年金夫婦の海外移住

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 17
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093797863

感想・レビュー・書評

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  • 年金のコーナーにあったので読んでみたのですが、特に年金について書いてあるわけではなく、リタイア後の海外ロングステイの光と影について書かれた本です。
    光と影と言っても主に影の部分が詳しく書かれているので、ロングステイのデメリットや注意点などを知りたい方にはいいと思います。ただ、この本を読むとロングステイに二の足を踏む人も出てくるかもしれません。
    ロングステイに興味はあるけれど、そんなにいいことばかりなの?と疑問を持たれている方にはおすすめです。

  •  団塊の世代が年金生活に移行しつつある現在、興味のある話題として海外移住があると思い本書を読んでみた。好奇心を刺激されるという意味で週刊誌ネタであるとも思ったが、実際週刊誌に掲載された記事を加筆した新書だという。内容は、あまり評価できないと思った。
     本書によると「2004年度に観光目的で海外に2週間以上滞在した60歳以上の日本人の数は13万5000人。5年前に比べて4割近く増えている」という。日本の人口統計では2004年度の65歳以上の人口は約2.200万人。海外移住がいくら増えているかといっても、たいした数ではない。数字的には、年金夫婦の海外移住が社会現象となっているわけではないと思うが、ちょっと興味がわく程度のテーマと思った。
     本書の「月10万円で夢の生活は可能か?」では、マレーシアにおいて月3500リンギ(約11万6000円)で暮らす夫婦が紹介されているが、やはり治安と医療費が問題のようだ。無事に老後をすごせれば余分な出費はないだろうが、もし治安や医療でのトラブルがあればそれへの対処で高額の出費を強いられるのは明らかである。また、現地の日本人社会での軋轢も予想される。日本人の文化的特性に「社会性」があると思う。どこでも「共同体」を作ろうとするのだ。当然付き合いには金もかかるし、トラブルも予想される。ただ、こんなことはわざわざ取材せずとも、当然予想されることではないだろうか。
     「桃源郷に暮らす」では、タイで60歳代の日本人男性が20歳代の現地女性と暮らす話題を取り上げる。それなりの興味はあるが、なんとも下品・下劣な行為と思ってしまった。
     本書では結論として「たとえ物価の安い海外で暮らしても、夢の生活は簡単には手に入らない。」とするが、そんなことは現地の事情に精通せずとも当たり前のことだろうと思う。せめて内容として年金夫婦の海外移住についての社会的視点や時代的視点ぐらいは考察して欲しかった。本書にあるのは、ただ「こういうことがある」のみである。読後感は、「おもしろくない」だ。

  • 分類=老後・海外生活・年金。08年6月。

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著者プロフィール

1965年、岡山県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「日経ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書に『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など多数。

「2019年 『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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