薩摩燃ゆ

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093796309

作品紹介・あらすじ

藩への思い、家族への愛。「万古不易の備え!」島津重豪の命を受け、五十三歳にして破綻寸前の財政改革に着手した調所笑左衛門広郷。二十年間、身命を賭して闘い抜いて藩を救い、島津斉彬、西郷隆盛、大久保利通らが維新で活躍する礎を築く。この男無くして、薩摩藩が維新の中心となる事は無かった。

感想・レビュー・書評

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  • 為了達成重豪所命令的百年不變之備,調所負起重整島津加財政的責任(當時正因想一筆勾銷五百萬倆的債務引起大阪商人全體的憤怒)。重豪為了應變變局,希望將來有一天能夠開國,但在這之前必須讓薩摩準備好。調所讓離島變成黑糖地獄,偷偷進行密貿易,並掌管重豪設立的偷鑄贋金的秘密區域,用以密貿易支付之用。而他順利讓島津加轉虧為盈,也達成五百萬兩分其兩百五十年(到2086年...)的壯舉,但他自己知道雙手也沾滿鮮血,鑄造贋金由於水銀揮發會產生毒性,這些人都從離島、獄囚或者齊興所要求的肅清一向宗的人力而來。

    齊興由於長年在重豪的威壓下也產生扭曲的個性,常會在檯面下銃康別人,調所本人除了替島津家的付出使不少人眼紅側目以外,自己的長子笑太郎也在請求齊興讓其接任之後遭毒殺,日後女兒又在和齊興不歡而散之後突然入水。齊興不讓調所辭職,調所只能超越悲傷,兢兢業業,由於鴉片戰爭的影響必須重整軍備,因此開始在藩內進行艱辛的改革,採用高島式砲術。而密貿易雖然之前在長崎會所的抗議之下停止,在水野忠邦的治下也完全無望,然而調所的心願是請幕府准許讓琉球繼續推行貿易,並且讓齊興隱居。因此捲入老中之間的政爭,好不容易阿部正弘上任出現一線生機,調所回到薩摩明為協助齊興推動久光繼任,實則欲取得齊興寫給由羅的讓位久光書狀。然而齊興也有防備,破壞了阿部、齊彬對調所的信任,因此阿部再次質疑調所密貿易的事件。調所只好決定一身承擔起罪責,此時齊興還是派人來搶奪調所手寫的書狀。調所想起贋金的水銀殺了多少人,認為這是最符合他的死法,為了不讓齊興手下奪取他的書狀得知贋金的去向,他用自己的血濺濕了書狀,壯絕地自盡。

    之前雖然知道調所是悲劇人物,但讀了這本小說而知道其實他背負了很大的壓力,整個藩的期許加上主君不負責任的要求,甚至必須吞下自己雙手鮮血的責任,失去兒女,然而他依舊毅然地完成重豪交付他的不合理任務,最終用自己的生命讓齊興隱居。像這樣完成大事的人必須輕濁併濟,但也是毀譽參半,而且其心中之苦,壓力之大應該也不是一般人所可想像,必須抹去心中奴役離島的罪惡感、贋金殺人的罪惡感,偷偷進行密貿易,畢竟藩內的財政惡化已經到海音寺之前說的藩邸牆壁破落雜草叢生的地步。而主君不合理的要求與花費,還要跟齊興這種人相處,兒女被殺,在忠於主君的思想之下依然隱忍完遂任務,實在很難想像這個人的意志力有多堅強。沒有他的整頓財政和雷厲風行,很難說幕末的薩摩能夠有這麼強的財力、國力進行運作而儕身雄藩。這樣一個人物有很多解讀角度,然而某種角度來說,在那樣被忠義所束縛、無法質疑主君命令的時代,可以這麼勇於任事一手救起藩內財政,是值得令人尊敬的。但是背後的黑暗他也必須一身背負起,這或許比起光明,更難令一般人承受吧。

  • 調所広郷の財政再建にかける壮絶な人生

  • 幕末の薩摩藩の話だが、西郷隆盛はちょっと出てくるくらい。薩摩藩の財政が火の車だったのを、琉球経由で密貿易していたり、水銀使ったメッキで偽金を作っていたり、奴隷みたいに酷使して黒砂糖を作っていたり、かなりブラックなことを老中の調所笑左衛門が切り盛りしていたらしい。このような財政改革(?)で薩摩藩が力を蓄え幕末に突入していく。

  • 薩摩を幕末の雄に押し上げた改革をし、財政再建、軍制改革、西郷や大久保などの若者下級武士のと用などに貢献した、調所笑左衛門が主人公の小説。地味だが面白かった。しかし幕府と藩内の政治的な権謀術数や、贋金づくり、サトウキビ栽培の農家の悲惨さなど、暗い面が多くあまりさわやかな話では無かった。ゆえに星三つ。

  • 幕末の薩摩藩の台所を裏に表に支えた調所広郷の物語。

  • 広郷の島津重豪への忠義の話。

    重豪亡き後もその忠義(約束)を全うするため、傍から見れば、極悪非道な改革を推し進める。

    悲しいのはラスト。

  • 幕末の薩摩藩家老として、強力な藩の行財政改革を成し遂げた調所広郷を主人公とした歴史小説ですが、期待通りなかなか面白かったです。
    書かれているできごとの多くは、すでに「幕末の薩摩」で読んで知っていることでしたが、さすがに大衆小説らしい脚色が様々になされていて、はらはらさせられるドラマチックな展開やほろりとさせる様々な細かいエピソードがちりばめられており、飽きさせません。
    それにしても、島津斉彬の父である薩摩藩主島津斉興については、いくら小説を盛り上げるためとはいえ、そこまで悪の大親玉に仕立て上げなくてもと思うくらいに強烈な大悪人に描かれていて、もちろん小説としてはその方がおもしろいのでしょうが、ちょっとかわいそうな気もしました。ちなみに、斉興は「幕末の薩摩」の方では地味だけれども名君と評価されていて、むしろ大衆の人気は絶大だけれど、派手好みで坊ちゃん育ちだった斉彬よりもしっかりしていたという評価だったのですが、調所広郷の活用のしぶりのうまさなんかを考えると、そちらの方が事実に近かっただろうなと思いました。
    また、逆にこれまで反斉彬、西郷、大久保の大悪人として維新史に登場する方が多かった主人公の調所については、とことん好人物に描かれており、いくら主人公とは言っても、それはそれでちょっとやりすぎって感じ。実際は、単純に彼がやったこと、成し遂げたことから考えてみても、実力や才能は巨大でありつつ、悪の方面にも巨大な才能を持つ怪物だったのではないかと思います。
    ともあれ、あのすさまじい借金が、どのようなプロセスで返済されたのかについては、作者の想像と思われるエピソードも含めて非常にリアルに語られており、よく理解することができました。
    現代ではとても真似のできない手法ですし、その手法そのものは決して真似すべきではないことは当たり前すぎることですが、その肝の据え方や周到な戦略と実行については、今でも学ぶべきところがあるように思います。

  • 調所さまの事前知識なしに読んだのがよかったのかもww

    史実的に話が反れることもなく、上手く創作してるので調所さまのことを好きになれる一冊だと思いますww
    これが真実だったら、いいのになぁ…と素直にそう思えました。


    斉興さまが悪者すぎて…納得した(笑)

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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