日本の古典をよむ(16) 太平記 (日本の古典をよむ 16)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 94
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093621861

作品紹介・あらすじ

血湧き肉躍る合戦、天狗と怨霊たちの暗躍、終わりなき権力闘争-。四十年にわたる南北朝動乱を描く。

感想・レビュー・書評

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  • この本は完全訳ではないですが、
    一応歴史を追えるようにはなっています。

    様々な武将が入り混じり、
    争いが起き、
    悪が跋扈していく…

    かなり表現的には血生臭いです。
    (一挙自決がありますし)
    それと物の怪も多かったりします。
    面白いですけどね。

    今度は完全訳挑戦してみたいな。

  • 学生時代、古典に苦手意識があったので読みたくても渋っていました。

    こちらの一冊はダイジェスト版。
    原文と現代語訳を交互に読めるし、流れや見どころ、作風が掴みやすくて古典へのハードルを下げてくれる。
    また、古典は解説など色々とごちゃごちゃして読みにくいイメージが強かったのですが、こちらはそういったことがなく、全体的にスッキリしていて初心者には取っつきやすい印象です。
    こういう易しい入りができるのは、苦手意識克服にすごく有難い!

    解説も大切だけど、どうも勉強じみて嫌になる。まずは自分の感性で読みたいのです。

    そして読み終えて思うのは、なぜもっと早く読まなかった自分…!という後悔。
    歴史書としてもすばらしくわかりやすいし、当時の様子や日本の精神も詰まっている。
    それに原文の言葉、なんてかっこいいんだろう…。ガツンとやられた。

    岩波文庫や吉川英治版など他の太平記もチャレンジしてみたい。

  • 2014.1記。

    年明けといえば時代物、ということで「太平記」を読んで見た。鎌倉幕府の滅亡から南北朝、室町幕府成立、という複雑極まりない時代が舞台だが、戦闘描写はもちろん、アウトレイジもびっくりの「全員悪人」の権謀術数、そして不公平な論功行賞への絶望等々、700年の時を越えた「サラリーマンあるある」としても読みごたえ十分すぎる内容。

    太平記は当時から知識階級に読まれていたという。鎌倉幕府によって守護・地頭が置かれ、朝廷の権勢が没落した、などという歴史的な動きは当時から同時代的にまざまざと感じ取られており、また今日に至るまで脈々と日本人の基礎知識であり続けたということだろう(「・・・所には地頭強くして領家は弱く、国には守護重くして国司は軽し、この故に、朝廷は年々に衰へて、武家は日々に盛んなり」)。

    一方で写実的な叙述と違和感なく併存する「怨霊・怪異」の描写も興味深い。鎌倉末期、民の苦しみを顧みず遊興にふける北条家の酒宴に烏天狗や妖怪が加わっていた、という「目撃証言」が語られる。時の政権が旧権力を「目撃証言」とともに罵倒するのは歴史の常ではあるけれども、同時に当時の人々は、ただならぬ戦乱の気配の中、天高く飛び交う天狗の姿を確かに「見て」いたのであろう・・・。

  • ダイジェスト版太平記。
    内容を4編に分け、その中でも主要な話の現代語訳・本文と、要約や解説をはさむことで、全体の流れを追っていくスタイル。
    大まかな内容を把握できてよかった。

  • 吉野の如意輪寺はメインの道から少し離れたところにあるのに連れが行きたいという。後醍醐天皇のお墓があるからだって。後醍醐天皇って私にはただの文字にすぎなくて、人物としても理解してなかったのだけど、エピソードを聞いたりしていたら俄然興味が出てきて、なんか読みやすい本はないかと思って探したのだが、これが全然ないのだ。だいたい歴史モノは司馬遼あたりの本を取っ掛かりにするのだけど、どうもこの時代は好きじゃなかったらしい。楠正成とか南北朝とか戦争生まれの人は確かに題材にしない時代かも。なので変なものを読むよりはと原点の「太平記」の読みやすい版としてこれを手に取ったわけなのです。原文のところは読み飛ばしましたが、わかりやすく圧縮してくれて大変面白く読みました。歴史書はその時代の支配層の正統を訴えるために書かれるのが常なので、最終的には太平記は足利幕府の側だろうと思ったんだけど、そうは言ってもいろんな立場のいろんな人物が入り乱れて、攻守がクルクル変わるというか、誰が悪で誰が善とは簡単に言い切れない、でもってこの世は諸行無常という空気も濃厚に漂っていて、なんて面白い時代!もっと小説化されてればいいのに!と思ったのでした。後醍醐天皇はガッツがありやはり面白い人物。この人を書いた本はないかしら。あと、南北朝時代を知らないと高師直とか出てくる江戸時代の戯作や明治の楠公の持ち上げとかの話もわからないわけで、40巻もある原典はちょっと無理だけど、このダイジェスト版は、さらっと読んでしまったのでもう何回か読み返したいと思ったのでした。

  • 古典『太平記』のダイジェスト版で、現代語訳と書き下し文の対訳形式となっている。紙数の都合で若干省略されすぎている感はあるものの、書き下しもふりがなをふんだんに使って読みやすくされているなど初学者にも解りやすくなるように工夫されている。入門用には丁度良い。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(佐藤優選)87
    歴史についての知識で、未来への指針を探る
    南北朝の動乱を通じ、日本人の思考動様式と行動の原型が描かれている。

  • 亀岡などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

中京大学名誉教授。研究分野○中世軍記物語 著書等○『太平記の研究』(汲古書院、一九八二年)、『太平記 創造と成長』(三弥井書店、二〇〇三年)、『新編日本古典文学全集 太平記』全四巻(小学館、一九九四〜九八年)、『太平記を読む 新訳』第四・五巻(おうふう、二〇〇七年)など。

「2014年 『『太平記』をとらえる 第一巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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