- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091940360
作品紹介・あらすじ
●あらすじ●日本一のストーリーテラー藤子・F・不二雄先生の珠玉の短篇集。ある日、地球に飛来したUFOは人類を攻撃し、一方的な殺りくを繰り広げた。そして、三か月あまり間に人類のほとんどを絶滅しつくしていた。シンイチとカオリは『秘島ツアー』でたまたま難をのがれ、ツアーに参加したほかの人々といっしょに絶海の孤島にかくれ住んでいた。しかし、一年後、その島にもUFOが出現し、謎の生物が人間を虐殺し始めた。シンイチはつかまってしまったカオリを救出するため、UFOに向かうが、そこでシンイチが見たものは身の毛もよだつ光景だった。はたして、カオリは無事なのか!? (『絶滅の島』より)ほか八話収録。▼第1話/ポストの中の明日▼第2話/おれ、夕子▼第3話/流血鬼▼第4話/ふたりぼっち▼第5話/宇宙からのおとし玉▼第6話/アン子 大いに怒る▼第7話/絶滅の島▼第8話/山寺グラフィティ▼第9話/世界名作童話
感想・レビュー・書評
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すべてが最高でした。怖くて良い。全編、雰囲気がガラッと違う、F先生 偉大なり。
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■少年SF短編集2 絶滅の島(全9話)
ポストの中の明日
おれ、夕子 ★
流血鬼 ★世界観反転。
ふたりぼっち ★別れ。
宇宙からのおとし玉
アン子 大いに怒る ★キュート!→エスパー魔美へ。
絶滅の島 ★残虐→コント的。
山寺グラフィティ ★抒情。
世界名作童話 なんとジャイアンが。 -
【流血鬼】1978年週刊少年サンデー52号
吸血鬼のようになる感染症が大流行し、主人公が洞窟に隠れて吸血鬼と戦う。
現在、アメリカでゾンビと戦うドラマが何シーズンにも渡って放送されているそうですが、それを思い起こさせるシチュエーション。
というか、新型コロナ感染症が流行中の現在にも当てはまりそう。
最後は「新しい生活様式」を思わせる結末。
【ふたりぼっち】1979年週刊少年サンデー1月25日増刊号
自分の部屋にパラレルワールドへの抜け穴が開いた!
自分そっくりの少年と出会い、行き来する。
しかしパラレルワールドの違いは大きくなり、抜け道も小さくなっていく。
二人の心境や境遇も違いが大きくなっていき……。
これは興味深いテーマです。
もし自分の部屋にパラレルワールドの抜け道が開くとどうなるか、考えてみるのも面白いことです。
そういえば私は小学校の図書室で『屋根裏の遠い旅』(那須正幹)という本を読んだことあります。
その後の人生でももし自分が戦争中のパラレルワールドに迷い込んだら……と何度も思わされることになったトラウマ作品です。
http://sfkid.seesaa.net/article/475803592.html -
人智を超えた力というものは、いつだって、畏怖の対象である。それゆえに魅力的で、惹かれて病まない憧れの対象である。
それが時に禁忌になったり、愉快なものになったりするから、ものすごく不思議である。ひとの理解を超えるというのはいったいどういうことなのだろうか。なぜそれを人智を超えた何かだと感じる事が出来るのだろうか。案外、そういうものは自分の身近にいつも存在しているのかもしれない。それは果たして単なる空想に過ぎないのか。そういうものはどこかに捨てて生きていかないといけないのか。
吸血鬼やチキューケナシザル、パラレルワールドのもうひとりの自分。想像の翼はどこまでも飛んで行けてしまう。今生きているというこの事実はなんて不思議なのだろうか。これはものすごいことなのだ。
藤子・F・不二雄の作品は、そういう不思議で笑わせにかかってくる。未知なるもの、どこかに忘れてきてしまった疑問、そういうものに出会った時の喜びをいつも忘れずに描き続けてくれる。 -
表題作の「絶滅の島」では、今まで迷信でヤモリを絶滅させてきた人間が宇宙人の迷信で絶滅寸前まで追い込まれるという、シリアスなギャグ…というか皮肉な作品。
もうひとつ個人的に好きな作品が「流血鬼」。
世界中に広がった吸血鬼と戦っていたもののいざ自分が吸血鬼になってしまうと実はそっちのほうが幸福であったという顛末。
他にもワクワクするような藤子先生のSF(すこし・ふしぎ)ワールドに唸らせられることまちがいなし -
「おれ、夕子」に泣かされ、「流血鬼」で震え、「絶滅の島」で考え込む。
全く古さを感じさせない。凄い。 -
小学校低学年のころに買って、
中学生のころにようやく意味がわかってきた作品たち。
いまでもたまに読みたくなります。 -
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