逆説の日本史〈19〉幕末年代史編2―井伊直弼と尊王攘夷の謎

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著者 : 井沢元彦
  • 小学館 (2013年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798433

逆説の日本史〈19〉幕末年代史編2―井伊直弼と尊王攘夷の謎の感想・レビュー・書評

  • 井沢節全開ですが、これはという新しい知見はなかったかな?

  • 確かに尊王攘夷は謎じゃ

  • どっぷり歴史にハマるのはよいですね。
    幕末でも、ろくでもない人間、賢い人間といたのが良くわかる。

  • 筆者自身があとがきで書いている通り当時の常識を元に歴史の前後関係を考察し幕末から維新に至る変遷が語られる書籍は珍しいのではないか。特に興味深いのが幕末の誰しもが何らかの信念を持って国や組織の為に善かれと思い行動した事が裏目に出、結果維新が実現されたという逆説となっている点だ。例えば井伊直弼の信念と独善的権力志向が歴史的転換点となった桜田門外の変を招いている。詰まる所全員尊皇攘夷派であるのだがそのエッセンスに至るまでの国民的コンセンサスが明治維新であると言えよう。

    また西郷隆盛の自害未遂や自らクーデターを自白する吉田松陰など、是非は置いといて、現代にはない日本国への強い憂いと焦燥感、そして使命感を豪傑たちに感じる。

    もちろん「逆説の日本史」の十八番である大胆な仮説も忘れていない。島津斉彬暗殺説は非常に腑に落ちる説でもある。

    第1章 幕末激動の十五年 一八五八年編
    第2章 幕末激動の十五年 一八五九年編
    第3章 幕末激動の十五年 一八六〇・六一年編
    第4章 特別編

  • 安政の大獄がなぜ起こったかが、よくわかりました。
    この時期の複雑な政治環境、国内外の環境、人間関係などが、手に取るように分かります。
    今までの疑問が氷解しました。

  • 大攘夷と小攘夷。幕末の潮流の裏側がよくわかる。いよいよ幕末クライマックスの序章。面白かった。

  • 当時の水戸藩、井伊直弼の立位置など参考になることが多かった。

  • 桜田門外の変、開国vs攘夷の実態がとても良く理解できた。

  • 幕末。
    この前二冊くらい読んでないので、やや繋がらないところもあったけど。

    相変わらず、面白いなぁと思ってサクッと読了。

    攘夷をせまる孝明天皇は、個人的な好き嫌いではなく…という説明は、このシリーズ読者なら納得できるけど、
    幕末好きな人とかには受け入れられないんだろうなーと思ってしまう。
    この巻だけでなく、シリーズで読まれることをオススメします。

  • 井伊大老の考えは当時の幕府の観点からは正義でも世の潮流から見ると弾圧であったということ。
    桜田門外の変の実行犯の生き残りは僅か2名で一人は警視庁に奉公という奇縁。

  • 気づけば幕末編がはじまっていました。久しぶりの井沢元彦だったので流して読みましたが、改めて井沢歴史観は面白いと思いました。

    「既に述べましたが」という表現に出くわせば、やはりシリーズものは順を追って読むべしと痛感しました。

    本書は安政の大獄から桜田門外の変までの約2年間が納められています。龍馬が出てくるのはもう少し先ですが、幕末の複雑さを理解するにはこの数年をしっかりと理解することが重要なのだと思いました。

  • 幕末は、平安末期や戦国末期と同様に大きな歴史の転換点ですが、時代が新しく資料が豊富であったり、出来事の記憶が生々しく真実を述べるのに差しさわりがあったりということで、私にとっては非常に分かりづらい複雑な時代ですが、このシリーズのこの時代はクロニクルという形式で丹念に記述されているので非常に助かります。ここで浮き彫りにされる井伊大老の人物像は、近代の独裁者に近く、安政の大獄で無くなった人たちのことが悔やまれてなりませんでした。

  • 長いつきあいのシリーズ、今回は図書館から借りてきた本がたまって
    しまっているので一日で読み終えた。

    なぜか私は幕末にそれほど興味が無く、今までちゃんと触れたことが
    なかった。最初にしっかりと触れる本がこの逆説の日本史シリーズだ
    というのは幸せなのだろうか不幸せなのだろうか。少なくとも周りの
    幕末好きとは意見が相容れないことが多くなりそうな、そんな感じ
    である。もちろん個人的には大歓迎であり、とても幸せなことだとは
    思うのだが。

  • 毎年、最新刊が出るのを楽しみにしています。

    分かりにくい幕末の歴史をこれほど分かり易く教えてくれる歴史本はないと思います。
    井伊直弼と安政の大獄について深いところを教えてくれます。

    これからの展開が楽しみです。

  • 逆説の日本史シリーズの最新刊です。とうとう江戸時代の末期となり、井伊直弼が活躍した時代について解説されています。この当時、日本は攘夷から開国へ国の方針が180度変わったような時代の背景が解説されていました。

    攘夷の実行の原因として、幕末の地震以上に死者の出た、開国によるコレラの発生である(p110)ということ、下級武士を追い詰めたのが通貨政策によるインフレ(p221)にあるというのは、新しい知見でした。

    振り返れば太平洋戦争の前後でも、国の方針(国民の価値観)が180度変わった時代でした、これからも起きる可能性があると思いながらこの本を読み終えました。価値観が変わるような時代に活躍するのがそれまでの主流ではない人達です。今の日本に当てはめたら、どのような人達になるのか考えてみる良い機会となりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・関白とは、藤原氏が天皇の権力を奪うために作った地位、別名ともいえる「内覧」という言葉が示すように、朝廷で決定される事項について関白は天皇以前にチェックできた(p22)

    ・公家が全部で137家しかない時に、6割以上の88人が連判状を作った極めて異例な事件がおきた(p31)

    ・関税自主権の侵害は、ハリスとの和親条約の8年後(1866)の英米仏蘭の圧力によって結ばされた江戸協約で、不当な関税率を押し付けられた(p62)

    ・慶喜が将軍になるのは、御三家を創設した家康の想定外であったはず、水戸家の当主は天皇に絶対に逆らわない人物であれば徳川家は滅びないという家康の深謀遠慮を壊したのは吉宗(p80)

    ・井伊直弼の評価が低いのは、自分に反対する勢力を徹底的に粛清したこと(p104)

    ・コレラの流行による死者は3万人とも言われ、大地震の死者の4倍と上回った(p107)

    ・開国により、未知の伝染病が入ってきたので、攘夷の実行となった(p110)

    ・江戸幕府とは、結果的に幕府に悪影響を及ぼすと予測されることでも「慣例なら許す」というところがあった、これは信長・秀吉の「新し物好き」からの反動(p130)

    ・徳川家基が謎の死を遂げたため、豊千代(11代家斉)が将軍になることが決まった、このため外様大名の娘が将軍家御台所になるかもしれなかった、結局、近衛家の養女という形にした(p131)

    ・天皇の下では将軍も浪人も農民も平等な臣下、これが民主主義を生み出す条件であり、中国の皇帝とは異なる(p177)

    ・第15代の応神天皇に受け継がれるときに、初代の神武とは別系統のものに交替している可能性あり(p183)

    ・幕府は1ドル=1分を確立しようとした、日本では銀が高く、1分銀という銀貨は現代の1万円札と同じで、それ自体には1万円の価値はなく政府がその価値を保証していたが、アメリカのハリスはこの「信用貨幣」を理解できず、1ドル=3分のレートを押し付けた(p215)

    ・金の流出を抑えるために金含有量を3分の1にした小判(万延小判)を発行して金銀レートは国際基準となった。しかし一挙に通貨供給量を3倍にしたので、大インフレとなった、最も困窮したのは固定俸給を得ている武士階級(p219)

    ・辛酉(しんゆう)の年=1861は、辛酉革命という言葉がある通り、このエトには何かしら社会が不安定になりやすく、この年には改元する習慣があった、実際に文久と改元されている(p233)

    ・安政7年(1860)、日本人初の太平洋横断が咸臨丸によって行われた、日本人の操船によってという意味(p280)

    ・咸臨丸は外洋でも蒸気機関で進むアメリカ軍艦ポーパタン号の6分の1の排水量でスピードは半分だが、サンフランシスコ港にほぼ同時に出発した軍艦よりも先に到着、石炭補給が不... 続きを読む

  • いつものように表面に現れた行動や歴史的な事実の裏側を、解き明かしてくれている。

    幕府、朝廷、薩摩、長州及び水戸の各藩及び井伊直弼や孝明天皇等の主要人物の考え方や行動がわかりやすく述べられており、個人的には非常に分かりづらい幕末における日本の情勢がわかった気になった。

  • 今週は、井沢の新著を2冊。逆説は、あいかわらず面白かった。考えてみれば幕末のキーマンである井伊直弼については、全く何も知らないことに気づかされた。思想的には英明でありながら、一橋家への怨念が招いた安政の大獄。しかし、それこそが却って大政奉還を加速させていくから歴史は面白い。

  • 幕末編第二弾である。安政の大獄から桜田門外ノ変にかけて扱っているが、詳細に分析しており、なるほどと感心することが多かった。幕府方、朝廷型、薩長とそれぞれの立場から、それぞれの事情をよく説明しており、まさしく目からウロコである。
    桜田門外ノ変の描写は非常にリアルである。

  • 朝廷、幕府、水戸藩、薩摩藩、長州藩、イギリス、オランダ、ロシア、アメリカ。。。。
    さまざまな思惑・思想が渦巻く中、いかに開国近代化へ向かっていったか。
    なぜ開国した幕府が、「開国すべき」と思っていた薩長に倒されたのか謎だったが、やっとわかった。

  • 井伊直弼を中心に、薩摩の斉彬、斉興、久光について。その他、幕府の工作、朝廷の立場状況、水戸家の事情、等々。
    今回は驚きは少ないけれど、知っていたようで知らなかったことの整理になった。井沢先生は。本当のことは証拠が残るわけがないといいつつ、細々した文書を読み込んでいる。ホント、この人凄いよ。

    吉田松陰は幕府の間部老中排斥のため、藩に大砲を借り出しに行く。そんなとこができると思う頭の構造が判らない。安政の大獄で捕まると、云わなくていいことをベラベラ喋る。自分は正しいことをしていると思い込んでいるだから手が付けられない。黒船に乗り込もうとした時も同じ、自分から出頭して全部白状している。ペリーを困らせる、藩を苦境に立たせることを考えない。陽明学の教え、結果を考えずに行動せよという思想の影響は、司馬遼太郎の「殉死」、乃木将軍の話にもあった。それを考慮に入れても、幼児的で狂信的な人間だと思う。
    松陰初め、久坂玄番や高杉晋作など若手のはねっ返りを容認していた長州の在り方は司馬遼太郎も「花神」で触れていた。松陰のような異常な人間を厚遇する長州藩自体が異常だと思う。

  • 【新刊情報】逆説の日本史 19 210.0/イ/19 http://tinyurl.com/cou92zw 井伊直弼は、自分に対する反対派は、幕府を窮地に追いこむ極悪非道の者共だと考えた-。戊午の密勅から安政の大獄、桜田門外の変までを追い、激情の幕末史の真相を暴く。 #安城

  • 当然ながら面白かった。
    井伊直弼については、普通に学校で習う歴史の印象では「頑迷な保守派で、開国開明派を大粛清した極悪人」のようなイメージだったのが、15年くらい前に読んだ新井喜美夫氏の『幕末日本を救った先見力と胆識』でイメージが変わっていたのが、今回の『逆説の〜』で光の部分と陰の部分(限界と言っても良い)の両方があったこと…考えてみれば当たり前なのだが…を理解した感じだ。

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逆説の日本史〈19〉幕末年代史編2―井伊直弼と尊王攘夷の謎の作品紹介

激情の幕末史全真相

血で血を洗うことになる幕末混乱の始まりは、幕府老中の判断ミスに端を発した――。
アメリカから要求された日米友好通商条約の調印に断固反対した御三家水戸藩主・徳川斉昭。老中堀田正睦は自ら斉昭を説得する労を厭い、朝廷の勅許を得ることによって斉昭を納得させようと画策した。この安易な判断が幕府崩壊のきっかけとなる。
幕府が容易に出るものと考えていた勅許は孝明天皇の反対で出ることはなく、幕府はやむを得ず勅許を得ないままアメリカと条約を交わすことになる。
幕府の対応に噴出する不満は、一橋派と南紀派で激しく争った将軍継嗣問題の対立を引きずったまま過熱化する。
対立の火種に着火させたのは、孝明天皇が水戸藩に発した「戊午の密勅」。密勅の黒幕は「水戸の斉昭」と誤解した大老井伊直弼の怒りは「安政の大獄」という大粛清に発展。多数の有為な人材が死に追い込まれる。
粛清の報復が行なわれたのは桜田門外。一発の銃弾が大老の命を奪う。相次ぐ流血で幕府の権威は失墜。時代の潮目は「反幕」に傾いていく――。
激しい権力闘争の前にもはや、「開国」が正しい政策か否か顧みられることがなくなった亡国寸前の時代を抉る。

逆説の日本史〈19〉幕末年代史編2―井伊直弼と尊王攘夷の謎はこんな本です

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