と思う。

  • 読むのにヘビー。

  • 再読

  • 往年の別コミ辺りの男色趣味(&ヨーロッパポエム趣味)と正面からガッツリ向き合い、そのテーマを学問的成果も踏まえて極限まで進化させたらこうなった、というところか。

    母親の再婚相手から性的虐待を受ける美少年ジェルミを軸に話が進む。

    虐待が持つ愛と凶暴の二面性、虐待される側の底知れぬ恐怖と、それにも関わらず義父が死んだ後に頭をもたげる喪失感、知った/知らない・理解/不理解の間に横たわる深淵、親の因果が子に報い…という虐待の連鎖など、人間心理の闇、歪みに深く鋭く迫る物語になっている。

    だが、全編を一気読みしていると、義父が死に、ジェルミが義兄イアンと関係を持つ中盤辺りからお話がよくわからなくなって来る。(ギャグ的なやりとりもやや増えてくるし)

    イアンが「これではいかん」と「これでいいんだ」の間を果てしなく(しつこく)揺れ動くのもまた人間心理の闇である、と言われればその通りだけど、前半の真っ暗闇のフェイズを過ぎ、筆もやや怠くなって来たことだし、結局美少年愛を果てしなく描くのが愉しくなっちゃった、というようにも思われる。

    読後夢でうなされるほど凄い話だが、基本的な動機は往年の別コミからさほど進化していないのかも知れない。

  • イアンが顔も性格も良さそう。サンドラの弱さ、騙される やすさ、依存などに苛立ちを感じた。彼女を失った上グレッグから虐待されるジェルミが気の毒だった。今後の展開も気になるので続きを読みたい。

  • 辛くて泣きそうになった。

  • ・義父からの性的暴力的虐待。
    ・無垢なるものは犯され続けるしかないのだよ。
    ・救いも癒しもなく延々続くセラピー的会話。
    ・彼らはセックスや肌でわかりあうなどというイージーな終着点には収まらない。
    ・とことん会話によって愛と支配について考える。
    ・周囲に変奏曲的な人物たちも配置される。
    ・果たして母は……という懊悩が一番のポイントに。
    ・サクリファイスという概念。
    ・「漂流」という発想の勝利。
    ・母との対峙のシーンの凄まじさ。

  • 萩尾先生の短編ばかり読んできて、10巻も続く長編を読んだのはこれが初めてでした。
    グレッグサイテー!ですが、これをきっかけにおじさまが好きになりました。
    20年後、ジェルミとイアンはどんなふうに崖にいるのか、見てみたいです。

  • 愛である

  • 学生の時読んで衝撃を受けました。
    読み終わった後、一週間くらい作品の世界から抜け出せずに暗い気持ちになってました;今でも気持ちに余裕のある時じゃないと読み返せないです。色々考えてしまって感想も上手く言えないんですが、でも絶対に手放せない大切な本です。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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