金色の野辺に唄う

  • 小学館
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797528

感想・レビュー・書評

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  • おばあちゃんが息を引き取った出来事について、周りの人の視点からそれを見つめる物語。
    人に良い影響をもたらして、最後に皆に見送られる。そんな一生をおくりたいと思わせられる作品でした。

  • 人は様々な生い立ちを背負って生きているけれど、過去がどうであれ、今、生きている事こそが素晴らしいのであり、輝いているのだ。
    90歳を超えた松恵さんが人生の幕を閉じようとしている時、何らかの関わりを持った人達が集まる。
    美しい風景とともに、人と人との繋がりが感動的に描かれ、読みながらも気持ちが引き締まる思いがした。

  • 「生きていなければ、いつかには巡り会えない」

    90歳を過ぎて死期を迎えた松恵から話は始まり、曾孫、娘、近所の花屋さんと主人公を換えながら松恵の葬儀が終わるまでの心の変化を描く。

    生きていくという事はとても難儀な事で、当然すべてが自分の思う通りになるとは限らないし、むしろ逆の結果となる事も多い。

    「何故?」という問いかけをどこにすればいいのか、それすら迷う事もある。でもきっと答えなんて分かりはしないんでしょう。

    冒頭で松恵が迎えた「体がだんだん冷たくなってきて、やがて何も感じなくなる」という最後はリアリティを感じるとともに羨ましくもあった。自分の人生の最後の瞬間がそんなに穏やかならどんなにいいだろう。

    タイトルにもなった「金色の野辺に唄う」の松恵の言葉に泣きそうになった。私もあんな美しい日に逝きたい。

  • この本を今読むことが出来て良かった。

    人は誰とも同化出来ない。
    とんちんかんなもの。

    知らないだけで、よくある話。

  • 藤崎松恵という、ひとりの老女を巡る人々の短編集。

    人間って複雑です。
    もっと単純に生きられたら楽なのに、自分で苦しい道を選んでしまったりする。

    たくさんの渦巻く感情を抱きながら、
    それでも生きよう、生きたいと思う真っ直ぐな想い。

    ひとはひとに生かされています。
    生きていなければ、何も始まらないのですよね。

    死んでいくときに、「あー幸せだった!」って思いながら死んでいくのが、私の夢であり、それこそが本当に幸せな人生だ、と思うのです。
    だから、おじいちゃんやおばあちゃんになっても、明日の夢は忘れずに見よう!
    精一杯毎日を生きよう!
    でなきゃ、幸せな人生なんて実現できないだろうから。


    個人的には東真が好きです。
    彼目線の物語を、もっともっと見てみたかった。

  • こんなおばあちゃんすてきだと思う

  • こんな風に穏やかに、最期を迎えられたら素晴らしいのにね。心の内実はどうであるにせよ、人の最期として理想的なかたち。

  • 2013.7.12読了。
    「風の唄」が中3の教科書に載っていることを知り、読んでみる。
    中学生らしいのはその部分だけで、全体を通してみるとなんか大人向けな感じがした。
    大人びたあさのあつこ作品ではなく、大人のためのあさのあつこ作品のような気がする。

  • 90歳を超えたおばあさんが息を引き取る。
    娘、孫、曾孫までが、彼女に対して色々な思いを持ち、彼女の死を悼む。彼女に関わる様々な人間の思いを、それぞれの立場から描く短編集。

    読んでいて、とても清々しい気持ちになれる本でした。

  • 読み終わって少したつと、それでなくてもあいまいな★の数をいくつにするか困ってしまう。
    ★なんてつけなくていいのだが、ちょっとした覚書のようなつもりでつけているのだ。
    これは★3.5くらいかなぁ。

    秋に読みたい本だ。
    農村の美しい秋の風景と野辺送りを思い起こさせる。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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