人間交差点(ヒューマンスクランブル) (9) (小学館文庫 ひA 9)

著者 : 矢島正雄 弘兼憲史

• 小学館 (1995年2月17日発売)

作品紹介・あらすじ

愛と憎しみ、喜びと哀しみが織りなす無限の人間ドラマを描く珠玉の名作

▼第1話／風船▼第2話／日々▼第3話／餓鬼（前編）▼第3話／餓鬼（後編）▼第4話／皮▼第5話／背中▼第6話／旗▼第7話／氷の林檎▼第8話／扉▼第9話／雪の革命▼第10話／海岸線 ●あらすじ／正一の家は母子家庭。母親がひとりで切り盛りする自宅の喫茶店には、売れない漫画家の吉岡と八百屋の若旦那がいつもたむろっている。母は日頃、そんなふたりを「人生に失敗した大人」と呼んでいた。だがある日、母親が正一を置いて家を出ていく。学校に警察がやってきて、母は、会社の金を横領した男と一緒だと告げられる。その日、誰もいないはずの喫茶店に帰った正一を、カウンタ-の中から吉岡が迎える。そしてこの日を境に、吉岡と正一との共同生活が始まった（第2話）。▼私立探偵の松本に、代議士から仕事の依頼が入った。最近、娘の様子がおかしいので身辺を調べてほしいという。10日間、娘を尾行した松本は、特に何もなしと代議士に報告するのだったが、9月20日頃、娘がひどくおびえた様子だったという母親の供述が気にかかり、再調査をはじめる（第5話）。▼母親が死んだ。だが、母の死を本当に悼む子供は、兄弟4人の中でひとりとしていない。何故なら母は、おせっかいやきのお調子者で、他人の言いなりに金を貸してしまうため、兄弟が全員働き出しても、いつも家には金がない状態だったからだ。そして月日が経ち、ある日末弟の純に、母の気持ちが痛いほどわかる日が訪れる（第6話）。

感想・レビュー・書評

[PORTAさんの感想 · 2019年5月11日]

『人間なんてものはかろうじて人間をやってるんだ。人間と獣の境なんてのは、薄い皮一枚でへだてられている。人間なんて孤独なものだよ。精神というものだけを支えに生きてるんだ。』

[まなべさんの感想 · 2012年8月16日]

四季を問わず、様々な人間模様が楽しめる。
とくに、冬が舞台の物語で雪が舞ったりすると、情緒あふれる物語が多い。

自分の想いが、なかなか他人に通じない・・・そんな話は、読んでいてもどかしい。

お気に入りは「餓鬼」、「氷の林檎」。