深読み浮世風呂

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093620673

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  • 式亭三馬 「 浮世風呂 」解説本

    「浮世風呂」は、日本橋界隈?の銭湯を舞台として、町民の世間話など時代世相を描写した本


    前編の男湯の場面から始まり、2編の女湯を経て、最後は男湯で終わる4編構成。男湯はおかしな発音や方言の描写、女湯は世間話の描写が多い


    表記方法が面白い〜二行割りの注記に人物の様子が書かれたり、ト書きとして 人物の話し方や身振りの説明を入れてあったり。本文に時計の絵を入れ、読者に時間を意識させていたり


    金も物も集まる江戸の描写「江戸は金が集まるよいところ。だから働け、倹約しろ。そうすれば必ず成功する町」


    女湯の話題は子どもの教育が多く、教育への関心が読みとれる。面白いのは どら殿(散財する道楽父)対策として、女性の自立が 描かれていること

    「深読み浮世風呂」の「野暮こそ真の通、意気こそ野暮の心情」という江戸っ子の美意識は面白い
    「粋」でなく「意気」であり、「野暮極みて通起こる」 粗野な生活感覚にかわる、あらたな江戸っ子の美意識

    意気な男とは「気がきいて人あたりもよく、夜遊びはせず、素人娘を追いまわしたりしない〜誰とも人付き合いがよく、深酒はせず、銭もぱっぱと使わない〜控えめな生活信条をベースとした立ち振る舞い」


著者プロフィール

1936年 福島県生まれ 東北大学大学院文学研究科修士課程修了 元専修大学文学部教授 現在,専修大学130年史編集主幹[専門]歴史学,日本近世文化史[学会・社会活動]歴史学研究会,愛知県史編さん専門委員近世部会長。
[著書]『一茶の時代』校倉書房,1988。『深読み浮世風呂』小学館,2003。『近世非領国地域の民衆運動と郡中議定』ゆまに書房,2004。

「2009年 『人は何を旅してきたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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