陽だまりの樹 コミック 文庫版 全8巻完結セット (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784091929044

感想・レビュー・書評

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  • 手塚治虫のご先祖様である蘭学医の活躍や幕末の出来事を描いた作品。
    手塚治虫作品の中でも特に漫画的描写がイキイキとしていて面白かった。
    江戸の様子は大河ドラマなどでもよく描かれるので想像しやすいが、大坂の特定の地域の様子が描かれていて勉強になった。

  • 図書館で全巻借りて読む。
    (読み終わったあと、そもそも評判を聞いて以前から読もうと思っていたのは「新撰組」だったことに気づく。またこっちもトライしたい)

    80年代、劇画調の手塚治虫。
    あまり知らない世界なので驚いてしまった。

    いろんな派閥の人がこまかく出てくるけど、基本は伊武谷万次郎という侍と、手塚治虫の曽祖父の手塚良仙の二人を中心に進む。
    徳川慶喜はあまり見ないタイプのデザインで、登場も少ない。
    大鳥圭介は「星のとりで」で知っていたので、ここに出てきて嬉しかった。
    ヒュースケンの逸話、いろいろと胸に迫る。
    創作キャラでは、お紺、お品、そして何より平助のエピソードが印象に残った。
    平助が、敵方である新撰組というか浪士組に参加するときに、亡父のいい着物を持たせてやる万次郎、、、!
    万次郎は不器用なのでヒヤヒヤする。綾さん、よかったね。
    良仙のパートは和めるのでありがたかった。

    最後は彰義隊の上野決戦→函館決戦でここも「合葬」と「星のとりで」を思い出して胸が痛んだ。
    実在キャラでは勝海舟と山岡鉄太郎がいいと思った。

    後半に行くにつれて、どんどん濃くなって面白くなった。
    大作、力作。読めてよかった。

  • 読み返しても終盤、感動してしまうところはあるのだけれど、伊武谷万二郎がテロに傾くところなんかは怖いよね(未遂で済んだけど)。後、伊武谷の顔は「火の鳥 太陽編」の狗犬に似ている(スターシステムではないと思う)。

  • 手塚治虫の幕末長編漫画。蘭方医の手塚良庵(手塚治虫の曾祖父)と、架空の登場人物である府中藩士伊武谷万二郎の二人が、幕末の激しい時代を生きていく様を描く。福沢諭吉や勝海舟、坂本龍馬など実在の人物も多く登場。当時の雰囲気が良く分かる。舞台が小石川、伝通院など良く知った場所なのも嬉しい。

  • Kindle Unlimitedでアマゾンに勧められて30年ぶり再読。手塚治虫のストーリーテラーとしての才能がほとばしる名作。主人公である手塚良仙が、適塾で同級生となる福沢諭吉が何回も登場する。これらのシーンは福翁自伝で福沢が書いているエピソードであることを再発見した。

  • 藤田東湖が地震で死んだってのを地図で見たのが先日の水戸旅だったなあ。漫画の中で藤田東湖の死亡フラグが立ったので、暗殺?と一瞬考えたが、すぐ思い出した。あの、水戸で見た地図を。

  • 2015.5.20
    万次郎は上役や同僚からあれやってくれ、これやってくれと頼まれて、いつも自分にはそんなこと出来ないと言いつつも、一生懸命役割を勤めあげようとする。結果大概はその役割を果たすことが出来て、さらに大きな仕事が・・・。自分ではそんな器じゃないと思っていても、周りの人間が彼なら出来ると思いお願いする。仕事とか出世とかってそういうものだと思いました。
    また、この時代の性の乱れが随分と描かれているけれど、実際のところどうだったんでしょう?

  • jinと被る漢方医と蘭学医の対立
    種痘所開設までの苦労
    川路桜の人

    新撰組につながる清河八郎
    緒方洪庵、勝海舟、福沢諭吉
    ラストのほうでは西郷、坂本龍馬もちらり

    なんかルーズエンドの気もするが、無事読了
    もう少し幸せになる人がいてもいい気がするが・・・
    夜鷹のお紺が印象に残る

  • 幕末の医者の話。読みやすく説教くさくなく、展開は早いのにわかりやすい。ブラックジャック的な面白さではないが、いろんな人の立場に共感でき、歴史物語として秀逸。蘭学医と漢方医との争い=西洋の文化が日本に入ってきて、認めざるを得なくなっていく模様が重なる。
    さらっと書いているけど、ものすごく調べているはず。疱瘡の感染を防ぐため、反感をかいながらも必死になって種痘を広めた医者、そんな人がいたんだなあ(その種痘場はいまは東大医学部)。
    混迷の時期、日本のために懸命に頑張った、名もなきたくさんの人がいた。手塚治虫はそのことを知らせたかったのだと思う。
    地味だけどもっと注目を浴びてほしい作品。

  • 手塚治虫の晩年の本。一応著者の先祖の物語風ではあるが幕末の動きを上手く取り入れて丁寧に書いてある。さすが手塚と思う本。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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