漂流教室 文庫版 コミック 全6巻完結セット (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館 (2011年3月1日発売)
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784091939043

感想・レビュー・書評

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  • 大人はこれまで生きてきた中での常識でしか物事を考えられない、だから常識外の出来事が起こると気が狂ってしまう。みたいな台詞が印象的でした。関谷みたいな大人になりきれない大人が最後の方まで生き残るのも納得した。ところどころツッコミどころも多かったけれど(医者のムスコだからって手術できんやろ!w)いつもまっすぐで真っ白な頭で物事を考える主人公はすごいな〜。色々考えると切ないのですが、未来に希望を残す終わり方で読了後もモヤモヤなしです!

  • 名作だとききながら、食わず嫌いでした。
    面白かった。
    単に面白いだけじゃなく、何だろう、この力強い芯のようなものは。

  • 和歌山が生んだ天才楳図画伯の代表作です。ゴールディングの『蝿の王』と同じテーマです。R指定にして良いレベルのダークっぷりですが、本当に奥が深い物語です。ある小学校が建物ごと地球が滅びた未来に飛ばされ、生き延びるために苦労する話。主人公の母というチートキャラもいますが、それにしてもハラハラドキドキが止まらず、救いのない読了感がへとへとですが、なんかこうメンタルに希望の芽も感じられます。名作。

  • 「漂流教室」。1972-1974年連載。楳図かずお。

    凄味のある漫画でした。脱帽。

    以前から、死ぬまでに一度は読みたい漫画だなあ、と思いながらも。
    なんとなく、怖いんだろうなあ、えぐいんだろうなあ、と思って敬遠していました。

    今回縁があって、とうとう手にとって。

    やはり面白い。

    主人公は小学生男子。
    ある日、地震のような振動と爆音。
    なんと小学校が校庭ごと、異空間に移動してしまった。
    どうやら、ここは超未来の同じ場所らしい。
    核戦争があったのか?何があったのか?
    まわりは恐怖のどんよりした砂漠。
    命の気配、水の存在すらない、死の世界。

    ここに取り残された生徒と先生たちのサバイバル。

    「十五少年漂流記」とか「蝿の王」にも同じような恐怖要素はあったと思うのですが。

    究極の絶望。恐怖。パニック。
    給食室に残された少量の食糧。
    発狂する大人たち。心のダークサイドに落ちて食料を独占して暴力で支配する給食のおじさん。殺し合い。

    生き残った子供たちの中の、派閥争い。。。

    もう、この人間心理のえぐり方が、すごい。

    怖いのは、残酷描写ではなく(それも怖いんだけど)とにかく人間の心理が怖い。怖い。面白い。

    その上それだけではなくて、死の世界かと思いきや、
    何とも不気味で気持ち悪い生物がいて、これがまた子供たちを喰らう...その死闘。
    (あーこの異生物が思い出すだけで気持ち悪くなってくる...)



    コマわりは実に大らかで大味。そのざっくり感がいっそう、中身のナマな感じというか、容赦なく見せつけるその表現のブレない自信が力強い。



    怖いの、きらいなんです(笑)。正直にいって。
    なんだけど、物凄く面白くて、一気読み。

    怖いのだけれども、ちゃんとエンターテイメントの飛行高度を保っているんですね。

    いろいろあるんだけれど、主人公は死なない。

    そして、主人公は決してダークサイドに落ちない。

    そして、主人公は、主人公の母親と、自空間を超えて愛情を伝えあえる。
    (具体的には、なんていうか、テレパシーみたいなことですね。
    こういうのいつも思いますけれど、主人公って得ですよねえ)

    そして、主人公にはなんとなくのヒロイン女子がいて。
    このヒロイン女子と主人公の関係も、心理的には揺るがない。
    (現実には色々苦難に襲われるけれど、気持ちの信頼は変わらない)

    と、いうような要素が、モノスゴク、読み進める上での救いになります。
    (そのあたりが作家の意思なのか、編集サイドが「それだけは頼みますよ」だったのか、は気になるところですが)


    その中心線だけ担保されれば、周辺はもう、しっちゃかめっちゃかでも許す。
    というか、その混濁と残酷と恐怖の表現が無かったら、ただのSF冒険物語にすぎません。
    この漫画が歴史に燦然と輝く?作品であるのは、SF冒険物語に載せて、ひととして社会で生きていく恐怖みたいなぬめっとしたものが、壮絶に個性的な語り口で描かれているからだと思います。(そして、面白いから。鶏と卵の関係ですが。)



    物語の終盤。
    追い詰められた生存者たちは、二派に分かれて殺し合いにまで発展します。
    主人公たちの一派と敵対するボスは、途中までずっと親友だった少年。

    この敵意と憎悪の関係が、最後にはヒロインをめぐる愛の三角関係でもある、という、泥だらけのカタマリがめくれ禿げた下から蓮の花が出現するような怒涛の展開。
    このくだりは、それまでの積み上げた登場人物たちのキャラクターや極限状況の描写と相まって、僕としては実に目が覚めるようなオモシロサでした。パチパチ。

    備忘録として書いておくと、最後に主人公一派だけになっちゃって、そしていろいろあって、この先も生きていけそうな食物を発見して。
    そしていちばん小さな子供だけは、「元の世界」に帰すことが出来た。
    と、いうことで一応の?ハッピーエンド。



    しかし、1972-74年の連載で、連載誌が「少年サンデー」らしいんですよね...

    すごいなあ...よくこんなの載せたなあ...

    それにいちばん、脱帽...

  • ヤバい!面白い!一気読み!そして、感動!!!

  • とっても面白かった!!感動

  • 「漂流教室」梅図かずおが描く未来の日本。未来へと飛ばされてしまった小学生たちは生き残れるのか?!
    http://youyou-bookmovie.blog.so-net.ne.jp/2015-08-04

  • なんとなく映画『CUBE』を思い出した
    想像上の怪物や未来人など脈絡はないが
    どんどん展開するので読まされてしまう
    希望があるようなないような終わり方はすばらしい

    CUBEの人間関係の対立から緊張感を生み出す脚本に
    比べると怪物など外的要素が強かった分
    ハリウッド映画もどきに感じるところもあった
    給食のおじさんとか生徒間での対立なんかは
    おもしろい

  • すごく昔に書かれているのに、この先取り感は何だろう?

    いっぱい人は死ぬし、絵は怖いし、納得いかないところもたくさんあるけれど、学ぶべきことが多いマンガだった。

    戦争をしようとしているどこかの党の人にも読んでいただきたい。人間の縮図がここにある気がする。おそらく何も感じないだろうけれど。

  • 昔のドラゴンヘッド

  • 設定は突飛だけど、起こる事象はいかにもありそうで怖い。
    最も怖いのは人間である。

  • 圧巻。
    世界観も発想も。
    子どもに対する甘やかしは一切なし。それが清々しい。

  • 昭和47年に書かれたのに、今でも通じるのは、普遍的なテーマと、人間の発展による弊害や問題を描いているから。
    翔ちゃんたちの一生懸命に生きようとする姿には胸が熱くなりますが、母の「周りはどうでもいい」と言わんばかりの愛情の狂乱ぶりには引いてしまいました。いや、すごい絆なのですが。
    今でも怪虫の「ザザザ」とか関谷の「バブー」とか、ふとした時に思い出します。

    文庫ではなくコミックスで持っているのは今や貴重なのかもしれませんが、紙が黄ばんできてより怖さ倍増です。
    最終巻に「ねがい」という作品が入っていて、こちらの方が怖ろしかったです。

  • 骨太SFショタコン腐女子も真っ青なサバイバル。

  • 2013年1月18日(金)、再読了。

  • これが昭和47年に発表されたときは凄い衝撃だったろうなと思う。今でこそ教師が人を殺したり、教室(学校)がパニック状態になる物語はゴマンとあるけど、当時はほとんどなかったと思う。
    公害による環境汚染が深刻な時代だったから、そういう状況も反映されているとは思うけど、今読むと原発事故のことを思わずにはいられない。
    子どもたちだけで政治を行うが権力闘争に陥り戦争状態になるというのはゴールディング『蝿の王』によく似ているが、そこに楳図かずお独自のホラーテイストが加味され、結末の素晴らしさも相俟って傑作と呼ぶにふさわしい作品。
    今読んでも新鮮。主人公の少年も単なる英雄的な模範少年ではなく、母恋しさに涙し、時には憎しみもあらわにする。
    父は役立たずだが、変人扱いされようとも息子を助けようとする母の愛にも胸打たれる。

  • 初めて読んだのが確か小5の時、友人宅に遊びに行きたまたま見かけて一気読みした。

    自分はもうすっかり大人になり、今は男の子供ができ、その子が自分が初めて読んだ頃とほぼ同じ小4の時に勧めたところ、夢中になって読了した。
    女性でも楽しめるとは思うが、やはり男の子のための物語。

    楳図かずおの最高傑作ではないかと思っている。
    大人になってからこそ再読すべき良書!

  • すごいとは思うけど、それほどおもしろいとは思わなかった。

  • 母の友人の息子さんが貸してくれた、
    言わずと知れた超絶サバイバル漫画。
    で、既読の人にどのシーンが一番怖かったか訊くと、
    100%「カッターナイフ!!!」という答えが返ってくる。
    もちろん私もです(笑)

  • 前半の大人たちの行動の変化など面白かったが、妄想の怪獣・未来人などがあたりで少し気持ちが離れていった。話はうまくまとまっており、展開もあきさせないのだが、たぶん好みと違うのだろう。

  • 人類は変わり果てた姿に変わった未来に
    教室ごとタイムスリップする話。

    政治、科学、医学、戦争、デマ・・・など
    さまざまな出来事を
    小学生なりに考え、行動を起こす。

    絶望感からのわずかな希望で
    生きる喜びをかみしめられる。

    昔ながらに環境問題を取り入れた
    何度読んでも色あせないマンガ。

  • トラウマを作りたい人におすすめです。

    怖いコワイこわい。

  • 漂流教室めちゃくちゃ面白かった!!!
    こんなに面白い漫画久々というか,ジャンル的には初めてかもしれない.

    うめずかずおってめちゃくちゃ頭いい人だったんだね.
    今まで食わず嫌いしてたのを心底反省する.本当に読んでびっくりした.
    こんなもの書ける人が世の中にいるとは…
    死ぬほど色々本当に考えさせられた.

    これはもう教科書にすべき名作だと思う!

    当分何読んでも軽くて物足りなくなりそうだ.

  • 40年前くらいの漫画ですね。
    小さい頃、誰かの家で読ませてもらってものすごく
    のめり込みました。 でも、途中で家に帰らねばならなくて
    泣く泣く途中で明らめ、それ以来ずっと気になっておりました。

    で、ツタヤのレンタルブックコーナーで発見したので
    40年ぶりくらいに読み終わることが出来ました。♪~(´ε` )

    絵は、まことちゃんの楳図さんの劇画タッチ。
    怖くないシーンでも怖い顔しているところがすごい!

    でも、流石に古い漫画なので、セリフがくさいシーンが
    かなり多いです。 巨人の星風とでもいうのでしょうか?

    それでも読ませるところがすごいんですけどね。

  • 怖がって敬遠していたが、ずっと気にはかかっていた漫画。ふとしたきっかけで漸く手にとり、一気に読破。前知識ゼロで読んだのも良かったのか、想像以上に素晴らしかった・・・!単なる恐怖漫画ではまったくなかった。極限状態、恐怖と希望、その中での個々人の振る舞い、社会化のあり方、観念的な異性への好意や嫉妬、大人の限界と子供たちの潜在力、怒涛のように次から次へと降りかかってくる恐ろしい怪物や危機的状況に唖然、ただただ圧倒されるばかりでした。

  • 言わずと知れた楳図かずお先生の名作。眼を背けたくなるような表現のグロテスクさと、翔ちゃんや咲っぺはじめ子どもたちの勇気や一途な想い、家族の絆など、涙なしには読めない話の数々が同居しています。まあ、それが楳図作品の真骨頂と言えるのでしょうが…。

    さらに、「漂流教室」は、荒廃した未来をテーマに環境問題にも警鐘を鳴らす社会派作品でもあります。うーむ、その奥の深さに脱帽です。

  • 濃い内容だった、まさかここまでダークとは思わず気軽に読み始めたけど一気読みはすごく疲れた。小学生にここまでできないだろう!って突っ込みどころ満載なのと、それに相反する子どもっぽい発想と、わりと納得できるタイムスリップのからくりが好き。よく作りこんであるなあ。子ども向けの漫画じゃないなあ。

  • 大震災のあったこの時期には不謹慎かもしれないが、非常に面白い。
    SFとかトンデモ話も組み合わされてるし、やはり古臭いのは否めないけどもいいものはいつになってもいい。
    現実がここまで酷くならなくて良かったと切に思う。
    自分が知らないだけかもしれないけど。。。

  • 関東などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

楳図 かずお(うめず かずお)1936年和歌山県生まれ。55年に貸本漫画家としてデビュー、『週刊少年サンデー』などに作品を発表。ホラー漫画の第一人者。代表作に『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』『14歳』など。ホラー、SF、ギャグ、時代劇まで幅広い。1995年以降、腱鞘炎という理由で漫画は休筆中。タレント活動を行い、2014年には長編ホラー映画『マザー』を初監督・脚本・出演。

「2022年 『こわい本11 猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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