世界が生まれた朝に

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制作 : Emmanuel Dongala  高野 秀行 
  • 小学館 (1996年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093560412

世界が生まれた朝にの感想・レビュー・書評

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  • 緑色の目を持って生まれてきた賢者マンクンクの生涯を、アフリカの架空の国を舞台にして描いた長編小説。唯一無二である瞳の色を授かった運命は、「破壊者」として生きることをマンクンクに要求する。
    部族社会での因習への反発、植民地支配打破への闘争、腐敗した独立政権への反抗。マンクンクの武器は「知」。「知」は、時に因習や迷信の暴露を呼び部族の輪を乱し、また時には植民地支配者のもつ科学力への傾倒につながり、はては物質主義を糾弾する根拠として、マンクンクを突き動かし、翻弄する。その有様は、そのままアフリカ諸国の近現代を体現している。
    既に入手困難であることが残念。本来であればアフリカ文学の入門としてこれ以上ない一冊に思える。

  • 激動の時代を生きた一人の人間の生涯を通して、時代の変化とそれに伴う文化・価値観の変化、世代間ギャップ、個人の葛藤など、さまざまなテーマを描く。
    かなり意欲的な作品。

    物語は、民族の伝統が支配する原始的な氏族社会に始まり、白人の流入による植民地時代、黒人たちの手による革命期、そして独立後と、アフリカ諸国の経た歴史を凝縮したような展開を見せる(コンゴがモデルだろうが、このような短期間にここまでの激変をした国はたぶんないので架空の国かと思われる)。
    そしてそのような激動の時代を、常に「力」への反抗と、「力」の源である「知」の探究に生涯をささげた一人の人間の目を通して描く。
    この作品のマクロなテーマは、時代の変化。アフリカでしかありえなかったであろう劇的な時代の変遷を通して、時代の変化による文化、価値観といったものの変化をまざまざと描いて見せる。
    そしてミクロなテーマは、このような激動の時代に直面した人間の葛藤、特に新しい世代と古い世代との隔絶といったものに悩まされる人間の姿が描かれる。
    上記二つ以外にも、自然、宗教、文化・・・など、よく300ページ弱の小説にこれだけのものを詰め込んだな、と感心するほど色々なテーマが描かれており、自分がアフリカ人として一生を送ったような読後感すら得る。
    その上、話自体も面白く、かなり夢中になって読めた。これは名著。

    狙いは『百年の孤独』と確かに同じだけど、中身は全然別モノ。マルケスで挫折した人も、こっちは楽しめるかもしれないからオススメです。

  • なかなか触れる機会の無いアフリカ文学。
    訳者高野さんの「異国トーキョー漂流記」に作者ドンガラさんが出演?されていて、興味を持ったので図書館で借りて読んでみました。(Amazonではプレミア価格で流通してますね。。)

    純文学的な作品は普段全く読まないので(「百年の孤独」も読んだコト無いです)素養は無いのですが、そもそものストーリーが面白いのでスイスイ進みます。
    アフリカの悲しい歴史を取り入れつつ、それに翻弄される主人公。読み終わりには何とも言えないような、さびしさ、爽やかさが入り混じったような感覚になりました。
    その後、解説と訳者あとがきを読んでみて、なるほどこういう読み方があるのか、と納得。科学的な知識とアフリカ的な知の違い、というのは考えさせられました。

  • えり*読み終わった後、世界の奥深い神秘を味わったような感覚を持ちました。

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