四次元世界 (小学館文庫 まA 4)

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  • 小学館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920744

感想・レビュー・書評

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  • 虫とSFとミリタリーという感じかな。

  • 松本 零士の初期の作品。
    これ、2巻本として小学館文庫から出ていて、小学校時代に古本市でこの本の2巻だけを購入していました。

    その頃、松本 零士は、わたしにとっては、「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」の松本 零士でした。あと、もうちょっとマニアックなことをいうと、「宇宙海賊キャプテンハーロック」と「1000年女王」と「クイーンエメラルダス」の松本 零士でした。

    つまり、アニメとマンガが、まだ自分のなかで未分化だった時代ですね。

    松本 零士は、その時代、1番色っぽい絵をかくマンガ家さんでした。
    ワープのときに、森 雪が、なぜかヌードになってしまったり、メーテルが意味もなくお風呂に入ったりと……。そのあたりは、強烈な印象を残しています(笑)

    まあ、そのころから、松本 零士は、けっこうアダルトよりの作品を発表していたはずです。
    で、わたしが初めて読んだアダルトな松本 零士が、この「四次元世界」の2巻目だったわけです。

    だから、わたしは基本的にこの本をドキドキしながら、エロ本として読んでいた記憶があります(爆)
    でも、今読むと、それほどではないな……時代というものなんでしょう。きっと、昔の方が、わたしも想像力も、妄想力もあったんだと思います。

    その後、友だちが、同じ松本 零士の「大不倫伝」なんてのを購入したりして、これは手に入らなくてうらやましかったのを覚えています。
    マニアな人間には、マニアな友ですな。

    さて、今回読み返してみた(前半部は、今回が初めてです)、四次元世界ですが、そのエッチな部分以外も、けっこう覚えていて、影響をうけているのを思い知らされました。

    そういえば、今も昔も、わたしの理想の男の中の男は、大山 トチローでした。

    というか、松本 零士、改めて、この時代から、全然かわっていないのだなあ。今にして思うと、わたしが松本 零士のどこに惹かれたのか、惹かれているのかが、とってもよくわかってしまいました。

    前半にたくさんある昆虫ものは、ひたすら好きなものをかいている感じがします。
    今と比べると、コンプレックスがむき出しの作品です。でも、小学生から中学生にかけての思春期のわたしにとっては、容姿の問題とか、そういったコンプレックスは、ものすごく深刻な重要な問題でした。
    そして、今に見ていろという思い。
    まあ、よく考えてみたら、松本 零士のかくキャラクターたちは、なんのかんのといって(最終的にはふられるにせよ)、けっこう女の子に優しくしてもらったり、つきあったりしているので、実は、その頃の私にとっては仲間ではなくだまされていたのですが(笑)

    でも、そのコンプレックスを内にためて、がんばっていくというのは、やっぱりものすごく共感が出来る物語だったのです。

    あと、「古本屋古本堂」の主人公とかは、今でも完璧に自分のことではないかと思ってしまいます。この物語に影響されて、今の自分がではあがっているのかもしれない。

    「枯木霊歌」のドクロが歌う歌は、曲をつけて自分で歌っていました。読んで思い出したら、今でも歌えた!!

    こう思うと、エッチ以外の部分でも(今回、読み返して意外とエッチのシーンが少なかったのは先に書いたとおりですが)、このお話たちが、ものすごく好きだったのがよくわかります。

    次は、幻の「大不倫伝」が読みたいなぁ。

  • 実は、松本零士は短編のほうが向いているのでは無いかと思わせる一冊。松本零士度合いが通常の3割り増しくらいに感じる。

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著者プロフィール

1938年、福岡県生まれ。マンガ家。1953年に「蜜蜂の冒険」でマンガ家デビュー。以来、少女マンガ、動物マンガを経て、少年マンガ、戦場マンガ、SFマンガなど多彩なジャンルの作品を発表する。いまも現役の日本を代表するマンガ家の一人。著者『男おいどん』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』など多数。

「2018年 『零士のメカゾーン 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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