きりひと讚歌 (1) (小学館文庫 てA 1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920010

作品紹介・あらすじ

原因不明の奇病「モンモウ病」をめぐる、陰謀と復讐の物語

▼第1話/六十六号室▼第2話/袋小路▼第3話/前駆症状▼第4話/陥没▼第5話/ゴルゴダの丘 ●登場人物/小山内桐人(M大医学部付属病院医師・モンモウ病の研究を行っていたが、師である竜ケ浦の企みにより、自らモンモウ病にかかってしまい、世界各地をさまよう運命となる)、竜ケ浦(M大医学部付属病院第一内科医長・医師会の会長を目指し、モンモウ病を利用して業績を上げようと画策する)、占部(M大医学部付属病院医師・桐人とは古くからの仲だが、桐人・いずみと竜ケ浦の板挟みになって苦悩する)、いずみ(桐人の婚約者) ●あらすじ/人間がだんだんと、犬か狸のような姿へと変わり果ててしまう不治の病「モンモウ病」。M大医学部付属病院では、内科医長の竜ケ浦を中心にモンモウ病の研究が行なわれている。しかしその内部では、モンモウ病についての意見が対立しており、伝染病説を説く竜ケ浦は、風土病説を唱える桐人を疎ましく思っていた。そこで竜ケ浦は、どす黒い企みを胸に、モンモウ病の論文をまとめ終わった桐人に、その患者が多数発生している犬神沢村へ発つよう勧める(第1話)。▼桐人がやってきた犬神沢村は、深い雪に閉ざされた片田舎であり、住民もまた閉鎖的である。彼は着いた翌日から早速調査を始め、町外れの「あかずの小屋」でモンモウ病患者を発見する。その患者は、なんと前日に村から彼へあてがわれた「たづ」という娘の父親だった。彼の診察を済ませ、桐人はふもとの町に薬を買いに出るが、その途中で1人の男に襲われる。桐人の一挙一動は、住民たちによって全て監視されており、彼を陥れようとする計画が影で進行していたのだ!(第2話)。 ●本巻の特徴/第1巻では、犬神沢村でモンモウ病に冒されてしまった桐人の放浪の物語と竜ケ浦の医師会会長を目指す企み、そして桐人を失ったいずみに強引に迫る占部の姿が描かれる。 ●その他の登場キャラクター/たづ(犬神沢村の娘。桐人が村にいる間、彼の妻となる:第2、3、4話)、万大人(台湾の大富豪。自分の屋敷で、異常な残酷ショーを日夜繰り広げさせている:第4、5話)、ヘレン・フリーズ(修道女で、モンモウ病患者。占部にともなって来日する:第5、7話)、麗花(「人間テンプラ」を得意とする奇術師。万大人のもとで桐人と出会う:第6話)

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに手塚治虫のマンガを読んだ。
    医学博士でもある手塚治虫にしか書けないようなマンガである。
    まず、ストーリーが面白い。自己の利益のために他人を利用する老害たち。若者にも打算や嫉妬はもちろんある。しかし、老害たちの狡猾さに比べれば、若者は医者としての正義感と理性に突き動かされている。
    本作の根底にあるのはキリスト教だ。主人公の桐人はキリストから取っている。
    手塚治虫の『ブッダ』を以前読んだ。仏教に対する造詣が特段に深いという印象は持たなかった。またブッダの画が仏像的で違和感を持った。
    本作は『ブッダ』の前なのか後なのかは知らない。
    しかし、人間の業を手塚治虫が得意な医学の世界で描いた本作の方が成功しているように思う。
    あとがきは養老孟司氏。このあとがきがまた深い。

  • それでも。だからこそ。

  • 全三巻。医者モノですが、ブラックジャックとは全く違います。

  • 2021年2月14日、全3巻読了。

    全く内容を知らずに読んだ。
    この内容でこの短さにまとめるのはすごいなあと思った。大人な部分は小学生くらいだったらピンと来ないかもしれないけど、そこはわからなくても大丈夫かな。
    思ったより大人向けの漫画だったので読みやすく、考えさせられた。手塚治虫先生は医師でもあることを考えると、余計。

  • 金魚のウンコのように 大名行列 白い巨塔 つまるところ一種のホルモン失調か? 先祖返り おさない小山内桐人きりひと 阿波 徳島県 迷惑千万 陰惨 因習に縛られて 検閲 アナクロニズムも甚だしい場所 万難を排して南アフリカ連邦ヨハネスバーグ 手向けたむけ 無知蒙昧な ゴルゴタの丘 酒池肉林の宴 めす牝 おす牡 老婆心 台北 高雄 人間以下なら何をやったって天下御免さ 養老孟司 荒唐無稽 現実を照射するように 寄贈 キリストの名を踏んでいる しゅうどうに修道尼 モンモウ病 占部うらべ 竜ヶ浦 特異な風土病 微粒元素による中毒 医療ヒューマニズム 典型的に古典的なもの あからさまに既成の年配者を自分が否定していることに、手塚治虫自身は気づいていたのであろうか 全共闘運動を引き起こした精神構造と連動していることは明らかであろう 患者は個人性と資料性の両面を持つ

  • 第1巻。面白い。
    巻末のエッセイは,2巻以降の内容に触れているので,全巻読み終わってから読んだ方がよい。エッセイの内容もピンぼけしている。

  • 医師でもあった手塚治虫ならではの作品。

  • 生きるとはどういうことか問いかけられる本。

  • 薬害エイズ訴訟を予言するかのような作品。いや、この手の腐敗構造は昔からあったのだろうな、きっと・・・。

  • 全3巻

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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