- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092897533
作品紹介・あらすじ
おひな様がつなぐ家族の物語
いとうみくさんの長編読み物。いとうみくさんは、デビュー作『糸子の体重計』で、日本児童文学者協会新人賞を受賞。その後も、『空へ』で、日本児童文芸家協会賞を受賞。『かあちゃん取扱説明書』で、夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれるなど、多くの賞を受賞している人気作家です。
本作品は、母親が仕事で長期出張に出ている間、ひな祭りで有名な町に住む祖母の家に預けられた少女が、出会った不思議な世界を描きます。リアリズムの作者が初めて書き下ろしたファンタジックな物語。
主人公の少女は、小学校4年生。ひょんなことから、おひな様の声が聞こえることに気がつきます。そのおひな様とは?
あなたを守ってくれるおひな様の声が、あなたは聞こえますか?
【編集担当からのおすすめ情報】
発表する作品ごとにその魅力を増す、いとうみくさんのさらに新しい世界です。
感想・レビュー・書評
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わがままなお雛様といさめる官女、頼りない殿など、お雛様たちの会話がとてもおもしろい。
そしてそのお雛様、濃姫と由良の成長ぶりにホロッ。
わが家は3姉妹で一つの雛飾りだったけれど、毎年父と飾るのが楽しみでした。
五人囃子がいなかったのが残念で、娘のためには七段飾りを買ってもらったものの、一戸建てからマンションに引っ越し、押し入れの場所を取ること、寝る場所を犠牲にして飾らないといけないことから年々億劫になり、出しても数日だけというようになってきていました。
今年は思いを込めて飾りたい。
そして、町中に飾られるようになったお雛様の顔も、一つ一つ丁寧に見て回りたいなあと思いました。
田舎には何もない、のではなく
「あるものがちがうだけだ」
親が、子どもが決めたことに反対することがあるのは
「親が思う幸せにはなれないと思う」
からなのか、と気づきました。
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お雛様は女の子にとってうれしい行事。
私は次女なので自分専用のお雛様はなくて、姉が随分うらやましかったのを覚えている。
自分に娘が生まれた時に、小さい自分専用のものを買って毎年飾ったなぁ。
お雛様とお話しできるなんて羨ましい限り。 -
少女とお雛様の不思議な物語
今の季節にちょうどいい読み物
<幼い頃はどの女の子もお雛さんと話をしてるのです>
という部分に共感を覚える
私の家はガラスケースに入れたまま飾られていたけど
人形の威圧感は半端なかった(笑)
今は全部処分してしまい何も残ってないけれど
昔の思い出が蘇ってきます -
うちのお雛様はどうしてるだろうか。
ここ何年も外に出してない。
たまに勝手にオルゴールが鳴るのですよね。
明るいところに出たがっているのだろうか。
女の子をお雛様が守ってくれるなら、男の子は何が守ってくれるのかなあ…。 -
おひなさまの声が聞こえる主人公。なんだかあのおひなさま、元気がないみたい。
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4年生になった由良。母が仕事で海外に行くことが決まり、その間、母の故郷・桃花町の祖父母の家で過ごすことに。
由良は、駅に飾られたおひなさまを見て、元気がないみたいと思う。 -
母の出張中、祖父母にあずけられることになった4年生の由良
いなかの駅舎に飾られていたふしぎな雛人形に出会う
「女の子のすこやかなる成長を見守り、
それをはばむものあらば、その災厄を引き受け、身代わりとなる」
そう言ってハエに憑依して由良のまわりを飛ぶ濃姫という女雛
ふるさとの町のひな祭りをモチーフに
由良のこころがひらかれ家族をとりもどしていく物語