ぼくは満員電車で原爆を浴びた: 11歳の少年が生きぬいたヒロシマ

  • 小学館
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092271661

作品紹介・あらすじ

伝えたい少年原爆体験記。11歳のヒロシマ

広島に原爆が落とされたのは、1945年8月6日でした。11歳の米澤鐡志さんは、爆心から750メートルの電車内で母親と一緒に被爆します。母親は9月に亡くなり、母乳を飲んでいた1歳の妹は10月に亡くなります。
この本は、米澤少年の目で見た、8月6日その日のことと、その後何が起こったか、という記録です。

ブラウスが突然発火して、体が焼け始める女性、皮膚が布地のように垂れ下がって、幽霊のように見えた人たち、防火水槽に飛び込んで亡くなっている赤ちゃんを抱いた女性、川を流れていくたくさんの死体。
11歳の少年が見た光景を、読者も知ることになります。

「どんなにつらい記憶でも、知らないよりは知ったほうがいいと私は思います。本書は読むのも苦しい内容ですが、きっと未来のための知恵を与えてくれるでしょう」(京都大学原子炉実験所 小出裕章さんによる「はじめに」より)。

原爆や核についてお子さんと考えるとき、最適の1冊です。

【編集担当からのおすすめ情報】
米澤さんは「語り部」として、被爆体験講話を全国各地で行っています。爆心地1キロ以内での体験の迫力に、米澤さんの「語り」を聞いた人たちは、誰かに伝えなくては、という思いにかられてしまうのだそうです。

これまでたくさんあった、本にまとめる誘いをすべて断ってこられましたが、
2011年3月の東日本大震災での福島原発の事故と、ふるさとを追われた福島の人々を見て、考えが変わり、広島を体験して生き残った自分の役割として、体験を本の形に残して、これからも多くの人に読んでもらいたい、と思ったのだそうです。

そのころ、この本の文章を担当した由井りょう子さんとの出会いがありました。由井さんは、米澤さんの話を聞き「本にまとめましょう」という提案をします。米澤さんは、本のために追加取材を受けることを決めました。

この本は、これまで米澤さんの「語り」を聞いたことのある人にとっては、「やっと本になった」という待ちに待った本、はじめて接する人にとっては「こんなすさまじい体験を小学校5年生がしたのか」と驚きとともに知るヒロシマの現実、という本でしょう。
米澤さんは、被爆一世の語り部として、最年少です。
小学校4年生以上で習う漢字にはふりがなをふりました。
すべての方にとって、原爆被爆の実際を知るために、おすすめです。

米澤さんの被爆講話申し込み先
http://www.geocities.jp/hankaku1945/

感想・レビュー・書評

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  • 子どもと一緒にゆっくり読んだ。私の祖母たちからはほとんど聞くことができなかったので、こんなふうに読むことができて、本当にありがたいことだと思う。

  • 一度は読んでほしい本どす。

  • 児童向けの本でしたが、貴重な内容でした。子どもと一緒に読みたいと思いました。

  • 原爆物の中ではかなり描写がしっかりしていると思った。
    子供向けではあるものの残酷な描写もしっかり残されていて、他の原爆小説より印象に残る

  • 後世に残すべき体験談。

  • 悲惨。子供に読みやすい文体で書かれているので、大人はさらっと読める。人間にとって大事なことを思い出したり、考えたりできる本。何かに息が詰まりそうなとき、読み返したい。

  • 電車内被曝をしたその日見た地獄絵図。爆心地に近いところに居合わせたが奇跡的にも生き残ったぼく。戦 原爆投下の瞬間に何も言えずに知らずに亡くなった人がたくさんいる。その人たちのためにも生き残ったぼくはあの体験を語り継がねばならない。辛く悲惨な出来事も知れば未来をよりよくするかもしれない。米澤さんの想いに頭が下がります。二度と原爆なんか使っちゃいけない。だからこそ、語り部と呼ばれる方は必要ですね。

  • 爆心地から程近い場所で被爆し、奇跡的に生き残った少年の話。当事者しか語りえない凄惨な被爆体験は悲しい現実を教えてくれました。戦後70年を過ぎた今、戦禍を直接知る人は少なくなっています。
    子どもにはまだ早い、でもいつか読んで欲しい一冊でした。

    • ムロオさん
      2022.3.19
      当時6歳だった子と戦争についてお話ししました。この本は2018年図書館で借りたと記憶しています。一緒に読もうと思い、ネッ...
      2022.3.19
      当時6歳だった子と戦争についてお話ししました。この本は2018年図書館で借りたと記憶しています。一緒に読もうと思い、ネットで購入しました。
      2022/03/19
  • 後世に伝えなければいけない本。
    胸がえぐられるような表現の本でした。
    体験なさった方にしかわからない 伝えられない真実。

    絶対に風化させてはいけないと思いました。

  • 2024.4/8

    小学生になった娘にいつか読ませたい。

  • とても読みやすいし、振り仮名がふってあるので、小学生にも原爆についての教科書になる。

  • 11歳の時、爆心地付近で被爆し、奇跡的に生き残った方の語りから作られた本。原爆の恐ろしさを直に経験した方の言葉を聞ける時間はあとわずか。原爆の悲劇を繰り返してほしくない。そんな思いで作られた本だと思う。子供も読めるよう書かれています。次の世代となる子どもたちに読んでほしい。

  • 「ぼくの経験した八月六日は、決してぼくだけの特別な経験ではなくて、多くの無名の市民が絵に描いたり、文章に書いたりしていることがわかりました。それがまた、ぼくの見た光景と変わらないのです。共通する悲しさや苦しさがたくさんあるのです。生き残ったぼくは、あの日、広島で体験したことを語り続けなければならない、そして、本にして残しておき、これから先も多くの人に読んでもらいたいと思ったのです。(「あとがき」より)」

    「広島に原爆が落とされたのは、1945年8月6日でした。11歳の米澤鐡志さんは、爆心から750メートルの電車内で母親と一緒に被爆します。母親は9月に亡くなり、母乳を飲んでいた1歳の妹は10月に亡くなります。
    この本は、米澤少年の目で見た、8月6日その日のことと、その後何が起こったか、という記録です。」

  • カバー・本文画/浅野隆広
    装丁・ブックデザイン/城所潤

  • 原爆投下直後の様子を生々しく書かれていました。被曝の恐ろしさがとても伝わりました。子供たちにも読んでもらいたい本です。

  • 米澤鐡志さんは1945年8月6日、11歳のときに広島で被爆しました。
    当時、米澤さんはお母さんと妹、弟たちと疎開先で暮らしていました。この日は、広島の家へ生活に必要な荷物を取りに行くため、朝早くお母さんとふたりで出かけたのです。原爆が投下された時、米澤さんとお母さんは電車の中にいました。
    米澤さんは長い間、語り部としての活動を続けてきました。これまで、書籍化の誘いを断ってきた米澤さんだでしたが、東日本大震災での福島第一原発の事故をきっかけに、自身の体験を本に残すことを決めたそうです。この本には、少しでも大きの人に「核」と「戦争」について考えるきっかけにしてほしいという願いをこめられています。

  • 2020.09.30

  • 8/6は広島平和記念日
    11歳で被爆した米澤鐡志さんが、8月6日の体験、そしてその後何が起こったかを語ります。

  • 爆心地に近い場所で被爆したにも関わらず、今も死なずに生きている「奇跡」。
    その目で目撃したものを、講演会記録だけではなく書籍にしようと後押ししたのは、3.11の福島第一原発の事故だったという。それで、冒頭の紹介文を書いているのは、原発の研究者である小出裕章氏。

    この中で特筆しておきたいのは、仲の良かった友達として、朝鮮人についての記述があること。原爆を語る書籍で、広島に朝鮮人が多く暮らしていたこと、その子どもたちと仲が良かったのに、他の日本人の子どもたちと違い、疎開ができなかったことなどに言及したものは、そう多くない。その視点は貴重で、重要。

  • 父と同い年の著者。

  • 児童書ではあるが私自身が読みたいと感じ、また子供がもう少し大きくなったら読ませてやりたいとの思いから購入。

    内容としては、子供にも読み易い文章で当時の状況がとても詳細に語られている。
    私の母が被爆しており私自身も被爆2世なのだが、母の体験談については母が自発的に話した内容についてしか息子である私も知らない。
    この世のものとは思えない様な辛い体験であった事は想像に難くないため、たとえ親子であっても聞きにくいものである。
    (実際に本の内容に類似した話も聞いた)
    そういった意味では、この本は資料的価値もとても高いと思う。

  • 一度は読んでみる価値あり、です。

  • 原爆投下時、爆心から1キロメートル以内にいて生き残った人は10人以下だったのではないか、と言われているなか、
    爆心から750メートルの所にいた作者。
    広島電鉄の鋼鉄の電車の中にいて`電車内被爆者`だった。
    それでも母や妹などが亡くなるなか、生き残ることができた作者が語る、原爆投下〜被爆体験。


    大きめの文字で、小学生でも読みやすいように語りかけてくれる本。

  • 震災を受けて本が出されたというところを読んで、原爆のこと、原発のことを結びつけているところが際立った。作者の強い想いを感じる。

  •  米澤さんは、爆心地から750メートルのところで被爆。母親と電車に乗っていた時のことだった。その当時、米澤さんは11歳。同じ電車に乗っていて、助かったのはわずか数人。米澤さんのお母さんも、翌月亡くなった。

  • リアルな体験談。そのときのことがリアルに伝わってきました。
    こんなことは二度とあってはいけないとしみじみ思いました。

  • 児童書。当時の米沢さんと同じ11歳の娘に与えました。
    原爆というものもまだよく分かっていなかった娘に、被爆体験は衝撃的だったようですが、「核のない社会にしたい」と強く思えたようです。
    福島原発事故のことも触れられているので、原発についても本を読んでから娘と一緒に調べたり教えたりしました。その良い機会にもなりました。

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