最終退行

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著者 : 池井戸潤
  • 小学館 (2004年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093796286

最終退行の感想・レビュー・書評

  • 池井戸潤の初期の頃の作品で、銀行を舞台にした王道の金融ミステリー。池井戸潤お得意の勧善懲悪を基本としたストーリーではあるが、主人公が完全に善ではなく、不倫もし、迷いのある等身大の人物として描かれている。支店長や人事部の横暴の描写は、流石に本当の銀行はここまで酷くないだろうと思うほど非人道的で、読んでいてムカムカしたが、最後はスッキリできた。ただ、登場人物の掘り下げが不十分など、後年の池井戸作品に比べると、ちょっと盛り上がりに欠ける気がするのは否めない。

  • 勧善懲悪ストーリーで最後は正義が勝つ。実社会もこうあって欲しいと思う。蓮沼副支店長、最高!半沢直樹シリーズに近い内容だった。2015年ラストに読んだ本。

  • 著者得意の銀行ものでそこにM資金が絡んでくるという物語、半沢直樹のようにアップダウンが激しく、やられたらやり返すものではなく、当初はヤラレっぱなしでイライラさせられる。結局正義は勝つ式で終局するのだが、公的資金をつぎ込まれながら反省しない銀行の姿を批判した物語になっている。銀行員は悪人だらけということか?著者の小説が有名になってから銀行を就職希望する学生は減ったんじゃないだろうか。

  • おもしろかったー!!
    実際はこうはうまくいかないんだろうけど、相変わらず読んでいて引き込まれる。

  • 実に、面白い。
    これも、ドラマ化、いや、映画化しても良いかもしれない。

  • 銀行に真面目に務めるも、その組織の理不尽さに、トップの不正を暴く行員の物語。
    癒着した会社への債権放棄、付き合いの長い会社への貸し剥し・・・。それをやらねばならない現場の行員の苦悩が生々しく描かれる。
    しかし、終戦間近に軍が隠したとされるM資金にまつわる詐欺と、女子行員との不倫この3つの筋をつけてしまった為に、ストーリーが少し緩慢な印象を持ってしまった感もある。

  • サラリーマンの妄想話。終盤の交通事故からは、都合も良いし転回も早い。前半が丁寧だった分だけ残念でした。

  • 一旦開き直った人間の言動には、見ているこちらをスカッとさせてくれるものがある。こんな風には言えないなぁ、でも言えたらすっきりするんだろうなぁって。

  • 池井戸さんの作品を初めて手に取ってみた。
    実力がある人って、題材からして魅力的なものが多い中、銀行を舞台にした本作はガチガチだったら疲れるかも、と思ったけれど杞憂杞憂。初めは「ん?」と思ったけれど、ストレスの代名詞、社会人として色々胸につまされたわ。

    あらすじ;
    蓮沼が支店長として勤める東京第一銀行は、首都圏中堅どころの銀行だが、バブルの痛手からまだ脱却できておらず、信用不振により恒常的な赤字と顧客離れが続いていた。人員削減の割を食って残業の日々。そんな時、煮え湯を飲まされ続けていた部下の塔山がとうとう銀行を退職した。彼が融資を担当したある零細企業に不信感を募らせる蓮沼は、その企業がトレジャーハンティングを副業としているこをに眉をしかめる。
    そこへ投資資金の回収を言い渡され、その数字しか考慮に入れず、古くからの取引先を省みない温情のなさに憤りを覚える。一方、会長の久遠が手を結んでいた取引先には緩く甘い手を差し伸べている。保身に身を投じる店長谷の嫌がらせ、そして回収目標が悲劇を生む――。
    だれがここまで経営を悪化させたのか。怒りと憤りが蓮沼を動かす。

    冒頭でいきなりM資金詐欺の話が出てきて、「へ?」という感じだったのはわたしだけじゃないはず。そういう話なのか、と興味がわいたら一気に現実へ引き戻され、最終退行のカギを渡される疲れ切った中年男の蓮沼と対面するのだった。それにしてもM資金って本当にあるといわれていたものなのか?
    バブルの時の反省か、銀行の貸し渋りの問題は本を読んでいると偶に目にする。融資拒否が厳しい審査の結果ではなくて、舞台となる東京第一銀行では適当な調査によって言い渡されるのだからたまったものではない。担保になるものがあれば、ゴー。赤字が続いている中小企業では、倒産によってむしろ多額の負債を銀行側が被ろうと、ストップを宣言するのだ。銀行によって振り回される側にとっては、常に冷や汗ものだ。
    どれ程残酷なことか。そして蓮沼への対抗心を燃やす店長谷がおこした問題は、道徳に触れる。
    会長職へ退いたが事実的に権力を掌握し続けている久遠がまず私腹を肥やすことにいとまないから下もそうなる。一方で、ドサ周りを続けざるを得なかった蓮沼や塔山が怒るのはもっともだ。赤字経営の取引先へ実際赴き、資金を回収するのは彼らなのだから…。
    随分まあひどいことだ。架空の話だとしても、だ。
    大抵の社会人は同じ目には合っていなくても、「上がしっかりしてないから下が苦労する」というのは共感できる部分も多いのではないか。
    ミステリ的な要素を持って、塔山のたくらみが語られていくのは面白い。まあ予想できるのだが、ワクワクするじゃないか。一方で、赤信号が灯ろうとしていることに、不安になった。久遠のじーさんの貫録はね、読んでいるだけで伝わる。怖いわこのオジサン。
    しかし不正の記録というのは必ずどこかに残っている物なのだ。
    らラストの展開は、まさに待ってましたと手を叩かんばかりの大興奮。

    一方で腑に落ちない点が。彼の私生活の転落や性交に対してはあまり共感が出来ない。特に、これ、子供がかわいそうすぎて…。そんなに喜ぶなよ蓮沼。何かしらのフォローをしてください、と作者に訴えかけたいくらいだ。

  • 池井戸潤の銀行ミステリー。支店の副支店長の主人公・蓮沼が保身と出世しか頭にない支店長や裏金で私腹を肥やす銀行の会長に立ち向かうストーリーに、日本軍が終戦間近に隠したというM資金という宝探し的要素を絡めたストーリーは読んでいて飽きがこない安定感でした。
    当初は胡散臭さだけ感じたトレジャーハンターの連中が話が進むにつれて見方がかわってきたのは面白かった。

  • 中間管理職の不平不満が詰まっているが…不倫しておいて、好き勝手していながら組織に不満のやりどころを求めるのは…。
    サラリーマン的には共感のこもる一作

  • バブル崩壊と貸し剥がし

  • 安定の読みやすさ。ただ、なんだか地味な印象なのは、蓮沼の人物設定のせい? 東京湾に軍が隠した金塊が眠っている・・・という宝探し的要素や、ストーリー上のラスボスである久遠の人物像をもっと詳しく読みたかったな。

  • 作者お得意の銀行を舞台にしたミステリー。「あんたらはいいよな。いい加減な経営して大赤字になっても、公的資金だなんだって政府から助けてもらえるからさ。」中小企業はそれこそ必死で生き残る努力をしている。生々しい貸し渋り、貸し剥がしのやり取りや、それとは対極の宝探し。上しか見ていない管理職、本社の管理部門は数字しか見ていない。数字のひとつひとつには中小企業の必死さがあるのに。

  • 恰好良いなぁ。けど、不倫してそのまま上手くいくっていうのもなんだかなぁ。

  • 銀行の理不尽さに嫌気が差し、トップの不正を暴く行員の憤りと行動を描く。
    自分達は何千億と公的資金を投入されても責任を取らないが、今まで継続融資だったものを本社の一声で容赦なく貸し剥がし、優良企業を倒産に追い込む理不尽さ。またそれを実行させられる現場行員のやるせなさが辛い。
    また、銀行の気分1つで、人生を狂わされた人達が現実にいると思うと胸が痛い。

  • 人の流れ、お金の流れ、裏工作の流れ。全てテンポ良い流れでサクサク読めました。元銀行員の著者ならではの内容ですねぇ。

  • 銀行の裏を暴く銀行員。
    裏金、不正人事、虚偽の数々…
    そんな事態にハラハラドキドキが止まらなかった。

  • 直木賞を取った池井戸潤のブレーク前の作品らしい。

    直木賞に加え、大田区の仕事をしていることもあり、読んでみる。

    会社組織と悪と戦うサラリーマンの話。主人公を応援したくなる作品。

    下町ロケットが読みたい!!

  • 【最終退行】 池井戸潤さん

    東京第一銀行はバブル期の積極経営が裏目に出て
    多くの不良債権を抱えていた。

    その多くは現会長の久遠が企画部次長時代に
    彼自らが承認をしてきたものだった。


    ペイオフ解禁に伴い、多くの不良債権を抱えた
    東京第一銀行は預金の流出が止まらなかった。

    東京第一銀行羽田支店の副支店長蓮沼鶏二は
    本部からの「預金流出阻止」の指示に憤る思いでいた。

    現在の状況を招いた本部役員は、自らのミスを
    棚に上げ、すべて支店の現場に尻拭いをさせている。

    支店長の谷は現場を知らないエリートで、
    蓮沼に対抗意識を燃やしているが、自らが
    煩わしいと感じる問題に関しては全て蓮沼に丸投げし、
    功績だけを持っていく姑息な支店長だ。

    不平不満を飲み込み、組織の歯車として
    粉骨砕身する蓮沼。。

    しかし、彼は融資の失敗で支店長に嵌められ
    全ての責任を1人で負わされた。

    そして人事部から僻地への出向を命じられた。

    もう、蓮沼の行員人生に未来は無い。。

    蓮沼の出向は久遠が行内で打ち出した「信賞必罰」の
    徹底によるものだ。

    しかし行内の「信賞必罰」の徹底を打ち出した
    久遠自身は自らがバブル期に犯したミスについては
    何ら罰を負っていないコトに蓮沼は憤る。


    支店には永年の付き合いのあった中小企業からの貸しはがしを命じ、
    本部は大手ゼネコンへ千億単位という債権放棄している。。

    蓮沼は久遠がゼネコンから裏金を受け取っているという
    噂を聞き、彼の不正を暴き銀行の姿勢を正そうとする。



    蓮沼が砂を噛む思いで貸しはがした、中小企業の経営者は
    自殺をしてしまった。

    片や数百億という金額を債権放棄をしている一方で
    数億の貸しはがしで、親密だった取引先を倒産させてしまう。

    実態を知らず、数字ありきの本部の理論。

    己の出世と保身の為なら、他人の犠牲など全く厭わない
    権謀術に長けた者が勝ち残っていく銀行。

    そして金塊に魅せられた男と、ソレを利用する者たち。。

    自分の信念を持ちつつも、その信念を銀行という鎖にしばられた
    蓮沼が、出向を機に、信念に基づき銀行役員に反旗を翻す。

    400ページ以上の本でしたが、最後まで面白く読めました。(^^)/

     

  • 銀行お仕置きもの。いつもの感じで安心してさくさく読めた。

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