陽だまりの樹 (8) (小学館文庫)

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著者 : 手塚治虫
  • 小学館 (1995年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920584

陽だまりの樹 (8) (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2012年1月28日読了
    良妻賢母だった伊武谷の母がいきなり怖い人に…まあいわくつきの女性だったし、面倒みてるのは全部母親だったので、仕方ないところもあります。しかし最後は恩讐の彼方に親子になります。
    最終巻は伊武谷の話が多いのですが、坂本龍馬に会ったり有名人接触エピソードは創作キャラなんで便利とはいえ、少々安っぽくもありました。しかしその出会いがちゃんと伏線になってるのはさすが。暗黒面が強調された西郷もなかなかいい。
    主役2人は、西郷や緒方洪庵とも接触を持っていたのに、決して歴史の表舞台にたつことはなかった、ヒーローではない一般人としての立ち位置でした。激動の時代に名を残すことのなかった男たち。最後のシーンで霧に消えていく手塚の姿がせつない。そして彼から三代目の子孫が作者手塚治虫なのでした。先祖の物語をほろ苦く描いたというのも、さすがだなと思います。

  • 1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。

    終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。

  • 素晴らしい歴史漫画。人間ドラマ。
    明治に生きた男たちの生き様。万二郎と良仙の友情もいい。大きな時代の流れに翻弄された男たちが生き生きと、今ここに描かれる。
    「歴史にも書かれねえで死んでいったりっぱな人間がゴマンと居るんだ」

  • 登場人物が、生きる、生きる。
    いわゆる敵対者の論理のどちらも、具体的には幕府側と倒幕側のどちらもわかるようになっており、さらに男の生き方も描かれている。
    対照的なふたりの、どちらも迷い、踏み止まり、後悔し、やけくそに決意し、信念に殉じる。
    「馬鹿な男たち」が愛せればこの漫画の勝ちだ。

    また手塚治虫の作品はいろいろに描き分けられているが、本格ストーリーの組み立てが凄まじく巧み。
    「ブラックジャック」のような一話完結、「火の鳥」のような一冊完結の、それぞれ連作形式よりも、本作や「きりひと讃歌」のような作品のほうがすごい。

  • あらゆる意味で手塚氏にしか描けない作品です。
    時代劇物はあまり好きではなかったのですが
    このマンガを読んで、価値観が変わったように思えます。

  • 婚礼直後、綾が万二郎に離縁状渡されたときに初めて声を出した場面。
    良仙が万二郎に線香あげにきた西郷に畳み掛ける場面。
    この二箇所で号泣。

    良仙は最後に素晴らしいことを言ったなぁ。「歴史にも書かれねえで死んでったりっぱな人間がゴマンと居るんだ……そんな人間を土台にした歴史に残る奴など許せねえ。二度とここへ来るなーッ」って。そりゃあ西郷も怯みますよ…。

    素晴らしい漫画でした。時代の流れというものの恐ろしさを感じた。万二郎はものすごく真面目だったし、真っ直ぐだった。少しだけ不器用だっただけで、その不器用さだって責められるほどのものとは思えない。しかしただそれだけの要領の悪さが命取りになるんですね。万二郎のような人間が報われないなんて、日本は間違っている…わたしも良仙と同じく、そう思いました。

  • 手塚治虫氏の作品にはかなり敬服するものが多いのですが、この、『陽だまりの樹』もその一つです。

    ただし、どの歴史作品もそうですが、いろいろな見方があるので、この作品もそういった見方の一つと見ることが重要かと思います。

    いずれにせよお奨めの一つです。

  • 時勢に翻弄された人々のいきざまが物悲しい。万二郎は男が惚れる男です。おすすめ。

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