- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091920560
作品紹介・あらすじ
動乱の江戸末期、来たるべき近代国家への苦悩と希望を描いた巨編!!
▼第1話/吹きすさぶ嵐▼第2話/咸臨丸▼第3話/万延元年三月▼第4話/丑三つの決闘▼第5話/ヒュースケン帰る▼第6話/ヒュースケン暗殺▼第7話/良仙逝く ●登場人物/伊武谷万次郎(府中藩士であったが、脱藩、浪人の身に。剣の才能に恵まれている)、手塚良庵(医師・手塚良仙の息子。女好きだが、腕は確か)、手塚良仙(良庵の父で、蘭方医) ●あらすじ/ 万次郎がかねてから想いを寄せていたおせきが、突然尼になったという知らせが万次郎の耳に入った。このことが間違いであってほしいと願う万次郎。だがおせきが尼寺に入ったという話は真実であった。理由が全くわからない万次郎は、女の噂に詳しいヒュースケンのもとを訪れる。そこでヒュースケンから恐ろしい事実を聞く。おせきに一目ぼれをしたヒュースケンが、彼女を襲ってしまったのだった……(第6話)。▼患者の手術をしていた良仙と良庵。だが、良仙は手がふるえ、目もくらんでいるため縫合ができず、良庵に変わって欲しいを言い出す。少し休めば直るという良仙であったが、直るどころが逆に倒れてしまう。良仙は脳卒中を起こしていたのであった。良仙が直るまで休業するという良庵に対し、義弟の俊斎は、いまこそ3代目の良仙を名乗るべきだ、と良庵を説得した(第7話) ●本巻の特徴/第6巻で、良庵の父・良仙が死に、良庵は3代目良仙を名乗る決意をする。また、アメリカ使節のヒュースケンが暗殺され、これを受けて世の中はテロリズムが大手を振ってまかり通るようになっていった。 ●その他の登場キャラクター/万次郎の母(第4、6話)、アメリカ使節・ヒュースケン(第4~6話)、アメリカ使節・ハリス(第4~6話)、良庵の妻・おつね(第2話)、おせき(第1、4、5話)、目明かし伝吉(第1、3話)、平助(第3話)、山岡鉄太郎(第4話)、緒方洪庵(第7話)、丑久保陶兵衛(第1、4、6話)、福沢諭吉(第2話)
感想・レビュー・書評
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やるせない巻。命を救った傍から自決する武士を目の前にして、無念さを噛みしめる良庵。説得役に任命された万二郎に降りかかる悲劇。
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6
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2012年1月17日読了。
伊武谷は桜田門外の変を目撃。そんなこんなでやっとおせきさんとの結婚を考えるのですが、ヒュースケンによって二人の恋は引き裂かれることに。というか伊武谷を好きになる女性はみんなひどい目に合ってませんか。気の毒すぎです。
ヒュースケンも悪いやつではないけど、ちょっと同情できないキャラクターになってました。
手塚良庵の方は、お父さんが亡くなって手塚良仙の名を継ぐことに。 -
良庵がせっかく救った磯貝長八郎が、井伊直弼が殺されたのをうけて自害したときの良庵の嘆きがすごく苦しかった。おれがせっかく生命を救ったのに…!って。泣ける。
でもこの巻の一番の衝撃はやはりおせき。目次読んだときに「ヒュースケン暗殺!?ひどい!」と思ったけど、読み進めたら「こいつ殺されても仕方ないわ」と思った。苦笑 おせきさんが本当に気の毒だし、万二郎も可哀相すぎる…!二人とも幸せ目前、時が満ちるのを待っていたのに…。それでもハリスにきちんとお悔やみの言葉を言える万二郎は男だな…と思った。良庵だって、あんな言い方してるけど本当は万二郎にすごく同情してるだろう。いいやっちゃ。
良仙が亡くなった、最後の一こまの良庵にもぐっときたなぁ。良仙を襲名した良庵、この先どう成長するのか…。 -
1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。
終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。