脳をきたえる「じゃれつき遊び」―はじめて出会う育児シリーズ 3~6歳 キレない子ども 集中力のある子どもに育つ

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093112628

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  • 偏桃体と前頭連合野46野  -2006.05.18記

    いわゆるよくキレる子にならないために、幼児期-3~6歳児-における「じゃれつき遊び」がとても有効だ、という。
    幼児に対し、日課のようにして、情動的刺激-ある種の興奮状態-を、短時間集中的に与えることが、キレない子ども、集中力のある子どもを育てるという訳だが、この主張は直感的にさえおそらく非常に的を獲たものだろう、と私には思えた。
    そこで最近の脳科学の知見をひもといてみるのだが、「じゃれつき遊び」の効用は、偏桃体と前頭連合野46野のはたらきにおいて裏づけられようか。

    情動-Emotion-のメカニズムは大脳辺縁系の偏桃体が主要な役割を果たしている。喜びや悲しみの精神的状態から、食欲.性欲や喉の渇きなど生理的欲求がもたらす心理的状態や、それが満たされた時の快も、満たされない時の不快も、偏桃体の機能に大きく負っているということだ。偏桃体と、同じ大脳辺縁系の記憶中枢である海馬体とが、お互いに密接に情報交換していることも今ではよく知られている。偏桃体には視覚などあらゆる感覚連合野からの情報が流れ込んできており、同じ辺縁系の海馬体の記憶情報と照合したうえで、その情報に生物学的な価値判断を与え意味を決定することとなる。

    ヒトを人たらしめるもの、自我のはたらき-自己意識と自己抑制-は、大脳新皮質系の前頭連合野が中心的機能を果たすが、なかでもそのセンター的部位が46野である。逆にいえば、人の言語能力が社会関係を複雑化させ、46野を発達させてきたのであり、思考のはたらきもまた然りである。

    「じゃれつき遊び」は、この情動のメカニズム、偏桃体のはたらきにすぐれて直結するものだろう。その快としての刺激と興奮は、大脳辺縁系のみならず新皮質系も含め、脳のはたらきをダイナミックに活性化し、子どもたちの情操を豊かなものに、ひいては理性をも育むだろう。
    15分から30分間程度、集団で大人-先生や保育士または親-も交えて「じゃれつき遊び」に興じたあとの幼児たちは、先生の話を聞くとか後片付けの作業とかに驚くほどの集中力と持続力を発揮するというが、これは前頭連合野46野における自我のはたらきへの高次の作用といえそうだ。

  • どの遊びも、普通にやってる感があった。バリエーションを増やした続編に期待。子どもとじゃれるのにも、ねらいがあると、きっと豊かに育つだろうな。

  • しっぽ取りが我が家のブームです。絵日記、プリント学習後に家族で楽しんでいます。

  • 子どもとじゃれあいながら遊ぶ方法を紹介した本。実践しやすい内容で、参考になります。欲を言えば、解説ページを減らして、遊びの紹介部分を増やして欲しかったです。

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