漂流教室 (3) (小学館文庫 うA 13)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091931733

作品紹介・あらすじ

隔絶された地で、死の影と戦いながら懸命に生きる少年たちの愛と勇気!!明日なき人類の行く末を警告する、SFロマン!!

感想・レビュー・書評

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  • 『漂流教室』3巻。

    その前に前巻までで書き忘れた感想。
    ・ものすごく教訓的であること
    『漂流教室』はホラーでバイオレンス描写が多いけれど、根っこの部分はとても教訓的。1972〜4年当時の公害問題から「地球、自然を大切にしよう」というエコロジーなメッセージ。反戦・反核のメッセージ。普段いじめをしている男子が、極限状態の中では弱い子供たちから逆にやり返される。

    ・楳図先生は絵がとても上手い
    アクションシーンなど動きの表現は上手くないと思うけれど、絵そのものはとても上手いと思う。とくに女の子がかわいい。これがのちに効いてくるのだ……。美少女と恐怖の反転。未読だけど『おろち』は……ちょっと違うのか?あらすじだけを読むと筒井さんの『家族八景』と同じカテゴリに入るような。宇多田ヒカルの母・藤圭子さんがモデルだそう。

    3巻の内容。
    ・飢えてる仲田くん再び
    ・怪虫再び
    ・ペ◯ト
    ・ミ◯ラ

    ・怪虫……なぜか仲田くんと関連しているという無茶苦茶な話。しかし、小さいやつはやはり使徒バリエーション(コンピュータウイルスなど)に見えてしまうし、イマジネーションの心の世界も今の私からはエヴァとの共通性を感じてしまう。あと、楳図先生ってシラミ退治にDDTを振りかけられてた世代じゃないかなと思う。『漂流教室』からは楳図先生の、戦中戦後に感じた嫌なことすべてが投影されているように感じる。

    ・ペ◯ト……伏字にしてもしょうがない気もするが。今の我々からすれば切実な恐怖だったはず。

    ・ミ◯ラ……『漂流教室』には話の大きな流れはあるけど、基本的にはSFホラー漫画なので、「読者をいかに怖がらせるか」という表現を次々とぶち込むのみ。

    前回のレビューにて「富野由悠季作品との共通性」を書いたけれど、富野作品もオカルトブームにものすごく影響されている。ついでに言えばヤマトも。因みに『漂流教室』の学校の名前は「大和小学校」。
    ガンダムも元は「十五少年漂流記」で、戦争という極限状態に少年たちを送り込む話。『漂流教室』は戦争ではないけれど、極限状態に送り込んで次々と恐怖体験をさせるという点ではまったく同じ。大人たちに対して子供たちの柔軟性(ガンダムではそれがニュータイプだった)で切り抜ける。

    ほかに、バトルロワイアルもの(デスゲームもの)の要素。『漂流教室』はゲームではないからデスゲームものには分類されないけど、生き残りをかけて争う部分は同じ。

    最後に、大友くんは序盤からずっと好戦的な性格なのが面白い。読み返しても各キャラの性格がブレてないのは、登場人物の設定を楳図先生がある程度きちんと作っていたから??主要キャラとそうでないキャラが最初からわかれているわけではないのに、一貫しているから不思議。

  • こんなのサンデーに載せちゃだめだろ…

  • 会話の最後が必ず「!」で締められる印象があって、テンションが高いままで作品が来てるから、少し緊張感に欠けてしまって子供たちを襲う悲劇は笑えちゃう。まぁそこが魅力なのかもしれないけども。でも全体的に間延びしてる感はあるかも。

  • まさか怪虫が仲田くんの妄想だったとは。
    そして襲いかかるペストという伝染病にどう立ち向かうのかハラハラとした。

  • 「みんな!
     この際はっきり、心の持ち方を決めたいと思う!
     まずぼくたちは、生き抜くということに目的がある!
     たとえ…… もうだめだということが、わかったようなときにも、
     一瞬の可能性でも作り出すんだっ!この手で!」

  • 持ってるのはサンデーコミックス版だけど、とりあえず。

  • 関東などを舞台とした作品です。

  • 言わずと知れた楳図かずお先生の名作。眼を背けたくなるような表現のグロテスクさと、翔ちゃんや咲っぺはじめ子どもたちの勇気や一途な想い、家族の絆など、涙なしには読めない話の数々が同居しています。まあ、それが楳図作品の真骨頂と言えるのでしょうが…。

    さらに、「漂流教室」は、荒廃した未来をテーマに環境問題にも警鐘を鳴らす社会派作品でもあります。うーむ、その奥の深さに脱帽です。

  • 植物に気をつけろ!!

  • 飢えた大人が一番怖い

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著者プロフィール

楳図 かずお(うめず かずお)1936年和歌山県生まれ。55年に貸本漫画家としてデビュー、『週刊少年サンデー』などに作品を発表。ホラー漫画の第一人者。代表作に『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』『14歳』など。ホラー、SF、ギャグ、時代劇まで幅広い。1995年以降、腱鞘炎という理由で漫画は休筆中。タレント活動を行い、2014年には長編ホラー映画『マザー』を初監督・脚本・出演。

「2022年 『こわい本11 猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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