負けないパティシエガール (SUPER!YA)

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制作 : Joan Bauer  灰島 かり 
  • 小学館 (2013年6月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905733

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負けないパティシエガール (SUPER!YA)の感想・レビュー・書評

  • 大きな問題に立ち向かう時はまずスタートから
    表紙が色とりどりのカップケーキでかわいらしい。
    裏表紙にはバニラカップケーキのレシピ。
    パティシエになるためにがんばる女の子の話だが、憧れやいいことばかりではない。
    むしろ、困難に立ち向かう強さを引き出す物語だ。

    主人公のフォスターはLD、文字が読めないし書けない。
    しかし知能の発達が遅れているわけではない。
    そのために学校という存在が好きではなく、また人にそれを知られるのを恐れている。
    また、バカだといわれるのではないか、呆れられるのではないか、と。
    その一方で、料理の腕は、特にカップケーキに関してはたいそう優れている。
    人を「むむむ」と唸らせ、美味しい!といわれることが嬉しくてたまらない。
    フォスター(とそのカップケーキ)は魅力的だ。

    メンフィスからウエストヴァージニアへとやって来た母と子。
    父はイラク戦争で亡くなった。
    母のボーイフレンドはエルビスのモノマネで稼いでおり、暴力を振るう最低男。
    行く手は困難だらけだ。
    けれども、フォスターは「よいシェフなら、とんでもない取り合わせからでも、最高の食事を用意できるのだ」と結ぶ。

    そう、人生はなかなか思い通りに行かない。
    わかっている。
    逃げ出したくなる時も、本当に逃げてしまうこともある。
    逃げてばかりだと嘆きながらも未来を信じたい、夢を叶えたいとも思う。

    本書はフォスターがアメリカンドリームを叶えるところまでは描かれていない。
    そのずっと手前、歩き出そうとしているところで終わる。
    物足りない、そう感じた。
    だが、よく考えてみれば、「辛いこともあったけど今はこうして成功しています」まで必要だろうか?
    いや、そうではない。
    もしかしたら、夢を完璧に叶えられないかもしれないけれど、あのとき乗り越えたことが自分の支えになる、そんなメッセージの方が強いのではないか。
    対象がヤングアダルト、10代であることを考えればそちらの方がしっくりくる。
    なんといっても、『負けない』のだから。

  • パティシエを目指す女の子の物語です。
    障害を持っている主人公は、ケーキ作りが得意なところから始まり、自分に降りかかる困難なことを全て前向きに乗り越えていくところが感動でした。
    何回も読み返したくなる本です。

  • 資料番号:020263190 
    請求記号:933バ

  • 識字障がいを持ちつつも、カップケーキづくりはだれにも負けない女の子の物語。

    YA向けということですが、障がいへの認識を改めて考えるきっかけになる点で大人にもおすすめできると思います。

  • 「ある人にとって、読むことはとても自然なことだ。でも別のある人は何倍も努力しないといけない。ものを学ぶのには、いろいろな道があるから、どの道が悪いということはない。悪いのは、ちがった方法をとる人を、まちがっていると言って非難することだ」

    なぜ?どうして?とたずねられても、こたえられないこともある。なぜなら、自分でもわからないのだから。なぜ?と責めるのではなく、どうしてだろう?なぜなのだろう?と相手に対して想像を働かせたい。

  • パティシエガールになりたい。夢を追う女の子の話。

  • 序盤のスタートの入り方にこの作家さんの技術を感じます。惹きかたがうまいです。
    何か特別な事件が(あるいみ特別ですが)起こるわけではないけれど、主人公たちからしたらそれはもう大事なわけで。「もし追いつかれたら・・・・・・」という不安と共に女の子の行く末が気になる。
    ずっと明るい話しばかりではないところもいいかなと。

    焦るべき状況にあるにも関わらず、女の子がとてもいいキャラしてます。子供なんだけど、お父さんがいないせいなのか、大人びている感じ。ませているのとはちょっと違う気がします。彼女が自分の理想の姿にむかってひたむきにお菓子を作り続ける姿が何とも可愛い。子供の読み物かもしれませんが、大人が読んでも楽しめると思いますよ。

    良い本です。

  • 図書館にて、新しくて綺麗だったのと、背表紙にレシピが載っていたため借りてきました。いかにもなTHE・YA作品!って装丁ですが、そんなことはいいのです。

    内容は、児童向けの自己啓発本と言った印象。
    日本ではあまり一般的ではありませんが、主人公は識字障害を抱える12歳の少女。文字が読み書きできずとも、ケーキ作りの才は、食べた人の心に触れる程。賢い女の子ですが、過去に受けた傷から強いコンプレックスに悩まされています。

    そんな彼女がとある災難から逃れるべく母と共に流れ着いた小さな町で…

    こんな感じで物語が始まるわけです。

    少し変わった、けれど親切な町の人々。ベタっちゃベタですが、こう言う物語はそれでいいと思います。伝えたいことやテーマもわかりやすいですし。

    ただ、若干翻訳に違和感おぼえる部分が何箇所かありましたけど。会話の口調とか特に。英語には口調表現とか無いので翻訳家さん次第だと思うのですが、どうもしっくりこない部分が…。そうなると内容が入ってきにくいですね。

    情景や動作などの描写は映像が浮かぶのですが、人物の描写が結構少なくて。敢えて読者の感性に任せているのやも知れませんが。みんないい人たちで好感は持てるのです。しかし、関係の変化、それに至るプロセスなどが薄いかな?

    でもYA作品でこの長さだと、書き込み過ぎも邪魔になるのかな。

    ヒロインは何となく、黒人の女の子かな?と感じました。何故かわかりませんが。母親の歌い方のせいかも。

    個人的には女優のチャリーナさんが好きです。

    お菓子作りのシーンが沢山あるので、カップケーキが食べたくなります。しかし、英米らしくカラフルなのと、えげつない甘さらしいのを思うと、作中のケーキには惹かれないです^_^;

  • 『希望のいる町』の作家さんの新刊。
    おもしろかったぁ。です。
    決して甘くない環境にいる女の子が、もがいて、闘って、ちゃんと前を向いてく。
    今回も、おいしそうなものが……
    生きる力って、こーゆーとこにあるんだろうな。
    しみじみ思いました。

  • フォスターはケーキ作りが得意な女の子。ママとふたり、ママの元彼ハックの暴力から逃れるためにやってきたカルペパーの町で、絶品カップケーキを武器に町のひとたちの胃袋をわしづかみにした。親切な人たちやドキュメンタリー映画監督をめざすチビのメイコン、気難しい元ハリウッド女優、そしてイケメンのランナーなどなど、個性的な登場人物が続々と登場します。一方、町が抱える問題や、ハックの黒い影、そしてフォスター自身の秘密など、ドキドキする要素もいっぱい。そのすべてが甘いカップケーキで解決するかも? 最後まで目が離せない物語です。

  • 外国のYA

    主人公フォスターは 毎日ケーキを焼く。
    字(文)を読むのが苦手で、学校一の低能と言われて、6年の卒業もギリギリだったけど、カップケーキを焼くのは天才的なのだ。ケーキを焼くと、幸せになれる。

    けれどある日、
    ママの恋人が ママに暴力をふるった。フォスターとママは家を出て、新たな街へと引っ越すことになった。
    母子二人、ウエストヴァージニア州のカルペパーという田舎町にやってきた。
    ママはバックコーラスの仕事などをしていた歌手だったが、新しい仕事を探さなくてはいけない。
    フォスターは カルペパーの人々と出会い、カップケーキ作りを通して、成長してゆく。

    読んですっきり!勇気がわいてくる。
    成長して自立してゆくフォスターたちがいい。

  • 母の恋人が暴力をふるったことをきっかけに、町を逃げ出したフォスターとママ。
    さまよう内、車が崖から落ちそうになっていたところを、ある夫婦のレッカー車に助けてもらい、その夫婦の庭のキャンピングカーに住まわせてもらうことに。
    その町には、教会を売り地にする人や、住民を騙す形で建った刑務所、わがままな女優など、ちょっとした問題があり、暮らしていくうちにフォスターもその問題に関わることになります。
    12歳の少女フォスターは難読症のため、これまで子供にも教師にも馬鹿にされ見放されています。
    それでもお菓子作りが得意で、パティシエになることを夢見て、自分で作ったカップケーキをレストランに自分から売り込みに行くほど頑張っています。
    体は小さいが映画作りを夢見る少年や、フォスターと同じく難読症だった女優と関わりつつ、これまで背を向けていた「字が読めない」という自分の問題と向き合っていくフォスター。

    バウアーさんのローティーンが主人公の作品は初めて読みましたが、この方の描く女の子の清々しい強さと、思わず応援したくなる健気さは健在です。
    DV問題も絡めつつ、暴力や困難に負けずに、胸を張って夢に向かっていくフォスターの姿には胸を打たれます。

  • この作者、すごくいい。物語のテンポも展開も、主人公の魅力的なところも。そのうえ出てくるカップケーキが美味しそう。ラストシーン泣けた。

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負けないパティシエガール (SUPER!YA)の作品紹介

パティシエ少女のハードでおいしい物語

SUPER!YAシリーズの新作。『靴を売るシンデレラ』の作者ジョーン・バウアーの注目の作品です。前作品は、多くの都道府県の中学生の部の推薦本にも選定されるなど大好評でした。本書も、いろいろな問題を抱えるけれども、ひたむきに頑張る女の子が主人公のさわやかな感動作品です。アメリカの各書評誌でも絶賛されています。作者ジョーン・バウアーは、アメリカのニューベリー賞オナーを受賞している人気作家の一人です。
お菓子作りの大好きなフォスターは、毎日必ずケーキを焼くことにしています。なぜって、そうすれば、いつでもどこでもおいしいものが食べられるから。ある日、ママとといっしょに家を出て、新しい生活を送ることになります。フォスターを待ち受けているのは…・?
「学校では、いいところが全然ないおちこぼれでした。でも、料理をしているときは、世界に立ち向かえるっていう、そんな気になれたんです」と物語の中で語るフォスター。
持ち前の明るさで、フォスターは、自分の未来を切り開けるのか?
カップケーキのように甘くはないけど、心までとろけちゃうおいしい物語。


【編集担当からのおすすめ情報】
前の作品『靴を売るシンデレラ』の中でも、心に響く名言がたくさんありましたが、今作品も、何度読んでもぐぐっとくる言葉にあふれています。
「みんな、だれだって悲しい日はあるよね? 悲しい日だって人生の一部だもん。だから悲しい日もうれしい日も、せいいっぱいその一日にとり組めば、それでいいんだと思うな」
「大きな問題に立ち向かうときには、どこでもいいから、まずスタートすることが大事よ」
「きみらしくやればいいんだ。それが一番だよ」

特にティーンエージャーの読者は、この本に励まされること間違いありません。

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