- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091920058
感想・レビュー・書評
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手塚治虫生誕80周年で映画化されたアレの原作。
原作の結城は随分と愛に生きる人なんだなぁと思いつつ、なんというか情に厚かった。
手塚治虫だから展開が強引なのはともかく、そこにいたる吸引力が他より弱い。
「○○する」「せねば」という強い思いが無いせいか。悪に関するイメージだけで書かれている感が少しだけある。
そんな訳で、オチがやや残念ではある。
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手塚治虫という人のすごさを実感した。
70年代、50年近く前の作品だが、古さを感じさせない。
映画も見たい。 -
前半の上司に対するエグい悪事の方が悪党度は高いように思われる。
大風呂敷になりそうな話をまとめた巨匠の手腕はお見事。 -
どんどん残虐さや悪意が表に出てきて、どう終わるんだこれは…と思いながら読み進めていきました。決して後味が良いとは言えないけれど、それもこの作品の魅力の一つだと思います。
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生物化学兵器
毒ガス
政府の隠蔽工作
復讐?
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)?
こんなことが起こってないと言えるか?
まるで311をの感じるのは浅はかすぎるか? -
意外と風刺ものだった。
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個人的に上司の娘の殺し方が訳わからなくてサイコーにツボだったのですがユウキの行動目的がハッキリしてくるとともに話的には徐々に盛り下がったように感じてしまいました。。
しかし他の黒手塚作品も読みたくなりました! -
巻ごとに書くのは面倒なので、2冊分あわせてのレビュー。
手塚治虫がここまでガチに薔薇を書くとは。ちょっと驚いた。
しかも、さりげなく結城の描き方がすごい。
男の色気と、女形の色気と、女の色気と。
シーンによって出てるものが全然違うのにその違いまですごく伝わってくる。
あのかぼちゃパンツな下着なのに。
結城と、賀来と、どっちの視点で読むかでがらっと違って面白い。
そのくせ、二人とも読者の感情移入を完全に拒んでくるからなあ。
それは他の登場人物に関しても同じ。
さまざまな部分で見られる二元論へのアンチテーゼが面白い。
この決着も、まあ、読めたところではあるがこれしかないという気にさせる。
そういえば、MWは一番初めに2chオカルト板の後味が悪いスレで紹介されているのを見たのだけれど、別に私はそんなに悪くはないと思った。というか、最後の1ページ丸々使ったコマがすごく胸に来る。
手塚治虫は絵が下手だという評価を聞くけれど、けっしてそうではない。やっぱり天才だ。作中に出てくるヒロイン達の盲信に結構女同士としていらいら来るのだけど、結局私も結城の夢を応援したくなってるんだからやられてる。 -
映画を観る前に読みたいと思って読破。
なんて表現したらいいかわからない。
救いはない。
でもすごく濃く、すごく重く、すごく黒かった。
それを2冊に収めるのはすごい。