小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団

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著者 : 瀬名秀明
制作 : 藤子・F・不二雄 
  • 小学館 (2011年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092897267

小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団の感想・レビュー・書評

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  • リメイク映画「新・のび太と鉄人兵団」の公開に合わせての
    企画本なのでしょうが、その企画の結果、こんな素晴らしい
    作品が読めた事がまず嬉しいです。瀬名秀明というSF作家が
    自分の看板を背負いつつも、その看板以上のドラえもんに対する
    愛で書き上げた名作と言えると思います。
    ドラえもんを通して教わった事、学んだ事、感じた事を
    作者のフィルターを通してしっかりとその意思が伝わってきます。

    人生で最初のSF体験作品であるドラえもんという良質な作品を
    SF作家が本当に上手く、小説化しつつ、原作では前面に表れにくい
    のび太達、少年少女の心の葛藤も本当に素敵な描写で書かれており、
    途中、何度も何度も何度も何度も...涙を流しそうになってしまった。
    作中最初のクライマックスの決戦前夜ののび太達の描写は秀逸。
    彼等に対するドラえもんを今作ではあくまでも、サポート役に
    徹したスタンスで書かれたのも凄く上手いのだと思います。

    色んな事を彼等とドラえもんから教わったはずの大人が読んでこそ
    意味のある作品だと...いう気がします。懐かしいなーだけではない、
    あの頃に感じた「正しさ」が身体の中を駆け巡って来る...と信じたい。

  • 「しずちゃん」

    この単語を目にした瞬間、疑念や迷いはすべて吹飛び、希望と期待で胸が膨らみました。
    黒歴史だ、とかネタだ、とか何でこの人が、とか色眼鏡かけて読んでしまって本当にすいません。
    この人は、瀬名秀明は、ドラえもんの良さを本当に理解している。

    ドラえもんの傑作映画「のび太と鉄人兵団」のノベライズ版です。
    基本ストーリーは原作&旧映画とほぼ同じです。
    いくらかのアレンジや、瀬名秀明さんだから書けた秘密道具への科学的考察、さらにまさかの”あの人”が登場したりと、”加筆”はありますが、”修正”はありません。

    しかし、その”加筆”部分が半端ない。
    ドラえもんの世界観を全く破綻させないうえに、のび太・ジャイアンたちの魅力を活かしまくっているのです。
    しかも瀬名さん、コミックから映画までドラえもんを相当に読み込んでます。
    要所要所のちょっとした引用で、原作・映画のシーンを差し込んできて、いい感じに味つけているのです。
    ほんとこの人、ドラえもん大好きなんだな。

    いうならば「最高の同人誌」。
    同人誌ってファンでなければ楽しめないでしょうけど、あいにく日本人の大多数はドラえもんのファンなのです。
    文学性とか子ども向けとか細かいことはいいから、リニューアル映画観に行く前に本作読んでみればいいと思うよ!

  • 北極で巨大ロボットのパーツを拾ったのび太。ドラえもんと共に巨大ロボット・ザンダクロスを組み立てるが、それは恐るべき破壊力を秘めた兵器であった。謎の少女・リルルと出逢ったのび太は、人間を奴隷にすると言う機械社会の星・メカトピアの恐ろしい野望を知ってしまう。地球侵略の危機に、大人は誰も取り合わない。ぼくたちがやるしかない! ―ー鏡面世界と言う閉ざされた孤独の世界。対峙するは幾万のロボットたち、鉄人兵団。世界の命運は、のび太、ドラえもん、ジャイアン、スネ夫の四人に、そして、傷付いたリルルを介抱するしずかに託された! 大長編ドラえもん屈指の名作を、自身も大ファンのSF作家・瀬名秀明氏が新たに紡ぎだす。ドラファンは勿論、全ての人が唸ること間違いなしの大傑作。

    もう!もう!もう!文句なしの☆5です。もともと自分がドラえもんオタク(軽度の)なのも大きいのですが、やはり瀬名氏のドラ愛溢れる文章と構成と小ネタの詰め込みぶりに読めば読むほど幸せが溢れてきてたまらなかったです。
    とにかく、この愛の溢れっぷりはもう二次創作か!?ってくらい。いやまあノベライズだから確かに「二次」創作の一つだとは思うけど、あっでもノベライズとはちょっと違うんだな、あくまで“小説版”だし。でもでも私が言うのは作品が好き過ぎて自分も何か作りたい! っていう同人活動的な二次創作のことで、これは多分公式の二次創作って感じだと思うのです。そもそもキャスト変更以降からのドラえもん自体がドラファンが結集してめちゃくちゃいいものを作ってる、公式による二次創作って感じがすごくするので、瀬名氏のこれもその一つでそして最高峰のものだと思います。(特にリメイクもの全般がそう言えます。勿論オリジナルもいいと思う!といっても新作はひみつ道具博物館しかまだ見たことないんだよね…汗) 恐竜や宇宙開拓史、大魔境など他の大長編のエピソードなども引用しているのでその辺もニヤッとできます。
    また、ドラえもんも立派なSF作品の一つなんだなと思わせる道具の解説のところも本作の特色かも。鏡面世界でいきなりx軸y軸z軸の専門的な話とか出てきてびびったw ほか何故ドラえもんは慌てていると四次元ポケットから関係ないものを出してしまうのかと言う解説や(多分瀬名氏の考察? すごく納得したw)翻訳コンニャクを作ったのは日本人だろうと言う考察やいろいろ盛りだくさんなのですが、一つ面白かったのは、「のび太たちがいなくなった世界はパラレルワールドになってしまってそのまま残り続ける」と言う考察。なかったことにされるけど、のび太の両親が心配した時間は何らかの形で残るのではないか、っていう考察は今まで考えたこともなかったなあ… 今まで大長編でスルーしてた、誰も触れなかったことに真正面から触れ、のび太たちが鉄人兵団と戦っていた間の両親たちについても描いたのはまさに英断とも言えるのでは。これがあるのとないのとでは作品の説得力が違いますね。

    読んでいて何故自分が漫画より小説を好むのかなあと言うことが何となくわかってきたのですが、漫画は絵や1コマで表現できるようなことを小説では活字で表す都合上、その分キャラクターが何したどうしたって一つ一つ頭に入っていくので、キャラクターと一緒に過ごす時間が長くなる。一緒に物語世界を旅する時間が長くなって、より密接に作品を楽しむことが出来るってことがわかったのですよ。だから私は小説が好きなのかな、って。風景描写も心理描写もとにかく秀逸なんです。のび太がどんな想いでいたのか、スネ夫がどう悔しさや劣等感を感じていたのか、ジャイアンがどういう気持ちでみんなを叱っていたのか、しずかちゃんがリルルをどう思っていたのか……それはF先生の原作でも、アニメでもどうしても伝わりきれないところですよね。それをこの小説版は全部瀬名氏の文章で書き上げてるんです。いわば瀬名氏の解釈ってことなんですが、それが全然違和感が無くて、深い考察と愛で紡ぎあげられてるんだなーって。そういう作品に触れると本当に嬉しくなりますよね。こんな作品が読みたかったんだ! って喝采したくなります。ということでここで喝采してるわけです。もう、ホント二次創作ですよ! 瀬名氏によるハイクオリティ同人誌ですよw!

    原作はいま手元にないのでこないだ注文して、あとで比較してみるつもりなんですが、しずかちゃんのママが鏡面世界オイルを張ったお湯を流したり、ドラえもんが鏡面世界の入り口にした湖の湖面を燃やしてオイルを消そうとした展開は確か無かったはずなのでオリジナルですね。またオリジナルといえばまさかの星野スミレと任紀高志w スミレはまだわかるとして任紀高志が出てくるとは思わなかったw てか任紀高志はドラじゃなくてエスパー魔美だよねw ググって思い出したけどw
    スネ夫がリルルの容姿について触れるところとか、人工知能学会的にはピンとくるところだったのでは。原作よりスネ夫に結構スポットが当てられてるのもいいと思いました。ジャイアンが一回だけかあちゃーーん!って泣くところも好き。あそこほんと(´;ω;`)ブワッときました。ジャイアンやっぱリーダーだなあ。それと、小説にして改めて戦闘描写を見ると、毎回地球や別世界の危機を救ってるのび太達だけど鉄人兵団は結構ヤバめの戦いだったんだなあと改めて思いました。何せ四人とザンダクロスしかいないわけだしね。圧倒的不利。ミクロスのあの思いつきがなかったら完全に負けてましたよ……それ考えると怖い。大魔境の先取り約束機の機転にも言えることだけど、この展開はさすがF先生と唸らざるを得ませんわ。あ、あとしずかちゃん助けにきた時ののび太の描写が(贔屓目かもだけど)かっこいいんだー。これは惚れますね。

    なんか内容のことにあんまり触れてなくてアレなのですが、「思いやりの心」などを始めとして原作のテーマを大切に描いていて特に後半、クライマックス、リルルが消える辺りなんかはもう涙が溢れてきましたね……てか随所で涙ちょちょ切れまくりだったんですけどもうもう! 引用したいところも多すぎて何が何だかわからなくなってきたのでこの辺で切ります。ブクログレビューでも伝わりきらないこの作品への絶賛ってことで。これ読んでないドラファンはすごうく損してると思いますのでぜひぜひ! 厚さなんて全く気になりません!むしろもっと厚くてもよかった! 小説版がこれだけなんてもったいないので他のも瀬名氏に書いてもらいたいです! 別の作家さんでもいいけど出来れば瀬名さんに!

  • ドラえもん大好き。敵が攻めて来る前夜の過ごし方がいい。みんな不安なんだけど自分の出来ることを精一杯していて、みんなカッコ良い。

  • 電子書籍で読了。

    国民的アニメーションのノベライズ本で、勿論ご都合主義的な展開もいくつかあるが、「パラサイトイヴ」の瀬名秀明氏が作者ということもあり、期待以上に面白かった。

    特に、鉄人兵団の襲来を翌日に控えた夜の、3人+1(のび太、ジャイアン、スネ夫、ドラえもん)の過ごし方を描いた部分が良く、またパー子のエピソードも子供たちだけのストーリーにアクセントを加えていて、印象的だった。

  • 劇場版ドラえもん「のび太と鉄人兵団」のノベライズ作品。予想していた以上にドラえもんへの愛で溢れた作品で驚きました。主要な場面は一切変えずに随所で深い解釈が加えた上で補完しているどころか、オリジナル展開も雰囲気を壊すことのないもので素晴らしかったです。劇場版を中心とした他の作品からの引用も嬉しい限り。ファンを幻滅させることのない作品だと思います。

  • 読後、心があったかくなる作品でした。前半はオリジナルに割と忠実に、後半は瀬名ワールドも全開し、特に奇跡のコラボレーション(ネタバレになるので詳しく言えないが)がうれしいサプライズでした。創造というテーマから、神、アダムとイブ、堕落、争いという人間の歴史と神の視点という壮大なテーマに、いつものドラえもんの友情や家族愛、信頼、仲間、といった普遍的なテーマもあり、大人が十分楽しめるエンターテイメント小説になっていました。
    特に戦闘場面は小説ならではの緊迫感や心理状態の描写が秀逸でした。
    岩渕まことさんのGOD BLESS
    YOUがあんな風に使われるなんて!
    是非、瀬名氏にそのあたりの事情を伺いたいですね。
    映画も是非みたくなりました。

  • のび太かっこよすぎ

  • 瀬名さんの想いが伝わる「ドラえもん」オマージュ作品。いつまでもどこまでも、瀬名さんは少年期のロマンチストだ。
    「八月の博物館」を思い出した。

    そして、「ドラえもん」はやはり日本の誇りだ。

  • そもそも面白い話だし、プラス若干の理系要素・星野スミレとにんきひとしが絡む話。ジュドが自動修復するというオリジナル要素。
    面白かった。

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小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団の作品紹介

のび太が北極で拾った物は、なんと巨大ロボットの部品だった。鏡面世界でロボットを組み立てたのび太とドラえもん。しかし、それはビルを一撃で破壊する武器を持つ恐ろしいロボットだった。のび太たちは、そのロボットの存在を秘密にしようとするが…。

小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団のKindle版

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