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- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091971951
感想・レビュー・書評
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萩尾望都さんのSF作品を読むたび、
このひとの頭の中には、いったいいくつの銀河が存在してるんだろう。。。
アイデアがふくらみすぎて、いつか頭がにゅ~んと伸びたりしませんように!
と、感動のあまり心配になってしまいます。
70年代から90年までのSFの名作10篇を集めた本なのですが
なんといっても、冒頭の『A-A’』、『4/4カトルカース』、
『X+Y』の3篇が素晴らしくて。
地球を離れ、別の恒星系での惑星開発がどんどん進められる未来。
宇宙航行のために開発されたという遺伝変異種の一角獣種。
髪にひとすじ赤いたてがみが混ざっているだけで、姿かたちは人間そのものなのに
感情表現が極端に下手で、誤解を受けてばかりの彼女たち。
その不器用さが愛おしい。
何かのきっかけで突然感情のスイッチが入ったとき、
とめどなく溢れ出てくる想いは、まるで幼子のように純粋で。
種としてひたすら都合よく使い捨てられてきた彼女たちに胸が痛む中、
能力ばかりか性別まで操作されたタクトが、一角獣種の哀しみを知るモリの
おおらかな愛情に包まれる最終話『X+Y』に、ほっとします。
10篇のうち、幸せな結末を迎える物語は数えるほどしかないのだけれど、
『X+Y』のモリが金の凧でタクトに向かって飛んできたように
萩尾望都さんのSF作品の中に生きる人たちは
哀しみを孕んだ翼で、未来に向かって必死に羽ばたいているところが
どうしようもなく素敵なのです。
教えていただきありがとうございま...
教えていただきありがとうございました★。
20年~40年(!)も前の作品なのに、ぜんぜん古さを感じさせなくて
さすが萩尾望都さん!と感動しました。
最初の...
20年~40年(!)も前の作品なのに、ぜんぜん古さを感じさせなくて
さすが萩尾望都さん!と感動しました。
最初の3作に出てくる一角獣種が、泣きたくなるほどいとおしくて
心に残る短編集でした♪