七夕の国 (1) (小学館文庫 いK 1)

著者 :
  • 小学館 (2011年12月15日発売)
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本棚登録 : 196
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091961174

感想・レビュー・書評

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  • 民俗学的な要素があるものが好きだと言ったら友人が勧めてくれた作品。

    丸神の里にしか伝わらない能力、手が届くものと窓の外が見えるもの。
    村の人間は能力(手が届くもの)を怖れているけれど、南丸は有効に使えないかと思案する。能力を持っていたとしても、あくまで道具であると言い切れる南丸とそうではない人々。植え付けられた畏怖は多くの大人達の中にこびりついている。本人達はそのコミュニティが如何に狭いかに気が付かない。

    この村にいなくたって、誰だって狭い世界で、何かに囚われながら生きているのかもしれない。でも中にいるとそれに気づきにくい。南丸は見方を変えなさい、もっと広く世界を捉えなさい、と言う。

    りんごの国だと、主人公は続く連鎖を止めようと必死になる訳だけど、こっちは受け入れて利用しようとするアプローチの違いが良い。

    村の人は結局失われた丸神山をすぐに元に戻して、祭りも行うエンドがかなり好き。そう簡単になかったことにはならないもんね。

    力を使い続けたときの、【神のようなもの】に近づいていくデザインが好き。力を使わないと印が消えていくのはうーん、って感じだったけどまあ細かいことはいっか。

  • 面白い

  • やはり岩明均は面白い。
    特にテンポが自分の感覚に合う漫画家だと思う。

  • 主人公が全然!主人公らしくないのがいい。
    最初に読み始めた時、(え、これが主人公?)と本気で思ってしまったほど。

    何の役にも立たなそうな超能力を持った主人公が、ひょんなことから不思議な村と関わることになり、実は主人公自身がその村と同じ血筋であること、そしてその超能力の謎を知る。

    これだけを見るとひどく非現実的な話です。
    まぁ話の核心はもっと非現実的です(笑)

    それでも不思議とリアリティを無くさないのは、主人公が主人公らしくないからだと思います。
    ホント、どこにでもいるような人なんです(やるときゃやるんですけどね。)

    最終話の主人公。
    「………世界中のことテレビでざっと見て、わかった気になったって!そんなのウソだぜ!………」
    と、やたら長ったらしい台詞があるのですが、作者の叫びがまさにこの数ページに集約されている!

    題材になっている超能力とかの非現実的なものって、現代人が漠然と抱える"何か"を具現化したものなのかなって感じました。
    将来への不安とか閉塞感とか。そんなマイナスな"何か"。

    SFとかミステリとか民俗学とか、そういう系統が好きな方は特にオススメ。

  • とある"世界"からのアクセスを題材にした、ハレの物語。
    寄生獣の終盤を引き継いだかのような殺伐さと、どこかのほほんとした主人公の対比が興味深い。

    淡々としみこんでくるかのように綴られる、歴史とSFの融合が面白く読めました。

  • 岩明均の作品の中で一番好きかも。

  • ヒストリエの続巻が待ちきれず岩明作品を渇望していたところ思いがけず文庫版が。予備知識なく読み始めたがグイグイ引き込まれる。これも続巻が楽しみ。独特のグロ描写は 昔からなのね。

著者プロフィール

1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。

「2004年 『雪の峠・剣の舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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