陽だまりの樹〔小学館文庫〕 (4) (小学館文庫 てA 14)

著者 :
  • 小学館
3.53
  • (7)
  • (14)
  • (24)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 166
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920546

作品紹介・あらすじ

動乱の江戸末期、来たるべき近代国家への苦悩と希望を描いた巨編!!

▼第1話/難題▼第2話/使節江戸へ▼第3話/本陣待ち伏せ▼第4話/将軍の一番長い日▼第5話/裏切り者▼第6話/西郷登場▼第7話/巻き添え▼第8話/やけ酒万次郎▼第9話/東京大学事始め ●登場人物/伊武谷万次郎(府中藩士。剣の才能に恵まれている)、手塚良庵(医師・手塚良仙の息子。女好きだが、腕は確か)、手塚良仙(良庵の父で蘭方医。江戸に種痘所を設立する運動をしている) ●あらすじ/ハリスを刺客が襲った事件が発生した。このことに対し将軍は、外国人が江戸に住むのは必ずしもよい結果を生まず、今はまだ自由交易が出来る状態ではないと結論を出した。だがハリスはこの結論を快く思わず、交渉は前進しないまま、年が明けた。正月早々、大老の堀田は、ハリスとの交渉を成功させるべく、公卿たちに金をばらまいた。だがこの作戦は朝廷の反感を買っていたのだった(第7話)。▼ハリスとの交渉を朝廷に承認させようとした大老・堀田の作戦は失敗をしてしまったばかりか、彼は失脚してしまう。このため、堀田の下についていた万次郎もまた、アメリカ使節護衛を解任された。解任後の万次郎は酒をあおる毎日をすごしていた。そこに、万次郎のよき理解者である鉄太郎が現れた(第8話)。 ●本巻の特徴/第3巻では、万次郎が使節護衛の役を降ろされ、世の中は次第に保守化への傾向を強めていく。一方、良仙が運動をしていた種痘所設立の許可が下り、西洋医学にひとすじの光明が見え始めていた。 ●その他の登場キャラクタ-/西郷隆盛(第6話)、アメリカ使節・ハリス(第1~4、7話)、アメリカ使節・ヒュ-スケン(第2、3、5~7話)、おせき(第7話)、勝海舟(第7話)、大老・井伊(第7、8話)、山岡鉄太郎(第8話)、多紀誠斎(第5話)、良庵の妻・おつね(第1、4話)、良庵の母(第1、9話)、万次郎の母(第6、8話)、平助(第3話)、丑久保陶兵衛(第3話)、お品(第3話)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 竜胆の章


    「唐人お吉(その二)」
      ヒュースケン、お吉をハリスに取られたと思い込み他の女性に手を出す。
      ハリスは「娘」として欲しいだけだったのに。
      ヒュースケンは下田でレンガ造りを見て、これは何かと万次郎に聞くが解らず。
      砲台なら問題と…
      お吉は、本格的にヒュースケンに惚れている。

    「韮山紀行」 
      万次郎の上司に当たる井上に、レンガの件を聞くと
    韮山へ行けと。
      そこには韮山反射炉が設置されていた。
      橋本左内とういう人物と出会い、一緒に案内される。
      藤田東湖先生を知るというので一気に打ち解け合う。
      温泉で政府がマズイ。日本がヤバいと言う話。
      老中阿部氏の大計画。それを知る万次郎。
      悩む中、温泉で立ち聞きしていた武士志望の平助と出会う。
      どうにか下田に戻ると父の訃報が待っていた。
      江戸に急ぎとって帰る。

    「千鳥ヶ淵の対決」
      お通夜が終わってすぐに実家につく万次郎。
      死因は良仙と一緒に飲み、川沿いを歩いていて転落。
    引き上げられた時には心臓が止まっていたとの事。
      真実は、良仙の闇討ちを庇ったゆえの転落。
      万次郎にだけ打ち明ける真実。
      初七日が済、良仙に酒を勧められ家へ。
      次々に現れる蘭学者。
      大槻俊斎、戸塚先生、箕作阮甫、大田海洋が集まる。
      万次郎に「阿部様か堀田様に手渡しもらいたい」と陳述書を渡す。
      三日後、万次郎昇格。
      江戸城へ 守山多吉郎 によって呼び出される。
      四月二十日に老中会議に参加し、意見を求められても一言も口を開くなと…
      帰り道平助と会う。父の仇を探しだしたという。
      楠音次郎という浪人だという。
      果し合いに行く途中おせきと会う。途中まで一緒にと誘われるが、断り走り出す。
      千鳥ヶ淵で切り合うも、万次郎お堀に落ちる。
      平助に助けられて、家に戻ると高熱を出して寝込む。

    「万次郎よろめく」
      四月二十日、高熱の中堀田正睦が招集した会議。
      這ってでも登城する万次郎は勝海舟と一緒にお城へ。
      賄賂への使い方を指南する。
      万次郎はフラフラで質問に答えるが、収集がつかない。
      その時、胸元から転げ出た陳述書。気を失う万次郎。
      奥医師の多紀正斎に問い詰められるが、万次郎の上司阿部様から川路正謹の手へ。
      徳川斉昭が万次郎をひどく気にいられてた。
      川路様は勘定奉行。
      多紀は川路の元へ行き賄賂を渡すが、川路ははねのけるが、一応収める。
      川路は万次郎の元を訪れて、陳述書の経緯を聞く。
      箕作阮甫の話やらが出て「時を待て」と。
      そして、川路は万次郎に先程多紀から貰った五百両を万次郎に預ける。
      
    「思われる者」
      万次郎は菓子折りを持って良仙に会いに行く。
      良庵は翌日大槻俊斉に報告。
      妨害を用心して俊斉の家でやる事に。
      万次郎のもとに女性が訪ねてくる。お品。
      どうしても会いたくて、そして手縫いの羽織袴小袖を持って。
      あつらえたようにピッタリな羽織。
      お品は宿に戻っても万次郎のことばかり考えて。
      通行人を万次郎と間違えて声を掛けてしまう。
      一夜を置いてお品は再度万屋に押しかけて、武士の系譜を売ってもらえる人は居ないかと持ちかける。
      お品は牛久保に家系譜を売ってもらう算段になる。
      牛久保はお品に名前を聞く。
      激高した牛久保はお品に手を出す。


    牛久保の逆恨みは実家を捨て、嫁を不幸にした欄学医が許せないだけ。
    それは欄学医全員ではないはずなのになぁ・・・
    お品さんはホントに気の毒。

  • 蜀崎ェュ縲り憶蠎オ縲∵ア滓虻縺ォ蟶ー繧九?ゅワ繝ェ繧ケ縲∝ー?サ崎ャ∬ヲ九r雉懊k縲ゆコ穂シ雁、ァ閠∝ーア莉サ縺ォ莨エ縺?帆螟峨〒荳?コ碁ヮ繧ゅ♀蠖ケ蠕。蜈阪?り憶蠎オ縺ョ螯サ縺ィ荳?コ碁ヮ縺ョ豈阪?蟇セ豈斐′髱「逋ス縺??

  • 良庵結婚。相手がなぁ…自業自得ではあるけど。いつもは軟派な良庵ががむしゃらに仕事をする!万二郎は酒浸り。西郷どーん。

  • 4

  • 2012年1月2日読了
    家定とハリスの会見から、家定の病状が悪化してとうとう奥医師も蘭学者の手を借りようとすることに。
    伊武谷は西郷隆盛と会見しています。いよいよ倒幕に向けて登場人物が揃って来ました。先が気になります。

  • 良庵が…結婚してしまった!なんてことだーしかも嫁さん好きになれないー。上方に行って英語の文献を緒方先生に借りて持って帰ってくるとこ、すごくかっこよかった。ふらふらしてる軟派そうな男がいざ本気になったとき、っていうのは本当にしびれるくらいかっこいい。あの女に良庵は勿体ない!私に下さい…っ
    そして種痘所設立、おめでとうございます。話がグンと進んだ感じ。この先、蘭学医がどのように認められていくのか、見ものです。この種痘所が東大医学部に繋がってるなんてびっくり。

    万次郎サイドはといえば…西郷どん登場。なんだかどんどん豪華になっていくのに、当の万次郎は今回飲んでばっかりっていう(笑)。でもどんな歴史だって個人に立ち戻ってみてみればそんなものだよね。なにがどう転ぶかなんてわかんないよね。万次郎が政治に乗り込んでいく様を見るのが楽しみ。

  • 1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。

    終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手塚治虫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×